「良き指導者、田中 毅(たけし)先生」その1
2680地区 PDG 石井良昌(尼崎西)

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2680地区 石井良昌PDG

 今から17年前にフィリピンのマニラ近郊ナボタスのノース・ベイ・イーストRCに田中先生に同行して訪問しました。同行するまで田中先生は理論派とばかり思っていましたが意外でした。ナボタス地区はフィリピンでも最貧困地区であり、ここに拠点を置き、ノース・ベイ・イーストRCメンバーと協力しながら例会場を2階に、職業訓練所や産婦人科や眼科を1階に設置した木造の建物を建てられました。ここに何年も通われて眼科の医療奉仕活動を続けておられたのであります。
 フィリピンに着くまではあまり元気がなかったのに、着くや俄然元気を出して、この職業訓練所に真っ直ぐに向かい多くの現地の人たちと英語で話をしていく姿を見て、日本にいる時と大きな違いを目の当たりにしました。

 理論面、実践面、両方精通しておられるパスト・ガバナーでは数少ない人だと断言できます。こういった医療奉仕活動以外に2002年には識字率向上をめざすCLE(Concentrated Language Encounter)に目を向けられ、このCLE(語学集中研修)は人口問題や環境問題にも大きく貢献すると力説されました。
 このCLEはオーストラリアの教育者ブライアン・グレイ氏が開発したもので、同じくオーストラリアのパスト・ガバナーのリチャード・ウォーカー博士がロータリーに広め、オーストラリアの原住民アボリジニに英語をこのCLEで教え成功させました。その後、タイ国においてはサワラック・ラタナビッチ女史がタイの僻地にタイ語によるCLEを導入し、1992年にタイ全土でこのCLEを国が採用し成功しました。このことを田中先生がよく知っておられ、フィリピンにも子供たちの未来を開く言語教育法で、英語によるCLEプロジェクトに取り組み、子供たちの将来の就職等に役立つことは間違いないという指針を明確にされました。

 これを受けて私がガバナーであった2006年2月にCLEを3Hプログラムに採用していただくためロータリー財団にフィリピンの3800地区の国際パートナーとしてプロポーザル(提案書)を提出しました。  この結果、2006年末に田中先生はロータリアンに与えられる最高の栄誉賞である「超我の奉仕賞」を受賞されました。この受賞後、2007年4月21日に我々のCLEプロジェクトが日本で最初の3Hプログラムとしてロータリー財団より承認されました。このCLEプロジェクトは2002年から始め、2012年まで約10年間かかり、マニラには必ず年2回以上訪問し、3Hプログラムとして、完遂いたしました。

 他の面で言いますと、田中先生はグローバルに目を向けておられ、2000年にRF(Rotary Fellowship)すなわちロータリー親睦活動で国際ロータリーが公認したロータリー囲碁同好会(GPFR)を韓国・台湾・日本のロータリアンで結成され、日本で最初の国際的な親睦活動の同好会を作られ、初代の会長となられ6年間会長職をつとめられました。お蔭様で今回4月19日より台湾において第15回ロータリー国際囲碁大会が開催され、毎年、韓国・台湾・日本と持ち回りで開催し15年間続いております。
 今回は田中毅先生の主に実践面をご紹介いたしました。 (続く)

(御礼)
 源流の会の「ロータリアンの広場」は昨年10月15日から始め早や4ケ月となりました。この間、多くのロータリアンの皆さまが立派なご投稿文をいただき誠にありがとうございます。どの原稿を読ませていただいても素晴らしいロータリーに関するものばかりで、大変勉強になり感謝申し上げます。
 今後とも会員の皆様の日頃のロータリー観や実践面での記事や写真などどしどしお送りいただきたいと願っております。

(ご投稿文管理:石井良昌)

(2014.02.20)

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