統一地方選挙の後半戦が始まりました。ロータリアンの中にも首長や議員として活躍されている方も何人かおられることと思います。
これらの選挙によって選ばれる役職を職業分類にすることは標準ロータリークラブ定款第6条第7節「一定の任期の間選挙または任命によって公職にある者は、当該公職の職業分類の下に本クラブの正会員となる資格を有しないものとする」という規定によって禁止されています。すなわち、市長とか市議会議員という職業分類で会員になることはできませんが、既に他の職業分類で正会員になっているロータリアンが、これらの役職につくことは可能であり、その場合はこれらの役職につく以前に持っていた職業分類がそのまま適用されます。
従来は、公職についている会員が公務をこなしながら、クラブの出席規定をクリアーすることは、現実的に不可能でしたから、正会員ではなく名誉会員として在籍するケースがほとんどでしたが、2001年の定款改正によって、「クラブ理事会が正当かつ十分な理由と認めた場合、出席規定の適用は免除される」と改正されましたので、理事会が公務による例会欠席を正当な理由と認めれば、正会員の身分を保持することが可能になりました。
ロータリーは政治禁だと言われますが、すべての政治問題がこれに当てはまるわけではありません。
第12条
第1節 域社会、国家および世界の一般福祉にかかわる公共問題の功罪は、本クラブ会員にとって関心事であり、会員の啓蒙となり各自が自己の意見を形成するうえで、クラブ会合における校正かつ理解を深める研究および討議の対象として適切な課題というべきである。しかしながら、クラブは、いかなる係争中の公共問題についても意見を表明してはならない。
政治問題の中で特に地域社会、国家および世界の一般福祉にかかわる公共問題については、クラブ内で大いに議論すべきであるが、その結果をクラブの意見として表明してはいけないと言うことです。一般福祉にかかわる公共問題以外の政治問題について、これをクラブ内で議論することを禁止しているわけではありません。
第2節 本クラブは公職に対するいかなる候補者も支持または推薦してはならない。またいかなるクラブ会合においても、かかる候補者の長所または短所を討議してはならない。
クラブとして候補者を推薦することはできません。たとえ候補者が会員であったとしても同様です。候補者をクラブの会合に呼んで政策を聞くことは禁止されていません。政策の是非を議論することは可能ですが、候補者の長所、短所に結び付けて議論することはできません。
これらは、すべてクラブ内における制限であり、個人として推薦したり応援したり、選挙活動をすることは自由です。
第3節
○ 本クラブは政治的性質をもった世界問題または国際政策に関して、討議ないし見解を、採択したり配布したりしてはならない。またこれに関して行動を起してはならない。
○ 本クラブは、政治的性質をもった特定の国際問題の解決のために、クラブ、国民、政府に対して嘆願をしてはならない。また書状、演説、提案を配布してはならない。
国際的な政治問題について、クラブ内で議論することは許されますが、その結果を採択したり、配布したり、行動に移したり、他に働きかけることはできません。
すなわちロータリーで言う「政治禁」とは、公職の候補者を推薦したり、候補者の長所短所を議論することを除けば、クラブの会合において政治問題を議論することは何ら差し支えなく、その結果を採択したり、表明したり、行動に移すことが禁じられていると理解すべきでしょう。