ロータリーの行動規範に付いて考える
 2560地区 小山楯夫(新潟)
|
PDG廣畑富雄氏、PDG塚原房樹氏そしてPDG服部芳樹氏の投稿を拝読し、同感いたしました。その一方で、「ロータリーは変化・進化するだろう」多くの会員はP.ハリスの言を用いて、時代環境に応じて都合よく勝手に変えてしまうことがあります。ロータリーの理念の下に構成された会員は、底深い核心点から心身に感じない微弱で異質の考え方が少しずつ発生し、或る時突然大きな形で表面に現れてきます。兆候はあり予知は可能です。然し、殆どの会員は無頓着であり、毎年度発表されるR.I会長のテーマを基に地区の指導で活動されてきています。社会奉仕活動や寄付活動が所謂ロータリーの本質とさえ信じている会員も少なくないようです。
それでは、ネオコン?達はどうすればいいのだろうか。「個人の規範」と「集団の規範」を天秤に掛けて論議すれば「集団の規範を守りつつ、個人の規範を守っていく」という風にはぐらかされてしまいそうです。然し、ロータリーは、「独立・個々」の「集合体」とPDG田中 毅会長は申されています。では、個々が勝手に行動してもいいのでしょうか。そうではありません。ロータリーの理念・原則・規則を共有し、個々の職業を基礎に、高潔性と高い倫理基準を身につけて他者に対して行動・活動しなければなりません。元々、R.I組織はヒエラルキー(階統制)ではありません。R.Iの目的(綱領)は、会員である34,800余のクラブを標準化し、クラブと地区を支援する連合体であります。
(ロータリー章典8.030.2)ロータリーの行動規範
理事会は、地域社会のリーダー、退職した人、現在専門職や仕事に従事していない人が含まれている、現在のロータリー・クラブの会員に関する規定の変更に注目し、ロータリー・ブランドを強化するために1983年制定された『ロータリアンの職業宣言』を修正して、次の『ロータリー行動規範』を創設した。
(更に2014年1月理事会決定で下記のように修正)
ロータリアンとして、私は以下のように行動する。
1. | 個人として、また事業において、高潔さと高い倫理基準をもって行動する。 |
2. | 取引のすべてにおいて公正に努め、相手とその職業に対して尊重の念をもって接する。 |
3. | 自分の職業スキルを生かして、若い人びとを導き、特別なニーズを抱える人びとを助け、地域社会や世界中の人びとの生活の質を高める。 |
4. | ロータリーやほかのロータリアンの評判を落とすような言動は避ける。 |
5. | 事業や職業における特典を、ほかのロータリアンに求めない。 |
(2014年1月理事会会合、決定88号、2014年10月理事会決定60号)
出典:規定審議会89‐148;2011年5月理事会会合、決定204号;2011年11月理事会会合 決定87号;2013年10月理事会会合 決定31号; 2014年1月理事会会合 決定88号により修正
では、問題のRotary Global Rewards に付いて考えて見たいと思います。
ロータリーの会員には、元々「本クラブの特典を受けることができる」とクラブ定款にあり、本クラブの特典とは何かと言うと曖昧模糊として解り難い表現です。色々あるでしょうが、ロータリアンの企業や店で会員カードやクレジットカード、その他でロータリアンと証明できれば、ある種の特典(5%値引き、ポイントが加算等)を得られる事はそれほど非常識な事ではないように思えます。また、要求しなくとも店の方から値引きしてくれる場合もあります(所謂、奉仕品やおまけ等)。勿論、店側に値引きや過剰サービスを要求する事は、ロータリアンのする事ではなく、2014年1月以前のロータリーの行動規範 第5項に記載されており戒めていました。R.Iとしては、Rotary Global Rewards を行うことで、この5項目が矛盾するために削除せざるを得なかったのでしょう。
然し、それほど「ロータリー(我々)の行動規範」には影響ないように思います。PDG塚原房樹氏の言われる「集団の規範」となると、職業を持たないクラブには、職業奉仕理論は馴染まないように思います。「個々の規範」と云う事になれば、個々の判断で「ロータリー的行動規範」に照らし合わせて言行すれば良いし、定款・細則に抵触するものでもないようです。大体、我が地区のガバナー輩出クラブの現況報告書をチェックしても、また地区内他クラブの現況報告書を見ても、定款・細則がきちんと掲載されているクラブは1割もありませんでした。定款・細則やロータリー章典を順守しようとは思ってもいないようです。また、その番人も周りには居ないのです。R.Iが何を決めようが、地区が何を決めようが、規則を破っても「クラブが主体」だの「クラブの自治権」だの「文化の違い」などと言われ、挙句の果てには「親睦第一」と言われて幕が下ろされます。国際協議会、GETS、地区の諸会合、その他の会合で、いったい誰が何を教え、何を身に付けて帰ってくるのか理解できません。多額の費用と時間を掛けて、ロータリーを形成している基礎の会員に何のRotary Rewardsが有るのでしょうか。メッキされたロータリーのバッチを襟に付け、地域の著名会員と交流できる機会がある為でしょうか。
我が国のロータリーからR.Iを見れば、1985年から始まったポリオ(・プラス)撲滅運動の頃からロータリーの末期が忍び寄って来たような感じです。再び、決議23-34の採択に起因した時代に逆戻りの現状です。それ程、社会奉仕、人道的等の奉仕活動を望むなら、(冗談ですが)いっその事、社会奉仕団体の老舗ライオンズクラブやソロプチミストに吸収・合体して貰い、より大きくグローバルな組織を目指したら如何でしょうか。同じ様な団体・組織が数あると一般市民に混乱も起こります。
故佐藤千壽氏は、「ロータリーは大きな事をするには小さ過ぎ、小さな事をするには大き過ぎる」と申されておりました。
(文責: 小山楯夫)
(2015.09.17)
「ロータリーの行動規範に付いて考える」 PDF版 ダウンロード
「ロータリアンの広場」トップページ
|