ロータリアンの広場


「ロータリーあれこれ」その1
2680地区 PDG 久野 薫(神戸東)
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2680地区 PDG 久野 薫

1. 2つのロータリーモットー
 ロータリーに2つのモットーがあります。「Service above Self」(超我の奉仕、他人のことを思いやり、他人のために尽くす)「One profits most who serves best」(最も良く奉仕する者 最も多く報われる)であります。    田中 毅、石井良昌両パストガバナーはこの2つのモットーの真意を深く掘り下げて研究されている専門家であります。発案者の真意を短い日本語で正確に映しとる事は容易ではありませんし、言葉というものは一度発せられますと、その解釈は受け取る側に委ねられます。  「Service above self」はその元をなす「Service not self」から考えて、自己を否定した宗教的色彩の強いモットーなのか、そうではないのか。一方職業奉仕の実践原理とされる「One profits・・・」のprofits には金銭的な利益 以外に精神的な利益まで包含されているのか。そうではないのか。

 両パストガバナーが一次文献を通して結論されるのは、この2つのモットーは我々が考えてきたほど宗教的色彩の強いものではなく、共に「黄金律」“己の欲するところを人に施せ”を言葉を変えて表現した同根のものであるということでした。「黄金律」は宗教ではなく哲学なのです。

 ロータリーの求めている奉仕は「自己滅却の奉仕」ではなく「自利他利」で あるためには「忽己利他」自分の事の前に人様のお役に立つことを考えなさいという自然の理だということなのです。

2. ロータリーの変貌と行く末
 奉仕の第1世紀を終え、国際ロータリーはロータリアンに「ロータリーの心」 を浸透させ、ひいては世間の人に高潔性を以ってなるロータリーとして認知してもらうという初期の目的を達成することに失敗しました。  「ロータリーの心」は世間で認知されないばかりか、ロータリアン自身の職業上の不正も相次いでいます。ロータリーの存在すら世間に認知されていないありさまです。

 アインシュタインは語りました。「同じことを繰り返しながら、違う結果を期待することは、狂気である」と。かくしてRIは従来の手法を変えて出してきたのが、「戦略計画」、財団の「夢計画」に他ならないのです。「戦略計画」それを支える「夢計画」で訴えていることは、「人道的奉仕活動の重点化と増加」であります。そのための財政的支援、それを可能にする会員増強、それを促進する公共イメージ、認知度の向上を目指したのです。ところが「人道的奉仕」が「職業奉仕」を凌駕してしまったのです。この変貌が行く末を不安にしてしまっている現在です。

(2015.10.07)

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