ロータリアンの広場


「職業奉仕の実践活動」
2510地区 職業奉仕委員長
玉井清治(函館亀田)
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玉井清治(函館亀田)

 それは深夜寝静まった時のことです。前日、久しぶりに馴染みのスナックでカラオケを唄い、家に帰り気分よく床についたその時です。けたたましく携帯電話が鳴り響いて、その約10秒後に激しい揺れが襲ってきました。「地震だ!」何が何だかわからずオロオロし、何もできない自分が情けなく感じました。しばらくすると電気がストップ。テレビが、パソコンが、ラジオはあるが電池が見当たらない。唯一の情報は携帯電話で、バッテリーが僅かしか無いなか、ようやく震源地と、この北海道が大変なことになっているのに携帯Webで気がつきました。その後、北海道外の知人から安否を気遣う電話が殺到し、停電しているのは私たちの周りだけではなく、北海道全域であることも知らされ、旅行業という仕事柄、お客様の直近のスケジュールを思い起こしているうちに携帯のバッテリーが無くなってしまいました。

 とりあえず風呂に水をため込んで、コンビニまで車を走らせましたが、ガソリンスタンドは長蛇の列、コンビニの棚に商品はすでに何もありませんでした。
 電気が無いと人間というものは全くの無力だということを、この歳になってはじめて感じるとともに、この地震が大雪の北海道に襲ってきた時のことを思うと身が凍る思いです。

 北海道は台風なども温帯低気圧になるなど、未曾有の危機に遭遇したことは少なく、まして全国各地で発生する地震などは人ごとのように今まで私は思っておりました。つまり、被災地に支援する気持ちは頭の中にあったものの、災害を受けたほうの立場になって考えたことは一度もありませんでした。

 職業人の集まりである私たちロータリーは、身のまわりで起こる想定外の天災や事故などに、まずは職業を通して地域社会にいかに奉仕できるかを考え、実践することが大事であることを先輩ロータリアンから学んできました。そして、ロータリアン個人の職業奉仕活動をクラブとしてしっかり支援していかなければならないものを、実践活動と称して工場見学や企業訪問、優良従業員表彰などに満足していたと思います。この活動をけっして間違っているなどと思ってはおりませんが、このような活動はロータリー以外の親睦会などでもできる活動のように思います。ロータリークラブの職業奉仕の実践活動はもっと高次元のレベルなはずです。

 個人奉仕である職業奉仕とは奉仕理念の研鑽と実践のほかに「そして自己の職業上の手腕を社会の問題やニーズに役立てるために、クラブが開発したプロジェクトに応えること」と、2016年規定審議会にてロータリークラブ定款第6条「五大奉仕部門」2項に付け加えられ、もはや2年が経過しました。職業を持たないロータリークラブは今後、どのようなプロジェクトを開発していかなければならないのでしょうか?そして、ロータリアンの受益となるメリットをクラブとして与えてあげられるか真剣に考える時期にきているのではないでしょうか。

 未曾有の危機に直面したことを想定して、その際、会員の職業奉仕活動をクラブとしてどのように支援するのか?をフォーラムなどで皆で考えるのもクラブとして立派な職業奉仕実践活動だと思います。

(2018.09.18)


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