ガバナー月信
ガバナー月信は、ガバナーが会長と幹事宛に毎月出ことが定められている私信です。
ロータリー章典には、ガバナーに任務として、「地区内各クラブ会長および幹事に対して月信を発行すること」という明確な記載があります。
RIの会員はロータリアン個人ではなくクラブですから、RIの役員であるガバナーの管轄下にあるのはクラブであり、その代表者である会長と幹事に、ロータリーの理念やRIからの要望や伝達事項を伝えるために考え出されたのがガバナー月信です。
日本のロータリーの創生期に発行された、米山ガバナー(期首7クラブ、期末11クラブ)や井坂ガバナー(期首11クラブ、期末14クラブ)の月信が、一部欠落した状態でしか残っていないのは、当時設立されていた僅かなクラブの会長・幹事にしか配られていなかったため、発行部数が極端に少なく、RI脱退や第二次世界大戦の影響で、そのほとんどが散逸してしまったためと思われます。
クラブ会長は、例会を通じて、ガバナー月信の内容をクラブ会員に伝えるのが本来の方法ですが、ガバナー月信の全文を直接伝えてもらいたいという会員の要望に応えて、「Copy」という形で配布するケースが日本では定着しているようです。ガバナー月信の「Copy」を全会員に配布するのは、言わば親切心からであって、ガバナーの義務ではありません。
しかし、その親切心が仇となって、会長は例会における月信の紹介を怠り、会員は当然読むべき月信を読まないため、「ロータリーの友」と「ガバナー月信」は共に「読まれざるベスト・セラー」の烙印を押されているのが現状です。
さて、最近のガバナー月信は本来の目的が忘れ去られて、肝心のガバナーのコメントは1、2ページしかなく、残りのほとんどは地区の行事報告や委員会報告で埋め尽くされているようです。ガバナー月信の必須項目は、ガバナーのコメントとクラブ出席率ですから、それ以外の部分は「地区だより」かなにかの名称で別に発行するのが本来の方法でしょう。
私のガバナー年度は、ガバナーのコメントの部分は、ロータリーの理念や、四大奉仕の各論を中心に毎号8ページ書いたため、全体が20-30ページとなり、費用の使いすぎという一部の人からの批判はあったものの、多くの方から永久保存版としていつまでも使えるというお褒めの言葉をいただきました。
さて、インターネットの普及によって、ガバナー月信のインターネットによる配信が、話題に上るようになりました。地区内全クラブの会長・幹事がインターネットにアクセスすることが可能ならば問題はないのですが、必ずしも現状はそうではありませんから、やはり、会長・幹事には印刷したものを渡す必要があると思います。
RIもインターネットやメールによる情報伝達を標準方式としながらも、それが不可能な人には、従来の方法を併用すると発表していますので、もう少しの間は仕方がないと思います。
ただし、100%のクラブが、インターネット閲覧が可能になっている地区では、一般会員向けのガバナー月信Copyを、インターネットによって配信するのは、ガバナー事務所の費用の削減の意味からも非常にいいことだと思います。
クラブ・レベルでは、インターネットを閲覧できる会員はインターネットで、そうでない会員には、プリントして渡せば事足りるわけです。クラブはコピー代の負担が増えますから、現在徴収している地区資金の中のガバナー月信代を徴収しないことにすればいいと思います。近い将来、クラブ会員全員がインターネットにアクセスできるようになれば、コピー代も不要になりますし、クラブ週報もインターネットのみで配信することが可能になります。
|