=2013年規定審議会で見た=
国際ロータリーの変質 「ロータリー失われた10年」 その3
2750地区 PDG 新藤信之(東京立川こぶし)

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2750地区 PDG 新藤信之
 以下は、2014年 3月18日 東京恵比寿ロータリークラブでの30分卓話の原稿です。

<スライド7>


  • 本日配布した「資料2」を参照下さい。これが採択制定案 01−148の内容です。下線部分が追加された部分、取消線の部分が削除部分です。結果「資料1」の手続要覧2001年版掲載の左側の規定となりました。

  • この採択制定案は「職業分類を保持しつつ、クラブ会員の種類を正会員と名誉会員に簡素化する件」との表題ですが、国際ロータリーは、この表題とは裏腹に、現実には、一業種一人というロータリーの職業分類の原則を変更することになり、簡素化するどころか、正会員となるための資格の範囲を広める契機となりました。

  • 一業種一会員という原則は、2001年までは正会員は職業分類を代表するものとして、例外を除き、厳格に守られていました。つまり、報道機関、宗教、外交官やアディショナル正会員を除き、同じ職業分類の会員は一クラブに一業種一人だけでした。

  • また、2001年までの会員種類は、正会員、シニア・アクチブ会員、パスト・サービス会員、名誉会員の4種類でしたが、正会員以外は職業分類を代表しないということでした。

  • この意味で、正会員の資格と職業分類は密接不可分の関係があるにもかかわらず、1クラブ5人までの同じ職業分類を認めたことは、「職業分類を保持しつつ」と言っていますが、一業種一人の正会員という職業分類の原則の持つ歴史的意義が、この時点で実質的な意味を失い、形がい化された名ばかりのものとなったと私は考えています。

  • 2001年に追加されたスライドの下線部分(B)の退職者は、それまで会員種類にあったシニアアクチブ会員とパスト・サービス会員を削除したのを補完する意味で、新設されたものと理解します。

<スライド8>


  • RI定款第5条会員の規定は、2001年規定審議会の後、スライドの下線部分が変更になっています。

  • 第5条第2節のクラブ構成は、クラブはどのような会員によって構成されているかという、組織の根幹に関わる規定です。

  • ロータリークラブでは、組織の基本的な構成要素である会員は、少なくとも私が入会した頃は、このスライドの(1)と(2)にある「事業と専門職務に携わる人」所謂「職業人」でした。それが2007年規定審議会で(4)の地域社会のリーダーと(5)のロータリー財団学友が正会員に加えられました。

  • (4)と(5)の正会員は、これまでのロータリーで考えていた事業や専門職務に携わる職業人ではありません。それは赤色で表示した(a)の「および(または)地域社会で」と(b)の「または一種類の社会奉仕」の下線部分がその時同時に追加されたことからも明らかです。

<スライド9>


  • このスライドの下線部分(6)が、今回2013年規定審議会で採択されたものです。

  • 「子どもの世話または配偶者の仕事の手伝いのために仕事をしたことのない人」が所謂「育児または家事専業の主婦(夫)」が正会員になれるようになりました。

  • 明らかにこの10年余りの間に、ロータリークラブの正会員となれる人の範囲が広がっています。

  • 「仕事を中断している人」または「仕事をしたことのない人」(having never worked)が正会員になることができるようになりました。但し、働いていない理由や仕事を中断した理由が、子どもの世話や配偶者の仕事をassistするためでなくてはなりません。

  • 従って、すべての所謂 専業主婦(夫)が正会員となれるのではありません。
  • しかし過去にも仕事をしていない人が正会員として認められたことは、5大奉仕部門の職業奉仕を実践できない人も正会員に認められたということとなります。それは、仮に家事専業という職業分類が与えられたとしても、子どもや配偶者のためにする行為は、職業を通じて社会に奉仕するという意味での職業奉仕とは言えないからであります。ハウスキーパーのようにそれを職業としているならともかく、妻や夫が自分の子どもや配偶者のためになす行為が、一般的に「職業」と言えるかは大いに疑問です。

  • 私は、もはやロータリーは、その地域の職業を代表するという意味での一業種一人の職業分類の原則は無くなり、その理由によっては、仕事をしていない人も正会員になることができ、現実に、事業または専門職務に携わるという意味での職業人の集まりではなくなった、と考えます。

  • 実は、この制定案の前に、制定案 13-42「家事専業の人を正会員に認める件」が審議されました。⇒賛成 335:反対 181(3分の2は344票)で否決されました。
    この案は、このスライドのカッコ 2)の中に「家事や家族の世話に専念することを決める前にそのような地位にあったこと」を挿入する案でした。採択された 13-43とは本質的に異なるものです。
    「そのような地位にあった」とは、以前は有益な事業や専門職務あるいはその地方代理店や支店において、裁量の権限のある管理職を務めた重要な地位にあった人で、それこそ止むなく家事に従事するために早期退職した人であると想定できます。定年退職した人が(3)で認められているのですから、可否は別として、一定の考慮に値する「案」でした。むしろ、仕事をしていない人を認めるよりは、この制定案が採択されてしかるべきだったと私は考えます。

<スライド10>


  • 2004年6月の規定審議会で、RIの目的を、80年ぶりに改正し、と同時に、RI理事会の任務を追加強化し、長期計画委員会を設置、7つの目標を持つ長期計画を採択しました。(採択制定案 04−215、採択制定案 04−217)これが、現在のRI戦略計画の元になっております。

  • この二つの制定案の採択よって、国際ロータリーとクラブの関係が決定的に、本質的に変わってしまいました。1922年国際ロータリーが発足した頃と現在の状況を比較すれば、その力関係での変化は一目瞭然です。

  • 更に2013年規定審議会で、RI理事の任務が変更され、その権限が強化されました。と同時にRI理事会とロータリー財団との連携が強化されました。(採択制定案 13−113「RI長期計画委員会の責務内容を改正する件、採択制定案 13−114「RI戦略計画の監督を含めるために理事会の権限に関する規定を改正する件」)

  • この変質は、組織再編のハード面での変質に対して、ソフト面の変質過程と捉えてよいと思います。

  • 今こそ、強いクラブが期待されております。23−34決議以来、ロータリークラブがその存在基盤としてきた「クラブ自治権」の真の意味を、21世紀10余年の歴史を反省する中で、一人ひとりのロータリアンが考え、行動しなければならない大切な時期(とき)に来ていると考えます。

  • 強いクラブにするには、自ら考え行動する「ぶれない、媚びない、群れない会員」を育てることです。

「Leaders are like Eagles .They don't flock.You find them one at a time.」

(2014.04.16)

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