ロータリアンの広場


「日本のロータリーと世界のロータリーの乖離」
世界は一つになるか U
2510地区 PDG 塚原房樹(札幌東)
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2510地区 塚原房樹PDG

 文明がそれぞれ異なる世界各国のロータリアンは、RIのグローバルなクラブ管理にどう対応していけばいいのでしょうか。 ロータリー章典には国法の順守として「各ロータリークラブは、クラブが存在している国の法律に従うことが期待されている。ロータリアンの間の理解と親善を深めるにあたって、ある国においては合法的であり、慣例として行われている多くの事柄が、他の国においては違法であったり、慣例的行為でない場合が存在することも認識されなければならないロータリアンは他国の法律や慣習を批判したり、干渉したりすることを避けるべきである」とうたわれています。我々ロータリアンは、このことを踏まえて、それぞれの出身国の文明は違うが、インターナショナルな組織の「目的」を推進するために選ばれたのです。

 では、RIは「文明の衝突」する地球環境の中で、どのようにして文明の異なる国のロータリークラブを管理してきたのでしょうか。 国連と長い関わり合いを持つロータリーは、民族的、国家的、社会的、宗教的緊張が高まって平和を脅かしている現在の世界が直面している諸問題はよく承知しているはずです。 もともとRIは当初から各クラブの自治権を尊重して、寛容と多様性を柱にクラブを管理してきました。従ってクラブ定款を、国家法を解釈するように解釈したら間違いです。RIの基本方針には『管理に関する定款及び手続き上の制限は、ロータリーの根本的かつ比類のない特徴を保持するために必要な最小限度にとどめられている。特に地方的実情において、国際ロータリーの方針を解釈し実行するにあたり最大の融通性を認めるものである』と明記されています。      とにかく今日のようなロータリーを築いたのは、ポールの寛容を重んずる温かい人柄によるといってもよいでしょう。彼は喧嘩になるような問題の議論は避けて通れといっています。国際ロータリーの決議ではしばしば「推奨されている」=recommended、奨励されている=inadvisable、勧告する=urge、反対するものではない=not adverseなどと柔らかな表現を使っています。 ローカリズムに対する配慮がうかがえます。さらに、2016年の規定審議会では各クラブに大幅な柔軟性が認められるようになりました。

 話は変わりますが、1905年、初期資本主義がピークを迎えたとき、資本主義の欠陥を補うために「何か良いことをしようよ」とロータリークラブは4人で始まりました。 もともとクラブは、アメリカ移民がフロンティアで助け合って生きてゆくためにつくられた数えきれないほどの「結社」の同義語と考えられます。 しかし、フロンテイァの開拓民達が助け合って生きてゆくために、各種の「結社」をつくる必要があったことは分かるにしても、それだけではアメリカにおける「秘密結社」の隆盛を説明することにはなりません。フロンティアという条件のほかに、アメリカという国の基礎を作ったアングロサクソン系、つまり英国系文化に触れなければなりません。ロータリークラブの歴史をたどってゆくと、「フリーメーソン」という古い結社に行き当たります。さらに「フリーメーソン」のひもをたどってゆくと、ひもは大西洋を渡りイギリスへとつながっています。その源は、WASPの人たちです。 WASP(ワスプ)は、ホワイト、アングロサクソン、プロテスタントの頭文字をとった略語で、アメリカ合衆国の白人のエリート支配層をさします。

 フリーメーソンはWASPの支配階層の集まりを意味するようです。「メーソンでなければ出世できない」という言葉はWASPの支配を象徴しています。アメリカの国語が英語であることに典型的に表れています。 フリーメーソンの会員になるには、現在でも難しい手続を必要としますが、アメリカの初期のフリーメーソンの中には当時最高の名士やエリートの名が多数見受けられます。たとえば、ベンジャミン・フランクリンやジョージ・ワシントンのような当時のアメリカを代表する人物の名前が見られます。ちなみにポール・ハリスもライオンズの創始者のメルビーン・ジョーンズもフリーメーソンの会員でした。

 かつてポール・ハリスは、自分の祖先をたどってゆくと、ピルグリムファザーズにまでさかのぼることができると語ったことがありました。ピルグリムとは、1620年、メイフラワーでアメリカのプリマスに上陸した英国のプロテスタント(清教徒)でWASPの人たちです。 ロータリークラブもWASPの人達が集まって誕生しました。今のRIのクラブ管理手法もやはり、エバンストン本部の欧米中心主義に偏っているように見えます。「世界を結ぶロータリー」になれるかどうかは、前回、「文明の衝突」の中でも申し上げましたが、エバンストンの人たちが、自分達の西欧的アイデンティティを普遍的なものではないということを認め、非西欧的社会のロータリアン達のために、より柔軟に多文明性を理解し、力を合わせてそれを維持しようと努力するかどうかにかかっているといえば言いすぎでしょうか。ロータリーを愛するがゆえに、つい辛口のことを申し上げてしまいました。

(2017.11.03)

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