「本稿の由来」その1
元RI理事・2690地区 渡辺好政(児島)

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元RI理事・2690地区
渡辺好政(児島)

 国際ロータリー第2690地区のクラブ会長エレクト研修セミナー(PETS)は、松本祐二DGEの主宰のもと、松本DGEの地元である島根県益田市、益田市立市民学習センターにおいて、2014年3月15―16日の2日間、地区内67クラブ会長エレクト全員、11名のガバナー補佐全員、多数のPDG、DGN、そして、須山羚治次期地区代表幹事以下、地区役員の参加を得て、盛大に開催されました。
 そのPETSでは、第1日目に、松本DGEの地元、島根県吉賀町ご出身で文化功労者の澄川喜一先生(東京芸大元学長・島根県芸術文化センター[グラントア]センター長)による「スカイツリーの秘密」と題する素晴らしい特別講演が行われ、筆者も、全聴衆も、深い感動を覚えました。
 筆者と同年齢で、傘寿を超えた澄川先生には、矍鑠として、見事に70分間の講演をされ、講演の最後に、「まだ まだ 創る、まだ まだ歩む」と結ばれたお言葉がとても印象的でした。
 筆者は、PETS 第2日目の早朝9時から、Gary Huang RIDE“Light Up Rotary”「ロータリーに輝きを」というテーマ、松本DGEによる「笑顔でSERVIE」というメッセージに因んで、「輝いているリーダーになりましょう、― 輝き続けるロータリアンになるために」のタイトルを掲げて、50分間の講演を行いました。
 今回、はからずも、PDG石井良昌先生のご依頼にお応えし、RI第2690地区・DGE松本祐二先生のご了解を得ましたので、以下、当時の講演のあらましを投稿させていただきます。

2014年・第2690地区・PETS講演要旨(益田市) 2014年3月16日
「輝いているリーダーになりましょう、― 輝き続けるロータリアンになるために」
PRID 渡辺 好政

  1. 私のロータリー年の始まり物語:
  2. 最近、ここ、数年間、私のロータリーライフの始まりは、1月、サンディエゴで始まる国際協議会(以下、IA)からであります。と申しますのは、昨年は、リスボンでの国際大会委員会委員など、RIの多くの役職があり、その関連の委員会が、関係者が多く集まるIAの期間前後に開催されることもあり、また、IAの前には、RI理事経験者の同窓会が定期的にPast Officers Reunion(以下、POR)という名のもとに開催され、現、次期、次々期のRI会長やTRF委員長関係の皆さんの講演が計画されているからであります。

  3. IAの意味とRIにおける位置づけ:
  4. IAは、RIの国際大会(以下、IC)に次ぐ大きな意味を持っている集まりであり、予算的にも4億円以上という一大イベントであり、全世界の537地区から、次年度の地区ガバナーエレクト(DGEs)ご夫妻が一堂に集い、新ロータリー年度の活動方針を次期RI会長から聴き、RI研修リーダーによるグループ討論などでの研修を受けて、IA全期間の出席を持って、晴れて、DGEに任命されるという関門の1つであります。
    私たちの地区からは、松本祐二DGEご夫妻が出席されました。とりわけ、伊藤文利PDGが、西日本からはじめて選ばれた日本からのSAAとして、IAでの活躍をされたことは、とても意義深いことでした。

  5. Gary C.K.Huang RIPEのテーマと地区としての方針:
  6. この表題につきましては、昨日、松本DGEから親しくお話になり、私たちは、感動をもって受け止め、その方針の実現に真摯な努力を重ねてまいる決意を表明したところです。Gary C.K.Huang RIPEの“Light Up Rotary”のテーマとともに、地区のスローガンとして、「笑顔でService」を掲げられた松本DGEの地区目標の達成の実現に邁進いたしましょう。”Sleep on it”という表現があります。一晩の時を経て改めて考えると、また、違った感動が湧き出て、新しい力が湧いてくるものと信じております。

  7. 私の講演の主題と副題:
  8. 主題は、「輝くロータリアンになりましょう」であります。そして、副題は、「輝くロータリアンであり続けるために」であります。
    本日、ご参会の私たちの第2690地区の次期クラブ会長の皆様には、ぜひ、輝くロータリアンになられますよう願っており、そして、輝き続けるロータリアンになっていただきたいのであります。

  9. PETSの意味:
  10.  5−1:P=President: Pre(before) 前に、+sid座る 『前に座る』
    E=Elect: その役職に選ばれている人、
     5−2:RIにおけるクラブ会長エレクトの立ち位置:
    RIは、ロータリークラブの集合体であります。そのロータリークラブを取り仕切られるのは、クラブ理事会であり、最終の意思決定は、クラブ会長によってなされます。会長エレクトは、会長に就任することが約束されている人であります。
    次期のPresidentであります。時が来れば前に座る人なのです。
    クラブ会長の役割は、充実したロータリークラブを目指して、クラブを導くことであります。
     5−3:“The Buck Stops Here.”
    アメリカ合衆国の大統領もPresidentであります。トルーマン大統領の机の上には、この文字が刻まれている彫刻がありました。「私が決定する」という意味です。
     5−4:T=Training
    Training vs Coaching:研修とコーチング
    Training は、日本語では、「研修」という字があてられています。
    Trainとは、列車ですから、線路があります。目的に向かって、皆さんが一緒に、同じ目的のゴールに到達するように研修方法、成果の判定などが決められております
    一方、Coachingとは、文字通り、coach=馬車に乗って、目的に到達するには、その人にふさわしい通路を選び、方法を選びながら、コーチとコーチングを受ける人が、自ら選択する主体性を維持していく研修の方法。野球の選手とコーチの関係参照。
    Training vs Education:研修と教育
    ロータリアンは、すでに、多くの経験もあり、特別なスキルを持っている方ばかりですから、できれば、教育という言葉を避けて、研修、あるいは、情報提供(information)という用語を使用してはと考えます。
     5−5:S= Seminar
    Seminarの原義は、ラテン語のseminarium(=seminary 苗床、教育の場)であり、semen(=seed)から派生した[苗床]「学校」を意味するseminariumが中英語に入ったのです。
    ですから、ご参会の会長エレクトの皆様には、本日のセミナーで「種」を植え付けてもらった、それをご自身のクラブに持ち帰られて、大事に、大事に育てていただきたいのです。

  11. リーダーとは、特に、ロータリーのリーダーとは:
  12.  6−1:Leader vs Leadership
    Leader & Leadershipに対する先人の言葉:
    Management is doing things right, leadership is doing the right things.
    (Peter Drucker)
    (参考訳:物事を正しく実行するのが経営であり、正しいことを行うのがリーダーシップである、)
    The function of leadership is to produce more leaders, not more followers.
    (Ralph Nader)
    (参考訳:リーダーの役割とは、多くのフォロワーではなく、多くのリーダーを育てることである。)
    A leader is one who knows the way, shows the way, and goes the way.
    (John Maxwell)
    (参考訳:リーダーとは、道を知り、道を示し、道を行く人である。)

    LEADERの頭字語(acronym)を取って、リーダー像を描きますと:
    Listen: 相手の思いを聴き、こちらの思いを語る
    Enthusiastic: 情熱的に、熱意をもって
    Ambitious:おおいなる志を持って
    Dream:夢をかたちにしながら
    Enjoy:楽しみながら、
    Rational:しかし、合理的に、理路整然と、感情の溺れることなく

     6−2:特に、ロータリーのリーダーとは:
    私は、リーダーの役割について、過去、いろいろとその道の先達に、また、学び、自分自身のクラブ会長、地区ガバナー、地区やRIの各種の委員会委員長、そして、RI理事職での経験から、いろいろと模索を重ねてまいりました。

    私は、2014年のサンディエゴで行われましたPORとIAで、歴代の元RI会長の中で、最高の論客の一人であるクリフ・ダクターマン元RI会長の「ロータリーのリーダーは、オーケストラの指揮者のように」という講演を拝聴し、眼から「うろこ」が落ちるとは、このことかと思うような感動の浸ったのを昨日のように覚えております。

    時間の関係もあり、全体を皆様にご紹介できないのは、誠に残念であります。皆様には、ロータリーの友3月号の2014年国際協議会報告の記事の中で、二神典子編集長の「ロータリーのリーダーシップはオーケストラの指揮者のようなもの」という表題を掲げて、当該講演の見事な紹介文を、すでに、お読みになっていると思います。もし、万一、まだお読みでないお方がおいででしたら、ぜひ、ご一読いただきますように。そして、できれば、RIのホームページを開けていただき、講演全文をお読みいただきたいと願っております。

    私は、時間の関係もあり、ダクターマン元RI会長の述べられていることを、私なりの受け止め方で簡単にご紹介申し上げます。

    ボランティアであるロータリアンの集まりを対象としたリーダーのあり方には、通常の論理と形式、そして、その実行計画は通用しません。そのために、多くのリーダーが悪戦苦闘を重ねて109年の歴史を創ってまいりました。ご自身すぐれたリーダーであり、長年に亘って優れたロータリー・リーダーの皆さんが実践されているスキルのたとえとして、最適なのは、ロータリーのリーダーは、オーケストラの指揮者のようなスキルと気質を備えている人という結論に達しました。ボランティアであるロータリアンを解雇することもできなければ、新しいクラブ会長を雇うこともできません。オーケストラには、様々な楽器、スキル、才能を持つ演奏者が集まっているように、ロータリーでは、地区やクラブには、様々な能力、関心、経験を備えた人々があふれています。これらのことを踏まえながら、その方々の優れた能力、いろいろな方面への強い関心、そして、豊かな経験をどのように、ロータリーの奉仕活動に生かしていくかがロータリーのリーダーに問われるスキルと資質になります。

     6−3:リーダーシップの特徴:オーケストラの指揮者 vs クラブ会長
    それらのリーダーシップを具体的に実践するためには、どのような戦略計画が必要でありましょうか? 5つのポイントにまとめてスライドにさせていただきました。

    優れたオーケストラの指揮者優れたクラブ会長
    1.良く準備ができている会長年度の入念な準備を整えている
    2.耳を傾ける聴く耳を持っている
    3.分かち合う経験や知識を分かち合う
    4.団員を励まし称える人を励まし、活躍を称える
    5.演奏家を育成し発展を促す力強いクラブ構築のため新しいリーダーを育成する

     6−4−1:クラブ会長の悩み:
    クラブ会長は一人であります。孤独に耐えなければなりません。
    クラブ会長は、ロータリーの道を知り、ロータリーの道を示し、そして、自らロータリーの道をゆく人でなければなりません。ある意味では、悩みの多いお役目であります。

     6−4−2:元RI会長の悩み:
    「時として自分の仕事を犠牲にしてまで、ロータリーのために時間を割き、任務を果たすことに、果たして意義があるのだろうか?」とご自身の精神的指導者に問いかけられたのは、高名な元RI会長の在任中のことであります。
    私は、2008年のIAにおいて、職業奉仕の重要性について総会講演を行いました。その翌年、高名な元RI会長が、「職業奉仕―忘れられた奉仕部門」と題して講演をされた、その内容の一コマであります。赤裸々に、ご自身の悩みを精神的指導者に伺いを立てられたことの告白を話されました。全聴衆は、そのあとの指導者の回答を静かに待ちました。この時の聴衆は、全世界のDGEsの皆さんでした。しかし、私は、自分自身の経験から、今日ご参会の皆様から、同じような自問自答があるのではないかと想像しております。
    精神的な指導者であるスワミジさんは、一言、こう答えられました。
    「あなたが、人間として成長できるならば、それは意義がある。」

    この元RI会長の悩みは、質と、量とで推し量りますと、量には大きな差があるかもしれませんが、質的には、クラブ会長を引き受けられる皆様、地区ガバナーを引き受けられる方、RI理事を引き受けられる方,それぞれにおいて、同じものではないでしょうか。 では、話題ともっと進めましょう。 つづく Click here!

(2014.03.20)

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