ロータリアンの広場


「社会奉仕に関する1923年の声明」その2
2830地区 元RI理事 黒田正宏(八戸南)
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2830地区 元RI理事
黒田正宏

 第2項ではまず会員の基準が現在は広くなっていること。地域社会でのリーダー、有益な事業や専門職務の退職者、財団学友やその他が含まれるようになりました。声明文の第2項で「奉仕の理論が職業および人生における成功と幸福の真の基礎であることを団体で学ぶこと」ということに対して「これは現在のロータリアンを完全に反映しているわけではない。奉仕の理論というより、その実践が重要と考えているロータリアンが多い。また 団体で学ぶというより、会員自身が自主的に学ぶことが基本です」という反論がありました。

 また第2項の「・・・ロータリアン以外のすべての人々が、理論的にも実践的にも、これを受け入れるように励ますことである」に対しては「奉仕の理論をロータリアンでない人々に強制はしない」という反論でした。

 声明文第3項に記されている「RIの目的」は現在のRIの綱領に必ずしも一致しない。 また最近のRIの使命声明にも文章上は一致しない。これは1923年においてはロータリーの拡大方針に従って、外部に焦点を合わせているのに対し、現在はRIによってクラブや地区を支えている内部に焦点を合わせている違いによるという意見もでました。声明文第4 項の「・・・なるべく毎年度異なっていて、できればその会計年度内に完了できるよう・・・」 に対して「良い社会奉仕とは、継続的な影響力を持たない短期のプロジェクトよりも、長期のプログラムがよい」という意見です。しかも、現在は大部分のロータリークラブがこの単年度に焦点を合わせたことから、継続的なものに移行しています。

 声明文第5項の内容に対して「ポリオ撲滅のような他組織との協同プロジェクトはこの声明内容に一致していないと解釈する人がおります」という意見もありました。また他方 では「現在のRI会長賞プログラムとRI戦略計画は自分達が奉仕活動を選ぶ時に、特定の領域から決定するようにロータリアンやクラブをガイドしてくれます」という意見もありました。

 声明文第6項の a) に対しては「地域に適切な市民団体がない時には、地域社会全体のために発言し、行動するということはクラブの能力を超えている。また奉仕活動をおこなうにあたって、地域全体の支持が必要な訳でもない」という意見がありました。

 声明文第6項の c) の全文と f) の一部に対して「これらの部分は今日の広報の流れに一致しない。現在、広報にあたっては潜在している会員や、地域でさらに支持を得られる ようにロータリーの良い活動を広報していくことが望ましい」という意見がありました。

 声明文第6項 f)の一部に対して「この部分は21世紀の読者によって政治的な行動主義のように解釈される可能性がある。このことは声明文の意図ではないと思う」という意見もありました。

 声明文第6項 g)の一部に対しては「この部分はクラブの社会奉仕の活動の重大さを制限します。研究室での実験という考え方は、社会奉仕活動が地域社会のニーズに直面することを確実にするわけではありません。奉仕活動は会員を教育するというより、むしろ 受益者に焦点を合わせなければならない」という意見がありました。

 以上のように様々な意見が出されました。そこで私は「それらの内容に対して一つ一つ具体的に修正していくと、この「声明文」の趣旨そのものが不明瞭となる。「声明文」の本質的な内容はロータリーの哲学として、現在のロータリーでも生きている。従って「1923年の声明」として、このまま残して欲しいと主張しました。その結果、RI理事会メンバー の協力が得られプログラム委員会としては、「RI理事会の要請に対する事務総長の報告に感謝する」という結論になりました。

 翌日のRI理事会全員会議では「声明文の背景や最近のロータリーと合致しない部分」をスタッフが説明しました。その後、ジョン・ケニー議長が私にコメントを求めました。 続いて、採決に移り認められたわけです。私たちは奉仕の哲学に基づきながらも、時代の変化に対応した実践こそが強く求められています。日本のロータリアンの皆さまには今後 ともご指導とご協力をよろしくお願い致します。

(この結果、1923年の声明は「手続要覧」と「ロータリー章典」に残りました。)

(2016.09.21)

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