ロータリアンの広場


「クラブ自治権(the substantial autonomy)の危機(3)」
第2750地区 PDG
 新藤信之 (東京立川こぶし)
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2750地区 PDG 新藤信之

 今や国際ロータリーは、クラブの連合体ではなく、国際ロータリーを頂点とする組織体となりました。今後の課題は、国際ロータリーとクラブの関係をどのようなものにするかです。国際ロータリーは1922年の原点の姿には戻れないでしょう。しかし、最近RIが提起した「ロータリーの未来形成(SRF)」の成り行き次第では、クラブの自治権の復活はあり得ないものとなります。その意味で、2022年規定審議会でこの「SRF」に関する制定案に関し、代表議員はじめとして日本のロータリーの会員は、この「SRF」を歴史的、批判的な視点で慎重に検討してほしいものです。 2019年10月理事会決定30号でロータリー章典第4章第28条国際ロータリー理事会28,005.理事会に関する方針からA.国際ロータリーの構造を削除しました。このA.は2003年10月ロータリー章典に初めて掲載されました。4段の文章から成り立っています。このスライドは1段目のものですが、これに続く3段の文章もすべて削除されました。A.に続くB.RI理事会の役割が2020年1月ロータリー章典からA.になります。

 削除されたA.国際ロータリーの構造には、RIと加盟クラブの関係と管理運営方法が明確に示されています。要約すれば「国際ロータリーは会員に奉仕するために存在し、会員のために最良の方針と財政的決定を行う。また事務局の役割は決定の手続きを援助することで、方針立案と意思決定機構は運営機構と区別して行えば最も円滑に管理できる」と。 今や、RI理事会と事務局は一体となり、理事会決定は、必ずしも加入クラブのためではなく、Rは、クラブに奉仕することを忘れ、自らの組織維持のために存在し、円滑に管理するためなのか、方針を頻繁に変え、管理費の不足が見込まれると、毎年分担金を値上げしているのが現状です。A.の記述の削除は現実とRIがかけ離れてしまったからです。

 このA.が2003年7月理事会決定6号か2004年11月の決定58号によるものか当時の議事録で確認できないので定かではありませんが、2004年規定審議会でRIの目的が80年ぶりに追加された「・・・追求しているRI加盟クラブとRI地区を支援すること」と、このA.を掲載した時がほぼ同時期である事を考えると、現在、一方は存続し、他方は削除された矛盾をどう理解すれば良いか分かりません。国際ロータリーの目的の一つとして追加された加盟クラブへの「支援」の実体、内実が、その後から最近の15年間に変化していると考えるのが自然です。

 「クラブ自治権」は加盟クラブとRIの関係、とりわけクラブと理事会の関係によって内容が決まると考えます。現在、RI定款第8条第2節に「クラブの管理は理事会の総括的管理の下にある」(general supervision)とあります。RI設立当初は直接的管理(direct supervision)であったようです。加盟クラブの数が多くなったことからdirectからgeneralに変わったのかも知れません。問題はsupervisionです。この言葉は一貫して変わっていません。RI細則第5条5010.2.(c)の中のcontrolの要素は含まれません。「決議23-34」の3)のRIの役割と5)のRIがクラブの社会奉仕活動を命じたり禁じたりすることはできないのとは「クラブ自治権」の本質を考える上で不可分のものです。RIの役割は限定的、抑制的であるべきであり、クラブはRIから自立していなければなりません。「No」と言える立場を堅持しなければなりません。 

(完)
  (2021.04.16)
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