ロータリー語(V)
2630地区 PDG 服部芳樹(岐阜)

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2630地区 PDG 服部芳樹

 メークアップというカタカナ英語も、考えてみれば極めて特殊なロータリー語です。
 酒席などで、「メークアップは、出席補填か?欠席補填か?」と尋ねると、相手が一瞬“ウッ”と怯むので、時々楽しんでいます。「欠席補填」と答えたら、「メークアップになる地区の会合に出席したので、今月は出席率130%になった。などと使うときはどうなる?」と言うと、また“グッ”と詰まるので、ますます楽しくなります。
 確かに、MOPなどで読む限り、「クラブ例会の欠席をメークアップする方法」と書いてあって、厳密には欠席補填なのでしょう。しかし、習慣的に出席をプラスする意味でも使われています。

 それにしても「欠けたるものを糊塗粉飾する」とはよく言ったものです。クラブの先輩から聞いた話ですが、クラブで「今度××クラブへメークアップで行く」と話したところ、ホステス曰く「男も化粧していくクラブって、何処に出来たの?」(かつて昭和年代に栄えた、会員制高級酒場はクラブと称していた。)
 make upを改めて辞書で引くと、大量の訳語が並んでいるのに驚きます。やはり、ロータリー独特の定義が必要な、カタカナロータリー語のひとつのようです。そして日本では、例会へのVisitingやAttendance Creditの意味も含んでいるようです。メークアップカードと言っているのも、Visiting Rotarian report cardと、R定款第9条の会合の出席証明書と、両方をごちゃまぜにして使っているロータリー俗語のように思われます。

 いずれにせよ、メークアップ(広義の)は、ロータリー独自の優れた制度であることに今更ながら感心しています。この制度があるからこそ、入会したその日から、全世界に20万余、日本だけでも8万余、の信頼できる仲間(Fellow)と、親しく語り合うことが自分の意志だけで可能になるのです。一般社会に、こんな素晴らしい制度があるでしょうか。一般社会では、面会のアポイントもままならぬような人物の隣に座ることも許されます。ロータリアン同士であれば、昨日入会したばかりの新入りと、どんなに社会的地位が高い人でも、名刺交換を拒否する人は居ないでしょう。そして自分の職業繁栄の上でも、またとない機会を作ることすら望むことができます。

 MOPには、しばしば「特典を享受する」という言葉が出てきますが、これも意味の定まらないロータリー語です。しかし特典の最たるものがメークアップ(広義の)制度ではないでしょうか。
 新入会のオリエンテーションのとき、「例会だけは続けるように、欠席したらメークアップをするように。」と、それだけを聞かされても、「面倒な会に入ったなア。」と思って、「マアどこかで昼飯は食べるのだから。」くらいにしか理解できないのでは・・・?

(2014.02.03)

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