ロータリアンの広場


片岡 暎子さんと「コロン,セミコロン」
2510地区 PDG 塚原房樹(札幌東)
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2510地区 塚原房樹PDG

《片岡さんとのご縁》
 年配のロータリアンの方なら、RI日本事務局の片岡暎子さんのことを覚えている方は大勢おられるでしょう。私が片岡さんに初めてお会いしたのは、およそ30年くらい前でしょうか、彼女がRI日本事務局で翻訳室長をされていたころでした。東大の英文学部出身で、当時、RIから送られてくる英文の出版物をすべて邦訳され、また日本からRI宛の報告事項も彼女が英訳していました。手続き要覧も、当時は片岡さんが邦訳していました。彼女は、「私の名前は日と英を合わせた暎子で、日本語と英語の翻訳をする仕事につく運命にあったのでしょうね」といわれたことがありました。

 彼女が財団室長になられてからは、北海道のIM、地区協議会、私の地区大会にはもちろん、折あるたびに来道していただきました。大変頭のよく切れる方で、難解なロータリー財団プログラムは、彼女の存在なしには理解できませんでした。

 当時のシニアリーダーで片岡さんを知らない人はいないほど、彼女の存在は大きなものでした。忘れえぬ思い出の一つは、彼女は日本舞踊の名手で、講演の後に踊りを披露していただいたことでした。RI日本事務局を退局されてからは、川口西ロータリークラブに入会され、会長も務められました。その間も片岡さんから、貴重な「ロータリー情報」をメールしていただきましたが、中でも「ロータリーの目的」の読み方について、深い示唆を得ることができました。

 新会員は入会のさい、「ロータリーの目的」を受諾します。ですからロータリアンは皆、「ロータリーの目的」を受け入れています。皆さんは「ロータリーの目的」を読まれるとき、文節の後にあるコロンとセミコロンを意識されたことがあるでしょうか。私は長年、「ロータリーの目的」とかかわってきましたが、コロンとセミコロンには特に注意を払いませんでした。しかし片岡さんから下記のような貴重なアドバイスをいただき目が覚めました。少し長くなりますが、皆さんにもお伝えしましょう。

《コロンとセミコロン》
『英語の場合、ピリオド、コンマのほかに、セミコロンとコロンがあり、それを使いこなして書いた英文が名文だということです。ピリオドは日本語の丸で、コンマは日本語の点と考えて下さい。強さから言いますと、一番強いのが、丸で、次がセミコロン、次がコロン、一番弱いのが点です。これを前提条件として覚えて下さい。まず、ピリオド、丸は、文末に置きます。コンマ、点 は、並列した語や文章を区切ります。コロンはイコール記号と同じで、コロンの前後で同じことを言っています。これを頭に入れて、実際に「ロータリーの目的」の前文を見てみましょう。

ロータリーの目的は、(点が入ります)意義ある事業の基礎として奉仕の理念を奨励し、(点が入ります)これを育むことにある。(丸が入ります)具体的には、次の各項を奨励することにある:(コロン)ここにコロンが来ます”

 コロンの前にある文章と後にある文章は同じことを言っているということを示しています。日本語に敢えて訳すなら、「すなわち」でしょうか。そして4項が列記されていまして、4項をつなぐというか隔てるのが ; (セミコロン)です。セミコロンの役割は何でしょうか。セミコロンはシーソーゲームの支点のような働きをもち、前後の内容を対照するのが目的だということです。これらを念頭に置いて、「ロータリーの目的」を見ると、「ロータリーの目的」の前文と後に続く4項との関係が判ります。

 最近コロン、セミコロンの用法が英語圏の中でも乱れていると云われています。日本人が良く分からなくてもさほど問題はないと思いますが、ロータリーの目的の原形は1906年に最初 に作成されました。何度も改正され、1951年にObjects of RotaryのObjectsが複数形から単数形になりました。最初が複数形であったことを考えますと、ロータリーの目的は4項目あったと解釈できるのではないでしょうか。単数形になったのは、4項目が一体になったと考えるべきでしょう。シーソーゲームの支点の前後左右が4項目と考えるべきでしょう』……(.片岡さんのメールから)

 恥ずかしながら、私はそれまで「ロータリーの目的」にあるコロンとセミコロンを深く考えもせずに読んでいました。「ロータリーの目的」は、コロンとセミコロンの意味を正しく理解してこそ、真意が得られます。今は故人となられましたが、片岡さんは、私のロータリーライフにおいてかけがえのない恩人でした。

片岡さんのご冥福を心よりお祈りいたします。

(2020.06.01)

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