会員増強セミナー「会員増強について」(U)
2520地区 PDG 桑原 茂(塩釜RC)

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2520地区 PDG 桑原 茂

 今までの経営方法を考え直す事が求められてきたのです。カスタマーサービスと言う基本に戻らざるを得ないことになりました。顧客に耳を傾け、それぞれの顧客のニーズが何であるかを特定し、そのニーズを理解し、それにあった業務を提供しなければなりません。私たちがサービスを提供し、その業務を求める顧客を引き付ける方法で自分のビジネスを位置づける事は困難になりました。
 私の機械販売業務を提供することがビジネスではなく、顧客それぞれのニーズを満たすことがビジネスであると理解していかなければなりません。
では、ロータリー・クラブに関してはどうでしょうか。
私たちが取り組んでいることは何でしょうか。
私たちが提供する事は何でしょうか。
世界中の子供たちに予防接種を行っていますか?
国際的な人道的支援を提供していますか?
奨学金を提供していますか?
地元の地域社会とプロジェクトを通じて社会奉仕を実施していますか。

 私の機械販売業同様、ロータリーのプログラムとプロジェクトは、私達が提供している奉仕活動ではなく、奉仕活動の副産物なのです。ではロータリー・クラブはなにをすべきでしょうか。
 それは私たちのカスタマー(顧客)のニーズを満たすべきなのです。それでは私たちの顧客とは一体だれでしょうか。それは、それぞれに異なり、全く違うニーズを持った3種類の顧客がいると私は考えます。

 最初の顧客グループは、多分皆さんが最初に思いつく人たちだと思います。世界各地にいる恵まれない人たちです。私たちの慈悲心や惜しみのない恩恵を得る顧客です。私たちはこの顧客を特定し、彼たちのニーズを満たすことにたけております。しかしこの顧客は私たちの会員数にほとんど影響を与える事はないでしょう。

 二つ目の顧客グループは、寄付を募っている人たちです。これは慈善活動に積極的なロータリー会員や会員以外の方々です。この方たちの寄付のおかけで、最初のグループの顧客に対する奉仕が可能となるのです。私たちは寄付者が思いやりを表現する手段を提供し、寄付金を慎重に管理し寄付者の寛大さを適切に認証致します。
 しかしこのグループの顧客も会員数に実質上の影響を与える事はありません。

三つ目の顧客グループは唯一私たちの会員数を左右する方たちです。これはロータリーの会員です。
過去3年間、私たちは世界各地で国、ゾーン、地区、クラブを対象とした会員の満足度やその他の会員関係の調査を数回行って参りました。調査、質問の提示方法は異なっていたものの、回答は全般的にほぼ同じ結論をしめしておりました。あるロータリー・クラブが行った調査を例としてお話をいたします。

 「あなたは、何故、ロータリー・クラブの会員になったのですか」と言う質問に対し、その答えは、会員になってからの年数や、会員の年齢によってちがいますが、入会5年未満の会員は個人的な成長やビジネスや専門職務での発展、スキル(熟練、技能)の向上とネットワークを作る機会を求めておりました。ネットワークを作るなんて、自分に有利になることを追求する考えはロータリアンにはゆるされないと言う文化もありますが、多くの場合新しい会員は、この様な機会をもとめている訳で、これらの会員は活動に関与しないものの、自分たちの素直な気持ちを満たす手段をクラブ内では、なかなか見つけられない場合が多いのです。経験豊かな会員は、ここでロータリーの知識とは別に専門職務上の指導や助言を提示することが出来ます。

 私自身のことを振り返ってみて、当時29歳の私は正にこの様な会員でした、その後、経営者として活動できましたのも先輩ロータリアンを模範として、その方たちの英知あるアドバイスを聞く事ができたからです。
 入会5年から20年の会員にとって、最も重要な事は地元社会とのつながりです。まずは地元地域社会でプロジェクトを実施し、そのうえで世界に対しての奉仕活動のプロジェクトをもたらしたいと言う事です。
 私たちの組織はこのような活動に長けておりますし、一般社会からも認めて頂いております。世界的な調査結果が示しているように、会員として5年から20年間在籍し続ければよほどの事がない限り、退会することはないでしょう。
 では、会員として20年以上の方はどうでしょうか。この方たちが求めているのは、居心地の良い場所に毎週出かけて行き親睦や他のロータリアンと仲間同士の関係を続けることです。
 また、先ほど申し上げました、ビジネスモデルと私たちの顧客、即ち会員のニーズに応ずるべきだと言う考えに戻ってみましょう。ロータリアンとして、私たちには、今の統計から見られるように、会員として属している状況が異なり、違うニーズを持っている内部の顧客(会員)がいます。ロータリーのリーダーはこのことを念頭に置きながらどのようなクラブ活動を実施したらよいかと悩みます。
 皆さんがそれぞれの、クラブの会長を務めているとしましょう。会員の大半は入会後5年未満の方たちですので、ネットワーク作りに関心を寄せています。しかし会長であるあなたと理事会の方々は10年から15年在籍している方たちですので、数多くの奉仕活動の機会を会員に与えるべきだと考えています。このような状況でクラブの運営がうまくいくでしょうか。会員たちは活動に参加することを拒み幻滅を感じ、いずれは退会してしまうと思いませんか?

 もうひとつのクラブの状況を考えてみましょう。クラブの会員はほとんどが入会5年目から20年たった方で、地元と関連を築くことに飢えています。このクラブは入会25年後の方たちがやっと会長になりました。会長の関心ごとは主に親睦を深めることです。一方会員の方々はもっと積極的に社会に奉仕活動をもたらしたいが、それができないことでがっかりしております。

 この二つの例から私たちはなぜ会員を失っているのか分かります。私たちの多くは、会員が何をもとめているのか、会員のニーズは何であるか理解していると信じ込み、それに応えるために何を与えればよいか決め付けています。でも私たちは会員の本当のニーズを理解していないのです。
 長年私たちは、私たちが決め付けたプログラムを会員に提供し会員にもっと活動に参加してもらうべきだと、繰り返し言い続けてきました。提供した商品をうのみに実施するよう無理を言う替わりに、一歩下がって、会員が本当に求めている商品に変えてみましょう。商品の提供プロセスは流動的で会員間のバランスによって常に変わり、年月が経つにつれて、新会員が入会し高齢会員が去り、会員もあるカテゴリーから次へと移るのであると言うことを理解することなのです。

 ではロータリアンに関与してもらうとは、どんなことでしょうか。
会員が個人的に成長し、ビジネスの発展のためのネットワーク作りの機会を与えることだけではありません。
地域社会で奉仕活動を実施する機会を与えるだけでもありません。
長年いる会員が親睦を深め、心地よく友情を温め続けるだけを提供することでもありません。
以上のすべてです。
 すなわちロータリアンに関わってもらうためには、会員のニーズを特定し、理解することで、そのニーズを満たす活動を与えることではないでしょか。国・ゾーン・地区・クラブまたは実際に各カテゴリーによって違いがあるものの、その違いを認めそれぞれを満たすことが大切ではないでしょうか。

 私たちには素晴らしい奉仕活動があります。私たちのプログラムは会員にまた、究極的に地域社会や世界の恵まれない人々に奉仕をすることです。私たちは職業分類とロータリーの網領によって申し分のないネットワーク作りの土台と一流のビジネスの発展や個人的な成長の基盤を与えられています。同時に、毎週の例会と親睦によって、昔からの友情を暖め続ける機会も与えられています。
 クラブのリーダーたちが、さまざまな活動をクラブの内外で推進できるユニークな奉仕の機会を理解できるよう確認することが重要なのではないでしょうか。
「地域を育み 大陸をつなぐ」
ありがとうございました。

(2013.12.26)

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