ロータリアンの広場


シェルドンの職業奉仕理念
モットーの真意 3
2680地区 PDG 田中 毅 訳(尼崎西)

田中 毅PDG

 シェルドンのモットーの真意は、原因結果論から説かれています。
 炎という原因によって、熱という結果が生まれます。小さな炎には僅かな熱しか生まれませんが、大きな炎には大量の熱が生まれます。
 サービスの概念も自然の法則であり、少ないサービスには少ない利益しか得られませんが、大きなサービスを行えば大きな利益が生まれるのです。そして、この法則はあらゆる職業に適用されるのです。
 原因があって、結果が生まれることを忘れてはなりません。往々にして人が失敗するのは、この順番を間違えて、先に結果 (利益) を得ようとするからです。



 健全に事業を営むためには、あなたの事業に関連する全ての人たち、則ち、従業員、取引業者、顧客、商圏の地域社会の人たちのお陰であることを忘れてはなりません。貴方が得た利益をこれらの人々に適切に再配分することが、継続的な事業の発展に繋がります。
 人間関係学から事業経営を考えなければなりません。  良好な労働環境を提供するのは資本家の責務であると考えて、適正な報酬を支払うこと。安全、福利厚生、社会保障、快適な生活を保証すること。教育の機会を与えることです。
 資本家が利益を独占するのではなくて、従業員や取引に関係する人たちと適正に再配分することが継続的に利益を得る方法なのです。企業がグローバル競争に勝つために、有能な人たちは正規雇用者としてしっかり確保する代わりに、単なる労働力として使う人たちを非正規やパートとして低賃金で雇うことは、シェルドンの理念に反する行為です。能力に応じた終身雇用制度や年功序列が復活しつつある現状も再考する必要があります。
 その代わりに、従業員には、最善を尽くして働くこと。過失を最小限におさえること。会社の管理運営に協力することが要請されます。


 シェルドンは価値ある幸福の要素として、他の人々からの愛情や尊敬を受け、曇りのない良心と自尊心を持って、仲間との毎日、取引をした結果として物質的な富すなわち、報酬または利益を得ることは、事業を営む人として、この上ない幸福であると述べています。シェルドンの思想では、奉仕を実践すれば必ず物質的な富が得られるので、日本人が好む「清貧」という考え方はありません。



 インドの哲学者バガバン・ダスの「平和論」の中でヒントを得たとして、「品質Q、量Q、管理の方法M」を、物の価値を計る普遍的な基準であり、この三つの要素がそろって、始めて価値ある奉仕をすることが可能になると述べています。  すべての事業所には正しい「質・量・管理の方法」が適用されなければなりません。  良いセールスマンになろうと思えば、正しい「質・量・管理の方法」で商談を進めることです。あなたが顧客に言っている言葉の質を確かめてください。顧客の心証を害するような発言はしていませんか。あなたの商談の量は適切ですか。論理的に話していますか。要点をしぼって話していますか。顧客の前での態度はどうですか。セールスマンを雇っている会社は、そのスタッフによって評価されていることを、忘れてはなりません。
 貴方が製造業の良い事業主になろうと思えば、正しい「質・量・管理の方法」で企業経営を進めなければなりません。自社の製品の質に自信がありますか。うっかりミスに備えた対策を講じていますか。常に製品の研究開発を進めていますか。十分な製品を作るための設備投資を行っていますか。万一の場合に備えた対策を講じていますか。マンパワーを開発するための社員教育を行っていますか。社員の意見を聞いて、それを反映する機会を設けていますか。
 小売商の場合も同様に、正しい管理方法の下で、十分な量の良い商品を顧客に提供することです。商品の品質が高いこと。一度売った商品には責任を持つこと。理屈に合った価格であること。商品の種類が豊富で、十分の量が確保できること。店主や従業員この態度がいいこと。商品知識があること。広告が適正であること。
こういうことが守られている店には、何度でも行きたくなるものです。すなわちリピーターが確保できるのです。商売に成功する方法は、継続的に利益をもたらす顧客を確保することです。一見さんだけを相手にしていては、継続的な事業の発展はあり得ません。リピーターとなって再三、店に訪れる上得意を確保することが、すべての事業所を繁栄させます。利益をもたらしてくれる顧客を継続的に確保することが事業を発展させる鍵なのです。



 シェルドンはマタイ伝から引用した黄金律「Do unto others as you would have them do unto you あなたが他人からしてもらいたいことを、先に他人にしてあげなさい」即ち、自分が儲けることよりも他人が利益を得ること優先することによって、後から利益が何倍にもなって還元されるという言葉を、経営学に基づく奉仕理念として言い換えたフレーズが「He profits most who serves best」であると説明しています。
 黄金律は「マタイ伝」にも引用されているために宗教と思われがちですが、同様な表現は、モーゼの律法、儒教、仏教、イスラム教などの世界中のあらゆる国で使われている格言です。従って、このモットーは、宗教を超えた人類への奉仕の一般的な指針となる哲学だと考えられます。  シェルドンは、さらに一歩踏み込んで、経営学には黄金律The golden ruleを適用する必要があり、さらに、黄金律The golden rule は、The rule for making gold 黄金を儲けるための法則であると結論付けています。
(2019.03.27)

===== モットーの真意(1)   モットーの真意(2)=====

「シェルドンの職業奉仕理念 モットーの真意 2」PDF版 ダウンロード

「ロータリアンの広場」トップページ


上記内容に関してコメントができます。
コメント投稿には「Facebook」へのログインが必要です ▼