ロータリアンの広場


シェルドンのすべて(その3)
2680地区 PDG 田中 毅(尼崎西)
(注)シェルドンに関する幾つかの新しい文献や事実がわかりました。
政治・宗教
 初期ロータリアンのほとんど全員がアメリカ生まれのアメリカ人である。シカゴのロータリアンには黒人がまったくいない。
 共和党支持者は 72%以上であり、民主党支持者は 9%以下に過ぎない。政治的な考え方では、会員の殆どが疑いなく保守的であり、会員のほとんどが教会の信徒であるが、圧倒的多数がプロテスタント福音派であり、カトリックは 僅かである。
 1921年にシェルドン・スクールの全財産を、セント・メアリ教会を建設するために処分したことから、シェルドンはカソリック教徒だと推測される。
 全ての著作、教育に当たってGOD神という単語を避けて、どうしても使わざるを得ない場合は、Provider創造主という単語を使った。
 シェルドンはカソリック教徒であるにも関わらず、非キリスト教的なキリスト教的観念を持った「アプライドキリスト教徒」と言われている。   彼の神に対する反発は、1621年にエジンバラで行ったRotary Philosophyでは結語の後に「Niagara」という別項を恣意的に入れて、神のという単語を乱発して、表面上は、神の力をナイアガラの滝に称えて称賛しながらも、結果的には経営学に基づくサーピス理念の方がそれに勝っていると結論付けている。
 White Anglo-Saxon Protestantを中心としたマックス・ウエーバーを信奉する福音派のロータリアンが大多数を占めるイギリスにおいて、純粋な経営学に基づいたサービス理念 (当時はまだ日の目を見ていなかった修正資本主義) を語ったのは、いわば、神を信じるロータリアンに対する宣戦布告とも言えよう。
 後日、イギリスのロータリアン、デビッドニコルは彼の著書Golden Wheelの中で「セールスマンの死」というタイトルを儲けて、シェルドンは1921年のスピーチで死に、1935年に本当に死んだと、シェルドンのサービス理念を徹底的に批判している。
 シェルドンの思考は、修正資本主義を先取りしたものであり、後日この考え方を採用したのが、アメリカ民主党であることからも、1913年〜1921年にかけてのウッドロウ・ウイルソン民主党大統領時代が、シェルドンが最も輝いた時代だともいえる。
 その後、アメリカの政権は共和党に代わり、ロータリアンの大多数は共和党員であったため、シェルドンはこのエジンバラ大会のスピーチを機会に、キングストン・クラブに移籍したこともあって、その後のシカゴクラブの資料からも、RIの資料からもシェルドンの名前は抹消されてる。シカゴクラブもRIもシェルドンの存在を認めたくなかったと思われるくらい、シェルドンの名前は徹底的に削除されている。ロータリーに対する情熱を完全に失ったシェルドンは、1935年にロータリーを退会している。
 共和党支持者が大部分を占めるロータリアンの中で、シェルドンは民主党支持であったとも考えられる。(憶測)
 さらに最近の研究によって、遠縁にあたる女性ジャーナリスト、ヘレン・ウイルマンズ・ポストの影響を大きく受けていることが判明した。彼女は精神科学者、新思考運動のパイオニアであると同時に、Emma Hopkinsの下でキリスト教を学んだ、「アプライドキリスト教徒」であったため、シェルドンの宗教観に対して大きな影響を与えたものと思われる。

交友関係

Bhagavan Das バガバン・ダス
シェルドンのサービス理念を具体的に表現した「奉仕の三角形」は、インドの哲学者、バガバン・ダスの平和学という本の中でヒントを得たと述べている。シェルドンのサービス理念がインド哲学の影響を受けていることは興味深い。
Elbert Hubbard エルバート・ハーバード
「ガルシアへの手紙」や数々の名言を残した有名な、作家・教育者であるエルバート・ハーバードは時の政府の方針に従わない人をアナキスト(反政府者)呼ばわりして、「私はアナキストである。シェルドンもアナキストである。すべての善良な人はアナキストである。社会的、経済的、国内的、政治的、精神的な自由を信じ、教養を持った親切な紳士淑女は、すべてアナキストである。その中でもイエス・キリストは典型的なアナキストである。アナキズムは、国家や権威の存在を望まず、不必要、有害であると考え、その代わりに国家のない一つのまとまった政治思想社会や個人主義や自由主義の流れを汲むものなど、時には相互に衝突する多数の潮流の総称なのである。」と述べています。
シェルドン・スクールの卒業生
Jhon Knatson  ジョン・ナトソン
Robert Dennt ロバート・デニー
James Pinkham ジェームス・ピンカム
Ernst Skeel エルンスト・スケール
Helen Wilmans Post ヘレン・ウイルマンズ・ポスト (1831年〜1907年)
Emma Hopkinsの下でキリスト教学を学び、「心理学のホームコース」、「死の征服」「世紀の花」などの著書で有名なmental science精神科学と新思考運動のパイオニア、週刊誌「フリーダム」の発行者である女性ジャーナリスト、ヘレン・ポストの影響を強く受けたと言われている。
ウィルマンスは精神科学に関する多数の書籍を出版し、精神科学を通じてさまざまな病気から数百人の患者を癒すと共に、何千人もの生徒に自分の生活を改善することによって癒し、活力を与え、自分自身を構築する方法「不在治療」を教えた。
シェルドンの医学や生理学や生活習慣の知識は、彼女の影響によるものとも考えられる。
       
ロータリー歴
1908年1月シカゴロータリークラブ入会
1908年2月情報拡大委員長就任
1910年全米ロータリークラブ連合会大会講演
Business Method Committee企業経営委員長就任
1910年全米ロータリークラブ連合会大会講演
He profits most who serves his fellows best 提案
1911年全米ロータリークラブ連合会大会講演 My Platform
He profits most who serves best 提案・採択
1912年ロンドン・ロータリークラブ設立
1913年マンチェスター・ロータリークラブ設立
1913年國際ロータリークラブ連合会大会講演
The philosophy and ethics of successful accomplishment
1921年國際ロータリークラブ連合会大会講演 Rotary philosophy
実質的にロータリーと決別。ロータリー活動中止
その後、キングストン・ロータリークラブに移籍
1929年奉仕の原則と保全の法則発行
He profits most who serves and conserves best 提案
1930年ロータリー退会
1935年12月21日逝去

遺体は、アンナ・グリフィス夫人の故郷、ニューヨーク州アルスター郡キングストンに埋葬。
シェルドンの墓標には十字架が描かれていない。
彼が非キリスト教的なキリスト教的観念「アプライドキリスト教」であることはすでに述べたが、20代で筋委縮性側索硬化症ALSを発症しながら、量子宇宙学を確立したイギリスの著名な物理学者ステーブン・ホーキング(1942年〜2018年)も、シェルドンと同様に、宇宙の創造主を認めながらも神の存在を否定する態度を終生貫いたため、宗教界から大きなバッシングを受けた。


Stephen William Hawking
多神教徒 (無神論者)が大多数を占める日本では想像もつかないことであるが、原理的キリスト教徒が大多数を占めるアメリカやイギリスの宗教観の厳しさは今も昔も変わらない。 これらの国では、宇宙や人間は神が作ったものであり、全ての罪は教会で牧師に懺悔すれば許されるし、ダーウインの進化論は教科書から抹消されているのである。





(2018.12.18)

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