ロータリアンの広場


ロータリーの歴史に残る2019年;歴史的な規定審議会

2700地区 PDG 廣畑富雄(福岡西)
PDF版 ダウンロード

2700地区 廣畑富雄PDG

 この小文は、2020年の初めに書いている。ロータリーの歴史の中で、特に記憶される年があり、昨年(2019年)もその一つだろう。過去を振り返れば、例えば1923年は、長く記憶される年であった。この年に決まった決議23−34、つまり1923年の決議34号は、ロータリーが分裂の危機の中にあって、それを見事に阻止した決議であった(参照、ポールハリス、This Rotarian Age:富田訳、ロータリーの理想と友愛・読本)。
 さらに人によれば、この決議23−34は、ロータリーの般若心経とも言うべきものだと重要視する。ともあれ1923年は、ロータリーで長く記憶される年になった。昨年の規定審議会は、2019年をロータリーの歴史に残る年にしたように思う。以下それらを簡潔に記したい。

  • 1905年にロータリーが創立され、急速にクラブが増えて行き、クラブの連合体の組織ができた。「The Association of Rotary Clubs、ロータリークラブ連合体」である。 これが国際ロータリー(RI)の前身である。ロータリークラブは、北米から、全世界に広がって行く。多くのロータリークラブが創立され、「ロータリークラブの連合体」に含まれる。それは当然のプロセスであった。しかし昨年、このロータリーの常識が変わり、「ロータリークラブとローターアクトクラブ」の、二種類のクラブの連合体に変えられた。この立法案(制定案)は、理事会から提出され、一度否決されたが再度提出され、RI会長が趣旨説明で強く通過を求め、可決成立した。なお日本の代表議員のお一人が、2回とも反対意見を述べている。私個人の意見を言えば、提案理由をよく理解できないし、その意義も理解しがたい。多分多くの日本のロータリアンが、困惑した変更であろう。

  • 「例会のメーキャップは、その年度のいつでもできる」
    例えば7月の例会に欠席する、そのメーキャップは、今は前後の各2週間だが、翌年の3月にしても良い、そういう事になった。提案の趣旨説明には、こうすれば例会に関係なく(邪魔されることなく)、奉仕活動を行えるようになる、と説明する。ロータリーの基本的なスタンスをどこに置くか、(社会)奉仕活動をするボランティアの集まり、と定義すれば、そういう事になるのだろう。しかし例えば日本では、そう思って入会する人はごく一部である。会員基盤の減少(崩壊?)につながる懸念があるように思われる。米国でも事実上の崩壊が進み、私のホームクラブの姉妹クラブ、オークランド東RCは、地上から消滅してしまった。ハーバード大学の関係で、以前から知っているボストンRCは、かっての400人‐500人から、今は10人弱(2018年、13人)になった。正に崩壊状態である。

  • 事務総長が、CEO、Chief Executive Officer 最高経営責任者になった。この提案には、日本の代表議員のお一人が、反対意見を述べている。私的な経験だが、ヒューコ事務総長の、バンコックの国際大会でのスピーチを思い出す。演説の最後に父親に感謝する。父親が、「ロータリーが事務総長を公募している、応募したらどうか」、と勧めてくれた。それで応募して、この職(事務総長)を得た。父親に感謝する、そういう謝辞だった。今の事務総長、ヒューコさんは、有能な弁護士だったと聞いているが、ロータリーと基本的に関係のない方だったと思う。ロータリークラブの会長の経験もないし、無論ガバナーの経験もない。そういう方が、CEO、ロータリーの最高経営責任者になる、不思議な話である。またRI会長との関係はどうなるのか、ロータリーのトップは、RI会長ではないのか、疑問点として残るだろう。

  • インドからの提案、「ガバナー選挙に際し、クラブ会員の水増しを止めよう」――発展途上国では、ガバナーになりたい、自分のクラブからガバナーを出したい、そういう空気が強いようである。私の経験だが、ある国際委員会で、途上国の委員が、ガバナー候補は複数でる、ガバナーは必ず選挙により選出される、そう語ったのを思い出す。インドからの提案は、ガバナー選挙の際に、クラブの会員の水増しが起こる(多数票によりガバナーが決定)、それでは困る。ある決まった時点(例えば7月1日)の会員数による選挙をしたい、そういう提案であった(提案は通過)。ガバナーに指名されても、出来れば辞退したい日本とは、全く違う世界である。かってRI会長のマジ・アベさんが、「母国ナイジェリアはあまりに貧しい、それで援助を得るために、ロータリーに入会した」(ロータリーの友誌)、その発言を思い出す。複雑になったロータリーの、問題点の一つを示すものであろう。

(2020.01.17)

「ロータリーの歴史に残る2019年;歴史的な規定審議会」 PDF版 ダウンロード

「ロータリアンの広場」トップページ