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炉辺談話(139)

会場監督 SAA

会場監督・SAA・Sergeant at Arms は、ロータリーのあらゆる会合において、会場の秩序を保つための最高の権限を持った役員です。会合においては、その権限は会長よりも強く、すべての会員はSAAの指示に従わなければなりません。具体的な職務内容は、議事の進行、会場への入場や退場、会場の開門や閉門、早退、遅刻の承認や拒否、私語に対する警告、会合プログラムの時間管理、例会場の秩序管理、例会場の設営、座席の指定、食事の手配等があげられます。
この会合とは例会だけではなく、アッセンブリーやフォーラムを含みます。SAAは理事会に出席する義務はありませんから、理事会の秩序を管理する義務はありません。
日本では例会におけるニコニコ箱の管理がSAAの主な役割になっていますが、これは本来の業務ではありません。

会合における最高の権限を持つ役員であり、その役割の重要さを考慮して、会長経験者が就任するのが普通です。会議中の私語を一喝できるのは、会長経験者をおいては他にはないというわけでしょう。ただ、これだけ多くの職務をSAAひとりでこなすには無理があるので、補助役として副SAAを置くのが普通です。SAAと副SAAとの数は、クラブ会員数の10%が必要だといわれています。
会議の進行と時間管理の権限を持っているため、SAAが例会の司会をしているクラブも多いようですが、SAAが司会役を勤めなければならないという規約はありません。
なお、SAAは執行系列に含まれる役員ですから、理事会の支配下には置かれませんし、当然のことながら委員会ではありません。よくSAA委員会という表現をする人がいますが、これは間違いです。 

国際大会のSAAは、大会の規模によっても違いますが、30-50名のSAAと200-300名の副SAAが、各部署に張り付きます。SAAのほとんどはパスト・ガバナーが勤めているようですが、副SAAは一般の会員がボランティアとして登録します。赤いジャケットを着るか赤い帽子をかぶっており、一目で判るように配慮されています。会場の案内、会議の管理、会場移動の案内や誘導等、大会開催中は激務が続きます。 

国際協議会(ガバナー・エレクトの研修会)のSAAはベテランのパスト・ガバナーが任命されているようです。5-6回の本会議と、500名以上のガバナー・エレクトを15-6名づつグループ分けして、それぞれが20回近いセッションをこなしますので、その誘導は大変な仕事です。参加者にはすべての会合への出席が義務付けられていますので、毎回のセッションの出席を確認するのもSAAの仕事です。私の同期のガバナーがうっかり寝過ごしたらしく、SAAにたたき起こされるという珍事もありました。
地区内では名士になったつもりのガバナー・エレクトも、国際協議会では新入生の一団に過ぎません。ほとんどのエレクトは、こういった大規模な国際的会合に出席するのは始めてですから、ちよっとモタモタしようものなら、SAAに追い立てられます。わが身の哀れさと、SAAの権限の強さをしみじみ感じたエレクトも多いと思います。 

規定審議会では2名のSAAが、議場の横の特別席に座ってにらみを利かしています。2001年の規定審議会では板橋理事がその役を勤められました。代表議員の発言時間をコントロールし、議論が白熱する会場を管理するのがSAAの主な任務です。それ以外に20名くらいの副SAAが会場全体の管理をします、ほとんど全員がパスト・ガバナーだったと思います。 

地区レベルでも、地区大会、地区協議会、PETS、各種セミナーでSAAが重要な役割をこなしているのは、皆さまご承知の通りです。それにもかかわらず、例会において、ニコニコ箱の集金と報告だけをさせている、日本のクラブ運営は、ちょっとおかしいのではないでしょうか。