ロータリアンの広場


「ロータリーの職業奉仕の歩みと今後への提案」 その2

2830地区 元RI理事 黒田正宏(八戸南)
PDF版 ダウンロード

2830地区 元RI理事
黒田正宏PDG

 120万人というロータリーの会員は世界のさまざまな国と地域にあるクラブに属して共存し、協力しているわけですから、クラブの運営や奉仕活動のありかたの多様性と柔軟性は尊重されなければなりません。クラブの柔軟性は拡大する方向にあります。たとえば例会の方法、出席要件、会員種類やローターアクターのクラブ入会などでクラブ運営の多様性が認められました。

 一方では人道的支援にエネルギーをかけすぎて、会員自身への配慮がおろそかになっているという反省も出ています。数年前のラビンドラン元RI会長の提案により、会員特典のプログラムが提案され、そのために「ロータリーの行動 規範」さえ改定されています。世界的にみるとホテル宿泊料金、飛行機代、レンタル自動車利用料やレストラン利用料などの割引を求めるロータリー・グローバル・リオードプログラムに賛同する会員がおることも事実です。しかし、そのために「ロータリーの行動規範」のなかにあった「第8項:事業または専門職上の関係において、普通に得られない便宜ないし特典を、同輩ロータリアンに求めないこと」が削除されました。さらに修正された「ロータリーの行動規範」の「第5項:事業や職業における特典を、他のロータリアンに求めない」も削除されました。最近の国際ロータリーがめざす具体的な目標、たとえば「RI会長賞」の中から職業奉仕活動が消えました。RI理事会で承認された「次年度のロータリーの目標」では優先事項「公共イメージと認知度の向上」の中から 「職業奉仕を強調する」目標も無くなりました。

 これでは、国際ロータリーで職業奉仕という言葉の使用を減らす一方で、会員特典を加えていき、単なる巨大なボランティア団体(奉仕団体)や世界的なネットワークを持つ寄付団体になるのではという疑問を感じます。特に職業奉仕の基本的なことを、日常の奉仕活動では当たり前のこととして考えてきた、 日本のロータリアンにはRIのこのような傾向にロータリーの魅力を失い、退会した方もいます。これが日本で会員が増加しない要因にも挙げられています。

   これはRIでは、最近の若者で仕事を離れて、新たな仲間を作るボランティア活動を望む方を、ロータリーに参加して欲しいと考慮した結果もあると思います。 特に、2004年のクラブ・リーダーシップ・プランで奉仕プログラムの中にクラブが職業奉仕委員会を作るかどうかが任意になりだした頃から、クラブの職業奉仕活動も低下してきたように思います。

 年度によってもRI会長の職業奉仕に対する比重の置き方に相違があります。 私がRI理事の時の2009-10年度のジョン・ケニーRI会長(スコットランド出身)は「決議23−34」を大切にしてくれました。2010-11年度レイ・クリンギンスミスRI会長(アメリカ出身)は「私の年度にはRI職業奉仕委員会を休みたい」と述べましたが、会議の休憩時間に私が個人的に反対意見を述べると 「職業奉仕の重要性は否定しない。ただ最近の委員会の報告を見ていると、経費をかけ続けるほどの内容ではない。理念的なことは、もう十分にロータリアンの先人たちが成果を積み重ねてきていると思う。私は職業奉仕のクラブでの具体的なプログラム開発や実践を望んでいる。私はカウボーイ精神が好きだ」と答えてくれました。その結果、経費を節約した方法で、委員会を残してくれました。2012-13年度カルヤン・バネルジーRI会長(インド出身)と2013-14年度田中作次RI会長(日本出身)は職業奉仕を大切にしてくれました。(続く)

(2018.01.13)

=== 今後への提案 その1 ===   === 今後への提案 その3===

「ロータリーの職業奉仕の歩みと今後への提案」その2 PDF版 ダウンロード

「ロータリアンの広場」トップページ