ロータリアンの広場 |
2680地区 PDG 田中 毅(尼崎西)
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九州の豪雨災害が起こってから 1年、西日本の災害からは 1ケ月が経ちました。地域社会の職業人で構成されているロータリークラブとして、自らの地域で起こった災害に対して、積極的に対応する義務があることは当然です。 しかし、自らの身に降りかかった想像を超える被害に茫然として、ロータリーが実践すべき地域社会における社会奉仕活動の実践に取り組むまでには、少し時間が掛かると思います。 しかし、地域社会における奉仕活動をしてこそ、ロータリーの存在価値があることを忘れてはなりません。 私は、阪神大震災の翌年に被災地のガバナーを務めて、ロータリーの災害復興事業の難しさを身をもって体験しました。10億円を超える募金が集まり、緊急を要する事業、復興を援助する事業、将来も継続する事業に分けて募金を使わせていただきました。 主な事業は、被災留学生の学生寮の建設。被災孤児のケア施設の建設と維持。住宅建設に携わる職人の短期養成施設の運営など、50を超えるプロジェクトを行い、10年後に終了しました。 ロータリーの災害復興活動にはルールがあります。募金を集めて、被災地区に送り付けても、受け取る側に体制ができていないと困惑することになります。また、募金を地方自治体や、日赤に送ったのでは、ロータリーの存在価値が疑われます。 被災地区が最初にすべきことは、地区に災害復興基金の銀行口座を開設することです。クラブが独自に口座を開設しても結構ですが、地区でまとめて口座を開設して、クラブの要望に従って資金を分配する方が、結果としてうまくいきます。口座を開設しないと、折角の募金が行き場を探して、宙に浮くことになります。 地区は、ガバナー会を通じて、または個別に、募金をこの口座に振り込むように依頼します。 これと並行して、被災地区のクラブは、地域社会のニーズに従った復興プロジェクトを計画して、その資金を地区に申請します。大きなプロジェクトなら地区が関与する必要もありますが、実施するのはあくまで個々のクラブです。被災地にまたがる幾つかのクラブが合同でプロジェクトを実践するのが効果な場合もあります。 東日本大震災の時に、ガバナー会が、震災復興募金を被災地の学生の奨学金にすると決定しました。 私は、募金の使途はあくまで、被災地のニーズに従うべきであり、ガバナー会が口出しする権限はないとして反論しました。幸いにも、次年度のガバナー会議長がこの決定を撤回していただいたので何とか解決しました。 ロータリーが行う災害復興事業は、行政の手が届かない、更に地本のニーズに叶った事業に取り組むべきだと思います。棚田やみかん畑の復興とかハウスが壊れて再建が困難な人とか、その気になって探せば、数多くのプロジェクトが見つかると思います。
地域に密着した社会奉仕活動を実践する絶好の機会が与えられたと考えて、被災地区はプロジェクトの実践に、その他の地区はその原資の提供に頑張ってください。 (2018.08.08)
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