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ここ数年、10年前ほどでは無いにしても全国のロータリークラブでの会員の高齢化と会員減少が見られます。何れの地区を見ても会員増強委員会のご努力で年度の途中では若干の増加を観ますが、年度末の6月末には、50人程度の退会が出てしまい、統計してみれば、現状維持か微増程度にとどまっている現状があります。
クラブ単位や地区全体としてもこの問題に真剣に取り組むように努力されているにもかかわらず、毎年あまり状態は変わりません。これはなぜでしょう。
以前は、各クラブにロータリーの魅力を語ってくれた、クラブ長老がおられてロータリーの基本知識を教えて頂いたものですが、そのような炉辺会談も世代間の対話が減ってきている現在では、本来の意味での炉辺会談が行われているクラブも減少しているようです。それを補うようにRIは、DLP等を推奨して、各種研修セミナーを開催することが増えてきました。RLIなどの手法も取り入れられた地区もあり、それはそれでとても良いことでしょうが、問題は地区の主催する各種研修セミナーに、新入会員全員が参加するわけでもなく、各クラブから代表の方が参加されるのが現状ではないでしょうか。それをそのまま各クラブで卓話して頂いたりクラブでの研修会を行っていただければ、効果は上がるはずなのですが、そのようなことはセミナーに参加された方が、かなりのロータリー理解度が高い方でないと難しいようで、当地区では地区委員長を輩出しているクラブぐらいが、行っているのが現状ではないでしょうか。
また、地区委員長を卓話で招聘して卓話いただく熱心なクラブもあります。全てのクラブがこのような地道な努力をしていただけたら、5年経過後に新入会員の1/3が退会してしまう事は無くなるのではないかと、願っているのですが。
また、現在の団塊の世代の方は、日本ではクラブ会員の中心を占めておられることも多いようで、ここ数年は現在の会員増強もある程度の効果を上げられるのかもしれません。しかし、現実的にはそのような世代の方は同年齢の人口が年間200万人程度国内におられたのですが、今年の新成人は100万人を割ろうとしているのも現実です。その場合ロータリーの入会に適正な年齢となられる15〜20年後には、勧誘する対象も半減するはずです。
日本だけでなく世界の先進国はどこでも同様の問題を抱えているので、RIも危惧しているわけで、若い会員を勧誘すべき方法を工夫しているのでしょう。
長くロータリーを繁栄に導いていただいた先人のロータリーアンが築いてこられた、基本理念をしっかりと守り育てていかなくては、どこにでもあるただのボランティア団体となってしまいます。基本理念を守り育てることは、ロータリーの目的であると定款に明記してあります。要するにロータリーを育んできた誇りを忘れてはいけません。 人間には、良い人財と交わりを持ち、自らも良い影響を受け、ロータリーアンとして誇りをもって仕事に取組み、自分を取り巻く取引先からの信頼を得て家族、従業員を幸せに導き、地域社会や世のために役立ちたいという本能があります。それらの意味でロータリーは、それらの全てが満たされる素晴らしいシステムとなっています。たとえ自分のクラブがブランドクラブではなく、小さなクラブであったとしても、ロータリーの仲間は一生続くのですから、自分の知り得ない多大な情報を与えてくれますし、人生の道場のようにも捉えることができます。
これに、同じ地域のグループ内のクラブとの交流も有るでしょうし、地区として考えるならもっと幅も広がりますし、内容も充実いたします。
(2018.11.16) ![]() 「ロータリアンの広場」トップページ |