続々・『職業奉仕』
職業奉仕は菩薩の両願
2510地区 PDG 塚原房樹(札幌東)

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2510地区 PDG 塚原房樹

 奉仕団体は数多くありますが、職業奉仕という考え方は、ロータリー独自の主義主張です。しかし職業奉仕という考え方は、ロータリーの専売ではありません。職業を通じ人のためにお役に立ちたいと言う思想はロータリアンばかりでなく、日本ではだれでも身に付けています。儒教、報徳、石門心学など東洋哲学の影響で自分の仕事を天職と心得、職業に貴賤を設けず、誇りを持って相手の立場にたって商いをする商人道が江戸時代から確立されていました。
 職業奉仕はロータリーに入会して初めて教えられるものではなくて、最初から身に付けた素養なのです。ロータリアン以外の人々でも、自分の企業を大切にして、これをもって世のため人のために貢献しようという人は枚挙にいとまがありません。ただロータリアン以外の人々はそれを職業奉仕と呼ばなかっただけなのです。今や、職業奉仕の考え方は一般の経営者の常識となり、職業奉仕は判らないの、難しいのと議論しているロータリアンより、はるかに進んだ考えで社会に貢献されています。

 また職業倫理の高揚に勤め、自分の人生上の成功を自分一人のものと思はずに、これを広く社会に還元しようとする人も大勢おられます。またその奉仕のスケールも、一地区内のロータリアン全員の奉仕に匹敵するような大きな奉仕を実践される方もおられます。
 そこで、ロータリーは何を持って自己の独自性を主張するのか、つまり非ロータリアンとロータリアンとの職業奉仕は一体どこが違うのか、ここのところの整理がつけば、ロータリーで言うところの職業奉仕、すなわちロータリーとは何かが理解できます。職業奉仕は判りにくいというけれど、企業の管理者はロータリーに入会する前より、職業奉仕の素養は皆身に付けています。判りにくいのはロータリーにおける職業奉仕なのです。

 自分の仕事を通して社会に奉仕をする、このことは非ロータリアンもロータリアンも同じです。ただロータリアンにとっては奉仕の実践は十分条件にしか過ぎません。ロータリーにあっては、奉仕の実践に先立ち、例会で自己の奉仕の心を磨き、自己の精神的境地を高めることが必要条件なのです。ロータリーでは奉仕の実践に先立ち、例会での親睦を通して、切磋琢磨して奉仕の心を作ることが職業奉仕の第一の目的なのです。
 職業奉仕の話をするとき必ず心に浮かぶのは、宮崎RCの岩切章太郎氏であります。氏は自分の職業観は「菩薩の両願」だといわれました。仏教では「菩薩の両願は、解脱と浄仏国土である」といわれます。菩薩とは最高の悟りを開いて仏になろうと発心して修行に励む人のことで、解脱とは悟りを開くこと、浄仏国土とは衆生を済度することです。

 つまり菩薩は二つの願いをもつ、第一の願いは仏道を修行する、そして修行が成就したなら、第二の願いとして生きとし生けるものを皆済度したいという二つなのです。  ロータリーの職業奉仕も菩薩道と同じです。第一は、ロータリーの例会出席を通じて自己の精神的境地を高めること、第二は、この高められた境地で自分の職場を中心に世の中を明るくしていくのです。職業奉仕とは各ロータリアンに奉仕の行動を要請する高められた内心的境地のことであります。

(2014.11.17)

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