「クラブの歴史」
2660地区 PDG 神崎 茂(大阪西RC)

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2660地区 PDG 神崎 茂

ロータリークラブには以下の3つのキーワードがあります。

  1. 「ロータリー」 環状交差点、回転する
  2. 「クラブ」   倶楽部
  3. 「サービス」  奉仕

 ロータリークラブ自体は1905年にシカゴでスタートしましたが、ロータリーもクラブとして成り立っているということを考えますと、クラブという大きな枠の中では長い歴史の一齣であることが分かります。

 同じ目的を持つ仲間の集まりとして現代の“クラブ”の原型が出来たのは古代ギリシャの時代にさかのぼり、政治、商業、運動競技等の集まりや、メンバーが食事をするためにお互いに集い、意見を交換するダイニングクラブが盛んであったようです。
 ローマでもギリシャの先例のように宗教及び商業クラブが一般的でしたが、政治クラブは次第に手に負えない秘密結社に堕していき、公的秩序にとって危険なものとしてシーザーによって抑圧されました。
 ローマ時代におけるユニークなクラブとして貧困層の人々の間に葬式クラブというのがあり、これは彼らの間で必要になる多額の葬式代を支出する手助けのために存在していました。
 これらの初期のクラブでは、委員を選出し、明確な規則を定めたものもありましたが、現代のクラブほど普遍化したものは少なく、おそらくクラブのルールは多くの場合、ローマ式公衆浴場での友人との集いにおいて決められたであろうと思われます。

 イギリスでの初期のクラブもタバーンと呼ばれる居酒屋での食事クラブが主なもので、その後17世紀から18世紀にかけて政治、文学、芸術及び社交の集まり等クラブの数及び多様性は急速に増加していきます。
 会員は男性のみでしたが、特別な夜には女性の参加する現代のような慣行も既に採用されていました。
 17世紀中頃のコーヒーハウスの出現でクラブは安定した場所を得、独自の特徴を持ち始めます。
 コーヒーハウスのオーナーは通常、クラブのために特別な部屋を提供しましたが、この部屋のために料金は取らず、収益は会員によって消費される食事や飲み物に頼り、かつ著名人が集まることにより店の名誉となることを期待したようです。18世紀に生まれたクラブの中には当時の政治感情の暴力的な面、あるいは怠け者の若者のばか騒ぎや無法な道楽を反映した集まりもありましたが、これらのものはいずれも短命で姿を消しました。
 19世紀には多くのクラブが常設の本部を持つようになり、有名な建築家に建てさせるというものも現れました。

 また、このころからクラブはより専門的になり、異なる職業や趣味を持つ人々のためのものが普通となりました。
 特殊なクラブの例として、ナポレオン戦争の終結でロンドンに戻ってきた多くの将校が食事と思い出話をする場所として設立されたもの、東インド会社の兵士や職員のためのものなどが生まれました。  一般人のための専門化したクラブは商人や銀行家のためのもの、農民のためのもの等がこの時期に生まれ、ユニークなものとしてはロンドンから直線で500マイル(約800km)以上離れたイギリス諸島外に旅行したことがある人に限定したトラベラーズというクラブが出来たのもこの頃です。
 作家と編集者の国際組織として今なお有名なペンクラブは1921年の創立です。

 その他のクラブとしては大学クラブ、女性クラブ、スポーツクラブ等があり、田舎の共済を目的とした“カントリークラブ”は18世紀の後半から1912年に国民保険が出来るまで村落生活にとって重要な役割を果たしました。
 会員は毎月分担金を支払い、病気並びに失業給付金、会員あるいはその妻の死亡の際には遺族に定額が支払われました。会合は地方の宿屋の一室で開かれ、夏にはパレードや教区教会への奉仕、スポーツ、ダンス及び宿屋での晩餐付きのクラブデーがあり、初期の頃は純粋に地方組織でしたが、全国的に友好組織を広げていきました。
 国民保険が出来て多くのカントリークラブは活動を止めましたが、1788年に設立され、今なお会員に給付金を支払っているクラブもあります。

 日本では明治9年(1876年)福沢諭吉によって創設された万来舎がわが国最初の社交クラブと思われますが、彼の説明は以下の通りです。「万来と名付けたるは衆客の来遊に備ふればなり。
 来る者は拒まず、去る者は留めず、興あらば居れ、興尽きれば去れ。あゝ世も亦此舎の如し。」と書き残しています。

 クラブの内部組織並びに財政は、クラブの目的、特徴により多種多様です。 あるクラブでは委員会が会員の選任あるいは拒否権を持っており、また別のケースでは会員の投票によって決定されるというケースもあります。
 いずれにせよこれらのクラブに共通する特徴として会員選考の重要性、会員の平等性(費用、出席等)は根幹をなすものであり、近代的クラブの草分けである我がロータリークラブも例外ではありません。
 また、その理念の正当性はクラブの発展、継続に不可欠のものであり、サービスを理念とするロータリークラブは適切な運営によってこれからもますます発展、成長を続けていくことが十分可能であると思われます。

(2014.08.18)

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