ロータリアンの広場


老タリアンの呟き・『組織の衰退』
2510地区 PDG 塚原房樹(札幌東)
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2510地区 塚原房樹PDG

《巨大な組織も衰退する》
 伝統もあり、資産も多く、規模も大きい「立派な組織」は、簡単に消滅するものではない。組織体質が健全であり、組織風土が正常であれば、内部の自浄作用と修復機能が必ず働くからだ。だがその一方では、伝統も名声も、資産も規模もある組織が、実に短時間に滅亡する例も少なくない。組織の体質が冒され、気質が異常化し、自浄作用も不能に陥った場合、巨大組織も「死に至る病」にかかる。その原因は「機能体の共同体化」である。

《機能体の共同体化とは》
 組織には共同体と機能体とがある。本来、この二つは構造も機能も目的も違う。もともと共同体とは家族、地域社会、あるいは趣味の会など、自然発生的なつながりで生まれ、構成員の満足追求を目的とした組織である。したがって、その組織の発展拡大よりも、構成員それぞれの組織に属する目的を満たすことが重要である。よい共同体とは、構成員一人一人の満足を実現する固い結束である。

 これに対して機能体組織は、外的な目的を達成することを目的とした組織である。ここでは構成員の満足や、親交は手段であり、本来の目的は利潤の追求や戦争での勝利など、組織外の目的を達成することである。こうした機能組織の典型が企業である。 機能組織は、設立の目的を達成することが組織の目的だから、内部の構成員の心地よさは軽減されても仕方がない。しかし軍隊でも企業でも、組織が確立し、官僚としてのスタッフが定着すると、彼らの満足と私利を追うようになりやすい。「機能組織の共同体化」といわれる病理現象である。官僚支配による機能組織の共同体化である。機能体が「構成員の共同体化」する危険は常にある。この現象の恐ろしいことは、いったん共同体化が始まれば、それを肯定する人事と資源配分がますます強化され、 やがては「正義」をもって語られるようになってしまうことだ。共同体化した組織において高い地位と大きな権力を持つことだけを願う野心家は、構成員の推挙を得ようとして、構成員の幸せを追求、つまり共同体化を一段と徹底するようになる。

《究極の問題は倫理の頽廃》
 機能組織の共同体化を招くもう一つの根本的な原因は、組織倫理の頽廃である。倫理には腐敗と頽廃がある。腐敗とは悪いと知りながらも悪辣な行為が横行する現象である。汚職や権限の乱用、お友達人事などは倫理の腐敗にあたることが多い。 これに対して倫理の頽廃とは、何が悪いかわからなくなる現象だ。世間では罪悪とされていることが、一つの組織の中では正義と認められているとすれば、倫理の頽廃の極みといえる。組織で起こりやすいのは、その組織が作られた「本来の目的」から逸脱し、自己の主観的な倫理に埋没してしまうことであろう。組織内の気質が正常であれば、倫理の逸脱は遅かれ早かれいずれ是正される。

 しかしこれがさらに進み、組織内の気風自体が頽廃してしまうと、何が正しいことか組織全体が分からなくなる。倫理の頽廃の恐ろしさは、是正されないことがむしろ組織内では評価されることが多いことである。したがってこれが始まると、頽廃の拡大生産の悪循環が起こる。特に仲間意識の強い共同化した官僚組織では襟を正した姿勢を常に保たねばならない。 一般論として組織が死に至る原因を探ってみた。すべての組織がそうなるとは言いわないが……そこまでの段階で自制している組織もたくさんある。だが、ロータリーは確実に衰退への道を駆け下りつつある。仄聞すると国際ロータリー日本事務局にも、ヒューコ事務総長のお友達人事(人事の私物化)があったとか……?

(2022.01.21)

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