「決議23−34」
2630地区 PDG 服部芳樹(岐阜)

PDF版 ダウンロード



2630地区 PDG 服部芳樹

〔1〕社会奉仕に関する声明
決議23-34と92-286との関係について質問を受けました。


  1. 手続要覧には、二つとも社会奉仕の章に述べてありますが、23-34の成立した歴史的必然性から、社会奉仕の分類に入り、現在もそのままになっているところに、誤解を招いたり意義の混乱が起こったりするのではないでしょうか。

  2. 92-286の冒頭に、「ロータリーの社会奉仕とは、ロータリアンひとりひとりの個人生活、事業生活、社会生活に奉仕の理想を適用することを奨励、育成することである。」として、四大奉仕を団体で学び、それをロータリアン各々が実践するという I Serve の理念を述べているところは、23-34の主文と同じです。
    更に「社会奉仕は、ロータリアンひとりひとりが〔超我の奉仕〕を実証する機会である。」「この精神に立脚して、各クラブに対し、次のように奨励する。」と記されています。ここで注意すべきは、92-286の声明はクラブに対してなされたものであるという点です。これに対し、23-34は「ロータリアンおよびロータリークラブの指針として・・ロータリーの方針を明確に表すもの・・」と述べています。

  3. 92-286 の各条項は、日本語訳ではすべて「・・すること。」で終わっていますが、「こと」は、命令や決定を表す「こと」、即ち「ねばならぬ」意味の用法ではなく、文章の締めくくりの「こと」と考えます。
    することの後に「奨励する」がついていると解釈できます。「・・することを奨め励ます」のであって、RI定款第15条で定める「義務付け」には相当しません。
    手続要覧の日本語訳「勧奨」は、clubs are encouraged to : が原文になっていて、「・・こと」は「to」に相当します。これに対し、23-34は重要な個所は「be動詞」が使ってあります。

  4. 二つの各条項の内容から考えてみても、ご質問にあるように「真っ向から相対している」とは思われません。23-34の理念を取り入れたクラブにとっての、「現代社会に対する奉仕」の在り方とでも言えるでしょうか。

  5. ロータリーの奉仕哲学・二つのモットーに象徴される理念は、将に「不易」の部分であり、これを述べたものが23-34であるとすれば、92-286は社会情勢の変化に対応するロータリーの「流行」の部分、即ち社会奉仕の方策を述べたものとして捉えることはできないでしょうか。

  6. 92-286の終わりには、「RIはクラブの連合体として、・・参加を望むロータリアンやロータリークラブ、地区の力を結集すれば役立つと思われるプロジェクトやプログラムを適宜提案する責務を負っている。」と述べています。しかし、どの時期でも我々は、RIテーマやガバナーの地区活動方針を尊重してきました。クラブが勝手に、独善的な奉仕活動を行ってはいません。

  7. 以上のように、92-286は、23-34となんら相対立するところはなく、92-286は23-34の理念を基盤として、その中のクラブで行う社会奉仕活動について、方法論的な道標を示したものと考えます。

  8. また、92-286の歴史を知っておく必要があります。1992年規定審議会で採択された286号議案は、以下の過程を経て生まれたものと記述されています。当時RI理事会は、23-34を削除して新しいものと取り換える方針でしたが、まず当時の千宗室理事が反対、つづく蔵並定男理事が受け継がれ、92-286を規定審議会に上程し、見事、両者並立の形で採択されたのです。この時の感動的な瞬間については、1992年4月号ロータリーの友に記事があります。
    92-286は23-34を無傷で守ろうという目的から生まれたのであり、巧みに23-34の理念が取り入れられて記述されています。23-34に対抗して出来上がったものではありません。

  9. 決議23-34は、現在の手続要覧の掲載の場所が問題で、23-34は綱領の実践指針として、別項に記載されてしかるべきものなのでしょう。ロータリーの奉仕すべてはかくあるべし、と語るに「相応しい位置」に置かれなければならず、92-286は、「社会奉仕の章」に在るのが順当と考えられます。

  10. 決議23-34が有効な限り、クラブの奉仕活動については、クラブに自由裁量権があります。もしこれが消えたらC-leadership-pその名の示すように、全ての奉仕活動はRIの官僚的な統率の下に命令されるがままとなることが想定されます。Top-downの命令一下、全世界一斉奉仕活動が義務となるのみならず、クラブ自治権は、僅かにしか残らぬ可能性があります。

  11. 決議23-34は、その後何度も消え去ろうとする運命の波に曝されました。しかしその都度、日本のRI理事諸賢の涙ぐましいご努力の結果、今日に無傷のまま伝承されました。それは、ロータリーの友の記事を辿れば明白です。そして、2010年規定審議会において、確固たる地位を得ました。


(2014年08月11日)

「Rotary Magic」 PDF版 ダウンロード

「ロータリアンの広場」トップページ

ページのトップへ戻る