ロータリアンの広場 |
2680地区 PDG 久野 薫(神戸東)
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1. 「そして賽は投げられた」 ロータリーは職業人の社交クラブであります。然し世界的には職業を持たないロータリアンは今や20%以上に達すると言いますからこの定義も少し錆びついた感じもします。倶楽部と表現されるように親睦こそが大切であり、それを育むクラブ奉仕こそが一丁目一番地であります。 ただこの組織はクラブと言う閉鎖性と同時に社会に奉仕する為に外に開かれた開放性をあわせ持つ組織なのです。まさに私たち人間の身体の構造と一緒であります。私たちは体内環境の恒常性を大切にする閉鎖性の一方で、生きるために外に開かれた構造を持っております。因みに脳は五感を通じて外に開かれ、皮膚は畳1畳分、肺はテニスコート1面分、腸はテニスコート2面分の表面積を以って外に開かれた組織構造であります。 従ってロータリーの実践対象は外の社会情勢の変遷に従ってその重みは変わります。それこそ奉仕の一丁目二番地は職業奉仕、社会奉仕、国際奉仕と変遷するのです。ただ忘れてはいけない事はロータリーをロータリーたらしめているのは職業奉仕なのです。職業奉仕の形骸化はロータリーの空洞化です。 職業奉仕が無くなれば如何に会員数が膨張しようとも、如何に財団の資金が巨大化しようとも、その時はもう国際赤十字かユネスコの下部組織でしかなくなります。 RI理事会は世界社会奉仕活動(WCS)を導入し、今では職業奉仕を凌駕する勢いであります。かくして賽は投げられたのです。時代は大きく変化しました。ロータリー誕生の20世紀初頭とは今昔の思いであります。世界のグローバル化であります。ロータリーが一層進化するためには食べなければいけない禁断の木の実だったのでしょうか。 (2015.11.13) |