ロータリアンの広場 |
日韓の政治的対立が激化しています。 もちろん双方に言い分があるのでしょうが、隣国としてどちらの国益にもなりませんし、当分の間は収束しそうにもなさそうです。 その中で、ロータリーの国際親善も自粛傾向にあります。平時には「日韓親善交流だ!」などと豪快に酒を飲み交わし、行ったり来たりしていたものが、毎日のようにワイドショーなどで政治的対立が連日報道されると、「シュン」としてしまう姿は情けないというか、個人的には非常に寂しい思いがします。 このような時こそ、両国のロータリーの力で親交・親睦を更に深め、世間にアピールすることによって「それでこそロータリー」と地域社会もロータリーに拍手喝采が沸き起こるのではないでしょうか。 韓国から来た米山奨学生・学友は日本のロータリーの動きを冷静に観察しております。 さて、初期のロータリー運動が著しい勢いで発展し、またたく間に全世界に広まっていった背景には、全ての会員を平等に扱い、会員に差別感を抱かさなかったことがあげられます。 民族や国籍や宗教の差を超越して、ロータリアン相互の深い親睦と友情の関係を作り上げることに重点がおかれました。多くの移民を抱え、人種と宗教が混じり合っているアメリカや、多種多様な民族が入り交って多彩な生活様式を営んでいるヨーロッパにおいて、仮に、政治や宗教をロータリーの中に持ち込んだり、その問題を議論したとしたら、ロータリーで育んだ友情もたちどころに消え去ったことでしょう。
1917年、当時のRI会長アーチ・クランフの提唱によって、「人間を育てる教育のための奉仕基金」としてアーチ・クランフ基金(現在のロータリー財団)が創設された際、第26代アメリカ大統領セオドア・ルーズベルトは次のような注目するメッセージを寄せています。 むしろ、RIのような団体が持っている理念の方を信じる。国と国との利害があい反し、意見が食い違った時には、いかなる同盟や条約があっても、友好的な関係を保つことはできない。お互いの国民が理解と共感を持ってさえいれば、両国政府間の同盟など不必要である。RIを組織するような人々の交流は、確実に相互理解を深めるに違いない。」 1世紀前に彼は現在の私たちにロータリーの本筋を教えてくれています。
100年経って情報・経済はめまぐるしい進化を遂げましたが、ロータリーは大事なものを置き去りにしてきてしまったような気がします。「正しいロータリー運動」とは何か?自問自答している今日この頃です。
「田中毅PDG著:国際紛争とロータリーより引用」
(2019.09.01)
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