地区大会の運営
地区大会がマンネリ化しているので、思い切ってプログラムを改革すべきであるとか、費用がかかりすぎるのでもっと簡素化すべきであるとか、一日で済ませるようにすれば、負担も減り費用も削減できるといった意見がだされています。
その一方で、国によっては参加者が少なく地区大会の開催が危ぶまれたり、逆に何日もかけて盛大に行う国もあるようです。
地区大会の主催者である地区ガバナーは、地区の状況や会員の要望を一番良く知っていますから、何とか地区のニーズに合った大会に変えたいと思うものの、一方には「優れた地区大会の12の原則」というRI理事会決定があり、その通りにしなければ、地区大会に付随するガバナー経費が支払われないというペナルティがあるため、大幅な改革は不可能でした。
日本は、大会参加者数に関しては世界最高水準をいくので問題はないのですが、大会一日目と二日目の参加者数の大きな違いに、どの地区でも頭を悩ましています。それが、経済的負担の軽減と関連づけられて、「何とか一日で済ますわけにはいかないだろうか」という発想に繋がってきます。
2001年規定審議会において、私は、大会費用と会員の負担削減を表向きの理由にして「地区大会の開催期間を1日乃至2日に短縮する件」を提案したのですが、ものの見事に否決されました。その後、他の国から「優れた地区大会の12の原則を改正する件」が提案されて、これが採択されました。そして、その採択に従って、RI理事会は「地区大会のあり方」を検討して、今回の発表になったわけです。
従来の「優れた地区大会の12の原則」と、2001年11月理事会で変更された内容を、共にご紹介してみたいと思います。
優れた地区大会の12の原則
RI理事会は、地区大会を成功させるため、ガバナーが次のことを行うものと確信している。
1) 地区大会の立案、組織、運営に十分参加すること。
2) 定刻に開始終了する総合的かつバランスのとれたプログラムで、ロータリーに関係のあることや、地元の関心の高い問題について斬新で意欲をかきたてるような講演を含むプログラムを開発すること。新世代代のためのロータリー・プログラムやロータリー財団プログラムの参加者を活用することなどもその一例である。
3) 会長代理は、地区大会中、会長と同じ立場にあり、配偶者を含め最多数の出席者を見込める大会会議で 20-25分間主要な講演をする機会を用意しなければならないと認識すること。また開会と閉会会議において、会長代理がロータリーの現況報告と閉会の辞を述べる機会も必ず用意しなければならない。会長代理のロータリー経験を発揮できるような討論会その他の会合に会長代理の参加をお願いしてもよい。しかしながら、会長代理の挨拶を大会プログラムに組み入れる前に、ガバナーはプログラム参加に関し会長代理の意向を聴くべきである。会長代理夫妻には、会長にふさわしい歓待と鄭重さで接しなければならない。
4) 会期は最小限2日、最大限3日の大会を立案案し、明確にロータリーを内容とする本会議とグループ討論に少なくとも9時間を充てる計画を立てること。例えば、ロータリアンでない講演者がプログラムに登場する場合には、講演の主題をロータリーの綱領に直接関連させるよう努めなければならない。
5) 効果的に勧誘し、他の行事と日時が重ならないようにし、費用は妥当な額にして、地区内のできるだけ多くのロータリアンが参加できるよう目指すこと。
6) 大会プログラム・行事の中に地区内全クラブの代表者を参加させることによって、全員無参加のクラブが一つも出ないよう注意すること。
7) 配偶者やその他のための行事の時間と本会議の時間を調整して、あらゆる登録者が本会議に出席できるように配慮すること。
8) グループ討論にできるだけ多くの人の参加を求めること。
9) 新ロータリアン、初めて出席する人、クラブ会長、次期クラブ会長と見分けられるように何らかの方法をあらかじめ講じること。
10)事前登録を奨励しながら、次期地区大会を推進する会議を開催すること。
11)地区大会前、会期中、大会後も入念に計画した広報活動をして、報道機関を含め、地元地域社会の参加を奨励すること。
12)地区中の多くのロータリアンにできるだけ任務を割り振ること。
前述の規定に合致しない地区大会を開いた地区では、地区大会の立案・推進・主宰にかかるガバナーの経費はRIから支払われない。
大会の出席率を高め、最大の効果を上げるため、ガバナーは次のことを行うよう要請されている。
1) 新クラブすべての会員がことごとく大会に出席するよう特に努力する。
2) 地区のほぼ中心に位置する都市で大会を開催するよう努力する。
3) クラブ奉仕、職業奉仕、社会奉仕、国際奉仕の各協議会を開くよう準備する。
4) 大会プログラムの立案に当たっては、不必要な娯楽番組や競技類をやめ、主題を厳格にロータリーの用務に限るようにする。
ガバナーは、地区大会会場に展示場を準備して、地区内全クラブに少なくとも一つのクラブ・プロジェクトを展示するよう要請し、優れたプロジェクトを特に表彰するようにしてほしい。このような展示には、地区規模のプロジェクトも含めなければならない。
可能な場合、地区内に居住するRIの元役員であるロータリアン夫妻のために、何か社交的な集い、宴会、昼食会、あるいはレセプションのようなものを開くのがよいと思われる。
地区の決議と立法案
地区大会は、RI細則に従って、地区内の重要な事柄について勧告を採択することができる。但し、このような勧告は、RI定款および細則と一致し、ロータリーの精神と本質に沿うものでなければならない。従って、地区大会で採択された決議は、
RIの所定の方針に調和したものでなければならない。
各ガバナーは、 規定審議会に先立って地区集会を開く手紀をしなければならない。地区内クラブの代表者は、次の目的のために地区集会に招かれる。
1) 規定審議会で審議する立法案の理解を深める。
2) 規定審議会に地区から派遣される代表議員に立法案の各項に関するクラブの総意を認識させるこのような集会を地区大会のプログラムの一端として予定すべきである。
会長代理
地区大会には会長代理が任命されて出席する。 会長代理と配偶者の旅費はRIが支弁する。 会長代理夫妻の地区大会出席期問中は、夫妻のホテルおよび他の大会関係の費用は地区大会が負担するものと期待している。
会長代理をどのように歓待してほしいか、また、会長代理のプログラム参加回数、時間、種類については、 会長からガバナーに連絡するのが普通である。
ガバナーはこの意見を注意深く守るものと期待されている。
ガバナーはすべての公式会合を計画、推進、主宰するものと認識し、地区大会の会長代理には会長と同じ席次が与えられるよう特に注意を払うべきである。
会長代理は、可能な限り、地区大会の前後にロータリー・クラブとロータリー奉仕プロジクトを訪問すべきである。
2001年11月理事会における決定事項
- RI会長代理に最低2回、地区大会において講演する機会を提供しなければならない。2回のうち1回は、配偶者を含めた、最大の出席が見込まれる大会本会議において20分ないし30分の主要講演を行うことである。
- 2回の主要講演の他に、会長代理には、ホスト地区に対し感謝の意を表明するため大会の閉会式において閉会の辞を述べる機会が提供されるべきである。
- 前ロータリー年度の監査済の財務報告を提議し、採択する。
- 規定審議会に先立つ2年前のロータリー年度を通じ地区の規定審議会代表議員を承認する。
- もしも地区協議会において事前に承認されていない場合、地区の賦課金を承認する。
- 会期は2日未満であってはならず、3日を超えないようにする。
- 本会議およびロータリーの活動内容についてのグループ討論に最低9時間を割く。
- ロータリーの主題についての討議が70パーセント以下とならないよう均整の取れたプログラムを含める。
- 決議を検討する。
- 新しいロータリアン、地区大会にはじめて出席したロータリアン、クラブ会長および次期クラブ役員を紹介する。
- プログラムにおいてロータリー活動に参加してきた人たちを最大限に起用する。
- 事前登録を奨励して、次年度の地区大会を推進するセッションを含める。
- 最大の出席を達成するために手頃な費用を維持する。
- 地区大会と他の行事の日程が重なるのを割ける。
- 配偶者の行事やその他の行事が重ならないよう日程を調整し、登録者全員が本会議に出席するよう奨励する。
- クラブおよび地区プロジェクトを、例えば「友愛の家」に展示するよう推進する。
- 会長代理の経験を見分け、適宜、討論やその他のセッションに関与してもらう。
- 当該地区に居住するロータリアンのRI元役員とその配偶者のための社交親睦活動を含める。
- 新しいロータリアンのために特別な説明指導行事を提供する。
- クラブ会長を務めた、あるいはクラブの指導的な役割を3年以上務めた関心をもつロータリアンのために、地区大会の直前直後に全1日を充てた地区指導力セミナーを含める。
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