ロータリー家族
ジョナサン会長エレクトは2O03-04年度の強調事項の一つに、全く新しい考え方である「ロータリアン家族への心づかい奨励」をあげています。
ロータリー運動は会員のみが参加するのではなくはなく、元会員やロータリアンの配偶者やその子女を含めたロータリー家族の協力が必要であり、その中には、ロータリーの提唱よって作られたグループであるローターアクト、インターアクト、ロータリー地域社会共同隊も含まれています。
ロータリアンとその家族、元会員に心を配り、物故会員に敬意を表して、その配偶者や予供に配慮すると共に、ローターアクト、インターアクト、ロータリー地域社会共同隊もこの幅広いロータリアン家族の一部に加えて、クラブや地区の行事に参加をうながそうという考え方です。
ジョナサン会長エレクトからの要請には入っていませんが、ロータリーと関連深い組織である、國際青少年交換学生、ROTEX、財団学友もこのロータリー家族に加えることが可能だと思います。
ロータリー運動は、無秩序で過酷な自由競争の中で、胸襟を開いて何でも語り合える友情を得ることから出発しました。当初の会員同士の物質的相互扶助は、精神的な相互扶助に形を変え、その後、四大奉仕に基づいた奉仕理念を完成し、現在に至っています。
親睦と奉仕は、ロータリー運動における必要不可欠な両輪であることは、間違いのない事実です。しかし、現在のクラブ・ライフは、奉仕活動の実践が先行し、例会の魅力が薄れ、親睦の前提となる会員相互の友情とか思いやりの精神が希薄になっているような感じがします。これがロータリーの魅力を失わせる大きな原因の一つになっているのではないでしょうか。
日本においては会員減少が続き、特に2680地区ではその傾向が顕著であり、最も会員が多かった1994年と比べると700名近く減少しています。退会の理由として、昨今の経済不況、大震災の影響のほか様々な原因が考えられます。経済的な退会理由に対して金銭的な相互扶助はできないとしても、その他の理由に関しては、会員同士の友情や思いやりの心が深ければ、いささかでも退会防止に役立つのではないかと思います。
ロータリアンの配偶者や子女に対しても、ほとんど配慮されていません。年に1、2回開かれる親睦家族会が唯一に機会になっているだけでは、日常のロータリー活動について、配偶者や子女に十分理解してもらうことは不可能です。その結果として、ロータリー活動に費やす時間と、家族サービスに費やす時間に関して、家族から不満がでてきます。ロータリー活動に熱心な会員ほど、その葛藤が大きくなるという結果になります。これを解決する手段としても、親睦や奉仕活動等の日常のロータリー活動に配偶者や子女を引き込んで、共に活動することによって喜びを分かち合うことが必要です。新会員の勧誘や退会防止にも、ロータリー家族の力が大きく寄与することは、過去の会員増強キャンペーンで十分実証されています。
私たちはロータリーの原点に立ち返って、会員間の真の友情を推進し、ロータリアンの家族に対する思いやりの心を深めなければなければなりません。その意味から、ロータリー家族委員会は全ての委員会と連動しながら活動することが必要です。会員や家族に対する思いやりの心を深めることは、クラブ・ライフに大きな魅力を与え、会員増強や退会防止にも大きく貢献します。
ロータリー家族委員会の具体的な活動
○ プロジェクトにロータリー家族を参加させる。
○ ロータリー家族の活動を基本としたプロジェクトを開始する。
○ ロータリー家族全員に最新の情報を伝達する。
○ ロータリー家族の専門知識や経験を有効に利用する。
○ 新入会員を暖かく迎え、適切なロータリー情報を伝達する。
○ 元会員との接触を継続する。
○ 高齢や病気や障害のために外出ができない会員やロータリー家族に対する慰問、ロータリーの会合やその他の用事への送迎、経済的やその他の問題についてのカウンセリングや援助をする。
○ 物故会員やその家族に対する支援をする。たとえロータリアンが亡くなっても、その家族とロータリーとの関係を終わらせてはならない。ロータリアンの遺族をロータリーの行事に招く機会を設けたり、月信や週報を送る。
・ 国際レベルでは、その年に亡くなったロータリーのシニア・リーダーの追悼式を行ったり、配偶者を招待したり、物故会員を記念するプレゼンテーションを行う。
・ 地区レベルでは、物故会員の家族を招待しての追悼式を行ったり、配偶者を地区大会に招待する。
・ クラブ・レベルでは、葬儀と重なった例会は取り止めて、クラブ会員が葬儀に出席し、クラブとして弔辞を述べる。クラブの親睦会や周年行事に招待して、物故会員の配偶者や家族との接触を保ち、条件を満たせば、配偶者や成人子女にロータリーへの入会や、インターアクターやローターアクターになることを勧める。
クラブが2003-04年度会長賞の受賞資格を得るためには、クラブにロータリー家族委員会を設置することが必須条件となっています。また地区ガバナーが特別表彰を受けるためには、地区ロータリー家族委員会を設置しなければなりません。
ロータリー家族委員会活動に関する会長賞受賞資格
クラブが会長賞受賞資格を得るためには、下記のロータリー家族委員会活動に関して、会員数50人以下の場合は2項目、51-150人の場合は3項目、151人以上の場合は4項目以上を達成しなければなりません。
○ 拡大したロータリー家族のクラブ会員とロータリアン以外の人々を支援するクラブ・プロジェクトおよび活動を援助するための、ロータリーの家族委員会をあなたのクラブに設置します。(必須事項)
○ 新会員のための公式なオリエンテーションと研修を実施します。
○ クラブの利益を助長するための活動および親睦活動を通じて、非ロータリアン家族会員(例えば、配偶者、成人した子供、配偶者と生別/死別した人)をロータリーの家族に加え、歓迎します。
○ 最近の例会に欠席したクラブ会員に、メークアップ例会の予定を入れるように連絡をとります。
○ 機会を捉えて少なくとも5回は、会員にクラブ例会またはクラブ行事にパートナーや子供を同伴するよう招待します。
○ 新会員の職場で、連続して5回クラブ例会を開催します。
○ THE ROTARIAN誌または地域雑誌の予約購読を、故クラブ会員のパートナーにギフトとして送ります。
○ 家族週間(2月第2週)に、ロータリアンの家族ならびにあなたのクラブの成功に対する彼らの貢献の重要性を認証します。
○ 過去3年以内に入会した会員がクラブに積極的に参加できるように、奉仕プロジェクトを率いるよう要請するか、もしくは委員会の委員に任命します。
○ ロータリー家族を支援する新しいプロジェクトを立案し、開始します。
ロータリー家族委員会構成のヒント
ロータリー家族委員会の活動は既存の委員会活動とかなりの部分で関連性を持っています。
○ 会員や家族への思いやりや諸行事への参加・・・親睦活動委員会、既に設置されている場合は家族委員会
○ ローターアクト、インターアクト・・・社会奉仕委員会、青少年委員会、既に設置されている場合はローターアクト委員会、インターアクト委員会
○ ロータリー地域社会共同隊・・・社会奉仕委員会
○ メークアップのフォロー・・・出席委員会
○ 地域雑誌の贈呈・・・雑誌委員会
○ 新入会員の職場例会・・・プログラム委員会、職業奉仕委員会
○ 新入会員の研修・・・ロータリー情報委員会
既に殆どのクラブは次年度の委員会構成は出来上がっているはずです。新たに委員を任命して、ロータリー家族委員会を設立するのがベストでしょうが、ロータリー家族委員会の活動と関連性を持つ、これら既存の委員会の委員長や委員が、ロータリー家族委員会委員として兼務することも、一案だと思います。
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