「RI職業奉仕委員会に関するつぶやき」(その二)
![]() 2700地区 PDG 廣畑富雄 |
1.この小文は、RI職業奉仕委員会に関する“つぶやき”の、その2ですから、どうか“その1”と合わせて、ご覧ください。初めから“つぶやく”のも如何かと思いますので、ロータリーの友誌に書いた、「RIVocational Service Committee (職業奉仕委員会) の審議と勧告」と題した小文をご紹介します。 友誌の、平成21(2009)年1月号、横書きの16−17頁に書いています。
2.Code of Ethics 道徳律が、Vocational Service 職業奉仕(サーヴィス)に、密接にかかわっています。つまり職業を通じ、人のためになるには、モラルが高くなければならない。戦前のロータリアンは、この道徳律を非常に大切にしました。例えば古沢丈作さんは、このCode of Ethics に心から賛同し、それを日本的に咀嚼して、「大連宣言」という、すばらしい宣言を書きました(当時古沢さんは、大連RCの会員)。もしご存知なければ、インターネットでお調べ下さい。この道徳律は、手続き要覧から、いつの間にか消えてしまった。 私が委員会で、Code of Ethics の話をすると、RI事務局の方たちは、顔を見合わせて“知らない、聞いたことがない”というので驚きました。ロータリーの歴史を知らない。幸い、サブーRI元会長が、説明されましたが。
3.上記に関連して記せば、古沢丈作さんは、戦後東京RCで、タイから東大への留学生(大学院)を世話され、いわば米山記念奨学会の、生みの親とも言えます。大連宣言を、ご存じない方のために、一二記すと:「すべからく事業の人たるに先立ちて道義の人たるべし。けだし事業の経営に全力を傾倒するは――」。「義を以て集まり、信を以て結び、切磋し琢磨し相助け、相益す。これ吾人団結の本旨なり。然れども―――」
4.話が一寸変わります。 この委員会の勧告の一つは、「会員のロータリー入会の時から始まり、種々の会合(例えば、国際協議会、地区大会、地区協議会など)の際、職業奉仕(職業サーヴィス)についてきちんと説明してほしい」、という事でした。そのためかと思いますが、翌年(2009年)の国際協議会で、サブーさんが、Vocational Service 職業奉仕(サーヴィス)について講演されました。タイトルに、Abandoned Avenue of Service(無視されてきた部門)と書かれていた。日本では大事にされる部門だが、世界ではそうなのか、と思った次第です。世界的に、ロータリーの良き伝統により忠実になり、この部門が無視されることが無いように、願いたいものです。
5.ある発展途上国の委員の方が、各地区に、Ethic Committee 倫理委員会を作ってほしい、と要望しました。Vocational Service とどういう関係があるのか理解しにくい。休憩時間に聞いてみると、「ガバナーに関するいろんな噂(トーク、トーク)がある、それを倫理委員会で、調べてほしい」、という事でした。たしかに、世界各地から、援助金が送られます。一部ポケットに入れるかどうかは別として、ガバナーは、魅力のあるポストなのでしょう。「ガバナーを選ぶときは、必ず複数の候補が出る、そして必ず選挙になる」、との事でした。ここで、マジ・アベさん(RI元会長)が、ロータリー入会の動機を語ったのを思い出します。 本国のナイジェリアは非常に貧しい、どうしたら良いか、援助を受けるために、ロータリーに入った、とのことでした(ロータリーの友誌)。私見を言えば、援助は結構だが、そのための金集めが先行し、ロータリーの100年の伝統が、次々に崩されて行っては困る、そう思っています。
6.委員会は、Classification 職業分類を大切にしてほしい、と要望しました。これに関し思い出すのは、今年の規定審議会で、いわゆる専業主婦(全く職業に就いたことのない人)も、会員になれるようになった(立法案13−43)ことです。職業を持たない人が、どうして職業分類が持てるのか、不思議なことだと思っています。ついでに記せば、この一つ前の立法案(13−42)は否決されたが、否定された方は、かって管理的地位にあったが家庭に入り、職についていない人であり、これが通るのならまだ分かる。立法案13−42が否決され、立法案13−43が通ったのは、丁度話が逆ではないか、と思っています。 いずれにせよ、ロータリーの友誌の記載のように「ロータリーの長い歴史が大きく変わった瞬間―」だったと思います(友誌、2013年、6月号、18頁)。
可能であれば、次の規定審議会で、ぜひ改正されることを希望しています。
他にも“つぶやきたい”ことはありますが、紙数の関係でここ迄とします。
以上記した“つぶやき”が、いくらかでも皆様の、お役に立てば幸いです。またどうぞ、ご質問、コメントをお寄せください。
(2013.11. 7)