日本全国のロータリアンの猛反対と、その願いを一身に受けて理事会に望まれた板橋理事の活躍によって、RI理事会は一旦決定した第二モットー He profits
most who serves best の使用停止を撤回しました。
日本ロータリーの快挙と喜ぶ一方で、職業奉仕の理念を端的に表したこのような大切なモットーを、大した議論も尽くさずに、簡単に使用停止にし、さらに、日本からの強硬な反対に会うと、いとも簡単にその決定を撤回するという、理事会としての権威のなさに、今後のロータリーの運営に対して大きな不安を感じています。
「板橋理事が帰国できなくなったら可愛そうだから撤回しよう」というような台詞は、冗談だとしても発すべきではありません。RI理事が、第二モットーをそのような軽いものとして考えているとすれば、これは大きな問題と言わざるを得ません。
さて、11月末にウエブ・サイトを通じて発表され、さらについ先日印刷物として届いた「手続要覧2001年版」(英文・邦訳は来年2月頃発行予定)を見ると、社会奉仕の項目の「決議23-34」の本文、第一節から、ものの見事に He
profits most who serves best が抹消されています。
決議23−34 原文
Fundamentally, Rotary is a philosophy of
life that undertakes to reconcile the ever
present conflict between the desire to profit
for one's self and the duty and consequent
impulse to serve others. This philosophy
is the philosophy of service − "Service
above self" − and is based on the practical
ethical principle that "He profits most
who serves best"
ロ−タリ−は、基本的には、一つの人生哲学であり、それは利己的な欲求と義務およびこれに伴う他人のために奉仕したいという感情とのあいだに常に存在する矛盾を和らげようとするものである。この哲学は奉仕−「超我の奉仕」−の哲学であり、「最もよく奉仕する者、最も多く報いられる」という実践理論の原理に基づくものである。
2001年版手続要覧
Fundamentally, Rotary is a philosophy of life that undertakes to reconcile
the ever present conflict between the desire to profit for one's self and
the duty and consequent impulse to serve others. This philosophy is the
philosophy of service − "Service above self".
ロ−タリ−は、基本的には、一つの人生哲学であり、それは利己的な欲求と義務およびこれに伴う他人のために奉仕したいという感情とのあいだに常に存在する矛盾を和らげようとするものである。この哲学は奉仕−「超我の奉仕」−の哲学である。
決議23−34は1923年の国際大会で34号議案として採択された決議であり、この決議の変更は規定審議会(以前は国際大会)でしか行うことはできません。決議23−34の文末についている(23−34,26−6,36−15,51−9,66−49)という数字は1923年に制定され、1926年、1936年、1951年、1966年の国際大会で正式な手続きを経たうえで、その一部が修正されたことを意味しています。
今回の手続要覧の決議23−34から、第二モットーが削除されていることは、すなわち決議23−34が修正されたことを意味し、当然規定審議会の採決を必要とするはずです。しかしながら、規定審議会にはその議案は提案されておらず、審議もされていません。
決議01−678によってRI理事会は、第二モットーの使用停止を決定しました。決議23−34の文中には、この第二モットーが含まれているから、それを削除したということでしょうが、決議は規定審議会の採択を得なければ、一語一句なりとても変更できないということを知らなかったという、お粗末な話です。
RI理事会の責任か、RI事務局の責任かは知りませんが、いずれにしても、規定審議会の存在を無視した重大な越権行為と言わざるを得ません。
先般のDLP採用に当たっても、RI細則には、ガバナーは地区唯一のRI役員だとして、その役割が具体的に明記されているにもかかわらず、RI細則を変更することなしに、その役割の一部をガバナー補佐に委任するという決定をしています。こういった決定が理事会主導で行われているのか、事務局主導で行われているのかは判りませんが、規則を軽んじる風潮は困ったものです。
その上今回のケースは、その決定が撤回されて、第二モットーが復活したにもかかわらず、手続要覧の該当場所の訂正を怠っていたために、内容に誤りのある決議23-34が収録されている手続要覧が発行されたということであり、当然のことながらすべて回収して、正しい内容のものに交換すべきでしょう。
幸い邦文は、現在翻訳中ですから、せめて日本語版は正しい内容のものを発行すべきだと思い、先日RIに提言とたところです。