ロータリアンの広場 |
2630地区 PDG 服部芳樹(岐阜)
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2013年版MOPに見られるDLP, CLP の在り方や、Global Reward などに象徴されるように、RIを頂点とするロータリーの進む方向は甚だしい変貌をとげようとしています。例会の在り方を例にとっても、形式も、頻度も、クラブの自由となり、出席要件も改変され、出席よりも参加が重要視されようとする時代が来ています。その趨勢のなかで、「日本のロータリー」「あなたのクラブ」はどうすべきか? 考え、そして行動するべき時が迫っています。 たしかにそれらの変革は、社会情勢の変化を捉えてそれに適応するようによく考えてある一面は評価でき、一概に等閑に付すことはできないと思います。 改変が、「制度」の上のであれば、どのようなものが要求されても、換骨脱胎、その原点となる理念を失わず、良きを取り悪しきを捨てて日本のロータリー文化の中に自家薬篭中のものとして取り入れ、日本の社会情勢にも適した手段を講じて、日本のロータリーの発展に資することができるのではないでしょうか。実例に、CLPがあります。 しかし、「ロータリーの目的」が全く違うものになってしまって、RI定款細則・クラブ定款の定めによってそれをそのまま受諾せざるを得ない事例であったら、伝統的な日本のロータリー文化は崩壊するでしょう。「維新」です。 それを受け入れられないのであれば、唯声を大にして反対意見を叫んでみても、それは犬の遠吠え、何の効果もありません。対抗する手段を考えて実行しなければなりません。 様々な対抗手段が考えられるでしょうが、何といってもシニアリーダーの結束が重要でしょう。そして、過去の陋習を捨てて、外には、国際会議の場でロビー活動ができ、内には、日本のロータリー文化を守る信念を秘めた、力量ある規定審議会代表議員の選出が最優先事項です。そしてその武器として、多くの地区から提出された、内容は勿論、文章も英訳を念頭に置いて緻密に構成された「立法案」が必要です。これが綿密に計画されて実行されるならば、「日本のロータリー文化」を発信するに充分な成果が期待されます。 これは、決して理想論や夢物語ではありません。2010年の規定審議会において、過去数十年来その存続に歴代の日本の理事が非常な努力を尽くしても、尚不安定であった「決議23-34」が、世界中の代表議員の賛成を得て確固たる不動の地位を獲得した事実があります。これは緻密な戦略を基に、年余の計画的な努力が功を奏したからです。但し、関与したシニアリーダーは少数でしたから、この「裏の努力」を知る人はあまりいないでしょう。 荒波に翻弄された歴史が思い浮かぶ決議23-34について、私の所属する地区では1年間、地区のセミナーを始めガバナー補佐クラブ訪問のコメントなどあらゆる機会にこの重要性を説くように計画され、クラブ細則にも記載を求め、2010年規定審議会に際しては、この重要性を認めるか否かのアンケート調査を地区全クラブに行い、ほぼ100%存続の賛同を得て、このデータが規定審議会のロビー活動の役に立っています。 このように、何と云ってもクラブの理解と協力はなくてならないものなのですが、目前に迫った、「誇り高い伝統ある日本のロータリー文化」の崩壊を認識し、対処の方策を考えることのできるレベルのクラブはどれだけあるでしょうか。 会員基盤強化(増強)の一助として、ここ数年来地区情報委員会により、地区全79クラブの「定款細則」の調査改訂のプロジェクトを行って、DGに報告してきました。初年度には、定款は無いと言ってくるクラブや、何年も前の細則を何の恥じらいもなく提出するクラブがありました。増強の「強」を忘れて、徒に増員に走った「増弱」の結果であり、この軟弱な会員基盤の現状を見て、自分はシニアリーダーなどと呼ばれて、何をしてきたのか、今、空虚な想いを以て反省しています。
もし今のまま、RIの方針への「抵抗」を一部の先進的なシニアリーダーの奮闘に任せて、多くの 日本のロータリアンが無関心であったら 、日本のロータリーの伝統は崩壊するでしょう。
そうなったらどうするか? 幸い移籍には規制がないので、65歳以上出席免除を条件に、高齢者ロータリークラブを立ち上げ、健康に良い食事をゆっくりしながら「昭和はよかったなぁ」と回顧談にふけり、奉仕事業は歴史文献の収集保存でもしようか 、と自虐的な妄想が浮かんで困っています。
(2015.09.14) |