ロータリアンの広場


「ロータリー、お前もか」
2510地区 PDG 塚原房樹(札幌東)
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2510地区 塚原房樹PDG

 20世紀は資本主義経済欄熟期であり、またロータリー興隆の百年であった。21世紀に入り、経済成長を前提とした新自由主義やグローバリズムにより「資本主義」も「ロータリー」も大きく変化した。さらにパンデミックを経て、両者はすでに死に体となり、ある種の“ゾンビ”になり始めている。  そのような過程に於ける壮大な虚構の一つが、2022のCOLであった。〈他人(ひと)の金を集め、これを運用して儲けると共に、その罪滅ぼしの奉仕もまた他人の金によってやる〉という大芝居がはっきり見えてきたことである。これは単に金銭だけの問題ではない。その負の反面として、官僚支配による道徳の崩壊が露呈され、日本の心あるロータリアンは、皆RIに対して更なる不信感と絶望感を募らせた。

 そもそも、法やルールはなぜ必要なのだろうか?「法は共生・共栄のための相互尊重のルールであり,規定審議会は変化する時代とともに、ロータリー運動をより意義あるものにするために存在するものであった。『対立』が生じた場合,多様な考え方を持つ人が社会集団の中で共に成り立ち得るように,また,互いの利益が得られるよう,何らかの決定を行い,『合意』に 至る努力がなされていた。良き時代の規定審議会は、「ロバート議事法」に則り、「手続きの公正さ」「機会の公正さ」「結果の公正さ」などが順守されていた。 民主国家は主権在民である。かつてはロータリーも主権は個々のロータリークラブにあり、RIは連絡調整機関であった。しかし、会員数の拡大と共にRIにおいては、ロータリーで食べていく人の数が増えてきた。その結果、官僚支配となり主権は徐々にRIに移り「相互尊重」のルールは雲散霧消してしまい、個に対して全体を優先させる全体主義が明らかとなってきた。それが2022のCOLであった。

 現在、ロータリーの舵取りをするのは、ロータリアンから選ばれたRIの会長ではなく、RI理事会から選ばれたスタッフ・官僚たちである。RI会長は、就任時に自分の年度の方針として、テーマとビジョンを掲げるが、限られた任期の一年間では、200以上の国と地域に広がり大所帯となったロータリー群を統治することは不可能である。 まして、過去に累積されたロータリーの膨大な資料及び、広範囲で複雑な手続きのすべてを知ることも不可能である。必然的に、ロータリー運営の「政策の自治」、「実行の自治」は、ロータリアンの手を離れて実務的な官僚へと移っていった。イジワルな言い方をするなら、RIの会長はお釈迦様の掌の上の孫悟空よろしく、官僚の掌の上で一年の任期を過ごす。もはや、ロータリーはロータリアンの手を離れてしまった。その結果、RI事務局のシニアスタッフに対しては、外注費・アウトソーシング代として多額の費用が支払われていると聞く。 凡そ人間の営む組織というものは、政府であれ民間団体であれ、大きくなればなる程官僚化してゆく。

 そして官僚化すれば官僚の本能として無限に拡大膨脹を求め、他の組織の領分まで侵奪しようという欲望に駆られる。これはもう善悪の論を超越した本能だからどうしようもない 組織は自分が生き残るために目的を引き上げていく。目的達成に近づけば意図的にどんどん目的をかさ上げしていく。目的が無ければ人は集まらないし、人を惹き付けるには尖鋭的である方が受けがよく、さらに単純化した方が理解されやすくなる。 組織はすでに組織本来の目的達成のために存在するのではなく、達成不可能な目的のために肥大化するのが目的になる。組織がある一定以上に肥大化すればしばしば変質化が生じる。組織が目的達成のための単なる装置から、大きくなった組織を維持発展させる事に意義を大きく置きだす現象である。

 こういう状態に陥った組織は非常に厄介だ。組織の発展段階で「それはおかしい」とか「それは我々の目指す方向ではない」と意見の持ち主は淘汰整理され、残っているのは巨大化した組織で食べている人、変質した目的が達成できると信じ込んだ人ばかりになる。さらにどちらの比重が多いかといえば組織で食べている人達だ。彼らにとって目的達成を信じ込んでいる人も組織の宣伝道具に過ぎない。 今回のCOLの『制定案 22-27』で、「RI理事会にロータリアンの元役員身分を剥奪することを許可する件」がRI理事会より提案され295:16の大差で採択された。私はロータリーを心から愛しているからこそ、いつもRIに対して歯に衣を着せぬ辛口の発言をしてきた。そのためにパストガバナーの資格をはく奪されても一向にかまわない。

季節は初夏だが心は「物言えば唇寒し秋の風」である。

(2022.05.17)

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