ロータリアンの広場


ロータリーの歴史に学ぶ(その3)
2710地区 PDG 諏訪昭登(広島西)
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2710地区 諏訪昭登PDG

  • 1922年(ロサンゼルス大会)、連合会は国際ロータリー(Rotary International)と改称。RCの連合組織体として確実なスタートを切った。

  • 1923年(セントルイス大会)、1915年あたりから急激に拡大した人道的奉仕活動(身体障害児協会)への批判と対立は紛糾し、その収束の努力が決議23−34号として結実した。
    ここで、“Ideal of service”はロータリーの哲学・人生の哲学を表す用語とされ、二つの標語として確定した“He Profits…”と“Service Above Self.”がその実体を構成するものであると認識された。


  • かつて“Ideal of service”を説明する正式な文章はないと言われていたが、唯一、2008年版までのOfficial Directory(公式名簿)の巻末にチェス・ペリーによると言われる一文があった。
    そこには、the“ideal of Service,”which is thoughtfulness of and helpfulness to othersとあり、これは1954年3月にオクラホマ州タルサRCでペリーが語ったものと思われる。“他者に対して思いやりと手助けを”という表現はabove selfへ傾いた表現で、当時の傾向が表れている。
    なお、2009年版からは“ideal of Service Above Self”と作者不明のフレーズが載っている。

  • さらに他の資料を調べてみると、次のようなことが判明した。 1927年、Aims and Object Plan Committee(目標設定委員会)は初めて四大奉仕部門を設定するプランを発表・採択した。その1931年版RI公式パンフレットの「職業奉仕」の部分で、次のような説明がある。(英語版p.24)
    「ロータリーでは奉仕の理想(ideal of service)の意味について様々な表現が行われた。『“Service Above Self”、“He Profits Most Who Serves Best”、“thoughtfulness of others”(他者への思いやり)、“most of all treating as one would like to be treated”(自分にして欲しいことを何よりもまず他者に与える)』がある。」 これが最初の正式な説明であり、当時のideal of serviceの解釈と考えてよい。
    黄金律が宗教的立場から離れてideal of serviceの根底に常に置かれている。(1918年に連合会の綱領に初めて登場して以来のideal of serviceがこのように説明された。)

  • Ideal of Serviceは以上のような歴史を辿ってロータリーの基本理念として確定したが、その後1950年(デトロイト大会)にはその構成要素である二つの標語が正式にロータリーモットーとして採択された。

  • 1989年2月、規定審議会は“Service Above Self”を第一標語とする決議を行った(89-145)。“He Profits・・・”も引き続き公式標語として残すものである。日本最初の手続要覧日本語訳(1956年)には“He Profits…”を「最善奉仕最高応報」とある。2年後(1958年)からはほぼ現在の訳文となった。

  • 1984年から二つの標語を中心理念としている決議23−34の削除提案が度々提出されたが、その都度否決されている。時代変化を反映するものとは言え、ロータリーの哲学を表現したIdeal of Serviceを意味する「人生の哲学」を規定した23−34、特にその第一項目を削除することは決してあってはならないということが、2010年の規定審議会で改めて決議され、理事会も採択している(10−182)。

■ 結び
以上のように歴史的沿革を理解すれば、二つの標語はその軽重を論ずることなく同意義のものとしてワンセットで語られるべきことは明確であることがわかる。特に、“He Profits Most Who Serves Best.”が原点的出発であることは銘記すべきであろう。(2010年から“One Profits Most Who Serves Best.”に変更された。)理念なき行動は盲動となる危険をはらむ。実践法則は時代の変化につれて慎重に改変する必要があるが、ロータリーの基本理念Ideal of Serviceは決して変えてはならない。
皆様個人も、そしてクラブでも、このあたりについて歴史的沿革も学びながら真面目に論議されてはいかがでしょうか。 (小生編集の「ロータリーの歴史年表」もご覧ください。)

(2015.04.06)


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