ロータリアンの広場


米山記念奨学金制度に付いて思うこと
2560地区 小山楯夫(新潟)
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2560地区 小山楯夫(新潟)

 2月18日午前0:10分からNHK TVで NEXTというT V番組を視た。大学生の奨学金に付いての取材番組であった。現在日本の大学生の約50% (133万6千人)が奨学(日本育英会の奨学金)を申請し、貸与されているそうだ。驚いた。学生により貸与額は違うが、平均263万円だそうだ。番組では、沖縄県で双子の女子高生を持つシングルマザーを取材していたが、一度に二人が大学に進学を希望している事を知り途方に暮れていた。

 入学と同時に年利3%の借金を背負って進学しなければならない。そして、卒業と同時に返済が始まり、社会情勢から就職できず途方に暮れている者、また、就職しても会社の景気不振などで掛け持ちアルバイトを強いられ、健康を損ねる事すらあるという。返済相談の電話が一日平均3千件寄せられるそうだ。  3ヶ月滞納すると延滞金が生じ、返済ができない場合は破産宣告とされ、勿論クレジット・カードも作ることが出来ずブラック・リストに乗ることになる。これは、もはや奨学金ではではない。借金地獄である。

 ロータリアン諸氏の周りには、この様な状況下に置かれている人々とは無縁であろう。外国から(主にアジア・アフリカ)からの大学生に、我が国のロータリーは米山記念奨学金制度と称し、ロータリアンから毎年12〜14億円を集め、年間720〜740人の外国人留学生に毎月10万〜14万円の奨学金を給付(返済不要)し、カウンセラーやクラブ・地区からの手厚いサポートを受けている。
 勿論、この制度を否定している訳ではない。だが、然し、地区の選考会に選ばれたこれ等の学生は、それまで(先月、先週まで)来日以来、どの様な大学生生活(経済的に)を過ごしてきたのだろうか。米山奨学金受給者は中国が飛び抜けて多い。次いで台湾、韓国である。本当に奨学金を給付しなければならない在日留学生(国)は、もっと貧しい発展途上国や我が国の大学生にも広く門戸を開く必要が無いのだろうか。(公益財団法人)米山記念奨学会の役員・理事は、一体、誰によって選ばれたのだろうか。また、何を考え、何をなすべきか、その任務・職務を真摯に考えた事があるのだろうか。多額の寄附? で役職を買っている様にしか見えてこない。

 日本のロータリーが、同胞の苦学生をサポート出来なくてどうするのだろうか。米山奨学金制度は「世界の懸け橋」などと唱えているが、先ず、同胞の若者の夢と希望を叶えてやれるようなロータリーであって欲しい。 

 私は、納得できない米山記念奨学金への寄付は一切止めて、国境無き医師団とユニセフに月額3千円ずつのマンスリーサポートに切り替えた。何故ならば、米山奨学金寄付へ寄附することに、罪悪感すら覚えてしまうからだ。自分の子供の教育を放棄して他人の子供に与えているような制度である、と言っては言い過ぎだろうか。  毎年約13億円の募金がある米山奨学金は、日本中の奨学金申請学生を賄って余りあるのではなかろうか。勿論、厳しい選考試験を経て海外留学生にもチャンスを与えていいと思う。

 一方、ロータリーのR財団が勧めるポリオ撲滅の寄附もいいだろう。 然し、この地球上には生を受けて母親の乳も飲まずに死んでいく嬰児・幼児、地域紛争で命からがら避難する人々、等々が報じられる。どれに優先順位を置くかはロータリー(RI)が決めることではない。1985年ポリオ・プラス運動が開始した。
 何故ロータリーがポリオ・プラスを最優先したのか? この運動を見捨てていいとは思わないが、ロータリーはユニセフと違う。ロータリーは、これ等の重要性を会員に示唆はしても、決議23-34の5)項「国際ロータリーは、一般的な奉仕活動を研究し、標準化し推進し、これに関する有益な示唆を与えることはあっても、しかし、どんなクラブのどんな社会奉仕活動にせよ、それを命じたり禁じたりすることは絶対にしてはならないものとする。」と6)項g)に「ロータリークラブでの社会奉仕活動は、ロータリークラブの会員に奉仕の訓練を施すために考えられたいわば研究室の実験としてのみこれを見るべきであるからである。」と記述されている。  
 添付した米山記念奨学会のHPアドレスを貼り付けました。一読し、検証してみるのも一つの奉仕活動かもしれない。

米山記念奨学会ホームページ

※ご意見を頂ければ幸甚に存じます。
文責: 小山楯夫
(2016.02.26)


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