ロータリアンの広場 |
2730地区 PDG 菊地 平(ジャパンカレント・ロータリーEクラブ)
![]()
実はその事件の2ヶ月前には、本業のMOSがOKI電気の新型オフコンの発表と同時に開発に取り組んだものの2セットのキャンセルをかぶっていました。会社は創業以来の大ピンチに追い込まれてしまいました。帝国データーバンクの最初に記載された通りです。 最初のキャンセルの一例を上げますと当時、上野動物園に中国から送られたパンダが大人気のころです、パンメーカーからの受注でシステムを開発し納品したばかりでした。 市内のある○○スーパーが「食パン1個に抽選でパンダの縫いぐるみを上げます」という、チラシ広告を打って、それを受けて、工場は特製食パンの注文100個を受けていたのですが、スーパーに配達されたパンは100個ではなく、10個でありました。 特に注文をされてのパンでありましたから、ここで初めてシステム上の間違いが判ったのであります。 自動読み取り装置を経由して、工場の生産から配送までの管理すべきところ、コンピュータが読み誤ってしまっていたのでした。 スーパーの信用失墜の責任をパンメーカーから言われて、1年がかりで開発したものの、キャンセルを受けるハメになってしまいました。 同様に運送会社からも、読み取り機のトラブルでキャンセルになり、〜〜一挙に5000万円の赤字を作るという「魔坂」の場面と、弟の倒産処理という不幸とが一緒に手をつないでやってきたのでありました。 新発売のオフコンであったのですが、コンピユータの頭脳ともいうべきCPUに不具合があったのが、後から判りました。 もうダメだ!明日死のうか、明後日死のうかと、1億5千万円の生命保険金での清算のことばっかりを考えながら、身辺整理にかかりました。 喜びや幸せなことは、ゆっくりゆっくり、やってきますが、災難は突然、予告なしで、しかも手をつないでやってきたのでした。
〜弟の倒産とわが社のキャンセル事件がダブった〜〜その頃です。 眠れない夜が続きます。家内が「あんた、夕べも寝むれていないね〜」と度々言うことが続きました。 それから、数日後ある夜、隣に寝ていた家内が、突然起きあがって、言いました。 〜〜あんた今、何考えちょっと〜!ひきょうじゃよ!自分勝手な考えを起こして、卑怯じゃよ!子供たちはどうすっと! 涙ながらの訴えで、目からウロコでありました〜〜涙して謝ったことでありました。 つくづく「我がために 泣きます人の 世にあらば 生きんとぞ思う いまのいま今」生きなくては〜ではないかと。
〜そうして、命を削る思いで問題解決に当たりました。 実は倒産の7年前、インターネットの広がりのなかで、社員の一人がNTTと同じ資格を猛勉強して取りました、当時、九州では我が社・1社だけが資格をもったのでした。 其れを知った総務省が待ってましたとばかり、中山間僻地のブロードバンド事業に補助金を出すからやりませんかと言う誘いがあったのです。 国が、全国的に僻地にまで、広くブロードバンド環境を広げるということで、大義に感じて、取り組みました。 総務省と宮崎県が、この事業に支援をしてくれることになりました。 5000万円の助成で1億円の事業でありました。 高千穂町・諸塚村・南郷村・椎葉村・東郷村など次々事業展開をいたしました。 私達は、今はインターネトを普通に使っていますが、全く時代の恩恵に浴さない人たちに光を与えるという、当時、全国では初めてのビジネスモデル事業として、総務省の大ホールで全国会議の場で社長がパネラーとなって、紹介されたりもしまして、 大義に根ざした事業であったのでした。
〜〜〜前編はここまでとし〜〜続編は次回アップ〜〜 (2017年5月27日)
>>>一生成香 前編その1<<< >>>一生成香 続その3<<< >>>一生成香 続その4<<< |