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炉辺談話(201)

リーダーシップ・トレーニング

 前回は、ガバナーのリーダーシップをトレーニングする数々の機会について解説しました。ガバナー・エレクト研修セミナーGETSと國際協議会において、地区の管理と次年度のRIの方針についての知識を与えられたガバナー・エレクトは、その結果を地区内の会員に周知徹底しなければなりません。

ガバナー・エレクトが国際協議会後に最初に開く研修会は会長エレクト研修セミナーPETSです。RIの会員はクラブですから、クラブの代表権者である会長(本来は幹事も代表権者ですから幹事も招集すべきなのですが・・)を集めて、次年度の地区運営方針とRIの次年度テーマや考え方について研修をします。
これに引き続いて、クラブ運営に当たる役員や重要な部門の委員長を集めて、RIの方針やクラブ運営の詳細について研修する地区協議会が開催されます。通常は会長、幹事、四大奉仕、ロータリー財団(日本では米山奨学会がこれに加わります)、会員増強、拡大部門の委員長が出席しますが、年度によってはその他の部門の委員長が召集されることもあります。
その結果を受けて、クラブは次年度の委員長を招集してクラブ協議会を開催して、これらの情報を全会員に周知徹底しなければなりません。

國際協議会、PETS、地区協議会、クラブ協議会が継続性を持って開かれることで、次年度の運営方針に関する一連の研修が完了するわけです。ここで、一番問題になることは、果たして次年度のクラブ運営を左右する事前のクラブ協議会が開かれているかどうかということです。新年度が始まる前のなるべく早い時期に、次期委員長を対象としたクラブ協議会を開催して、予算を含めた次年度のクラブ運営方針を協議することが大切です。

地区レベルでは、なるべく早い時期から、ガバナー補佐を対象とした体系的な研修が必要です。地区リーダーシップ・プランの採用によって、ガバナー補佐にクラブ管理のかなりの部分が任されるようになったので、従来の分区代理とは比べ物にならないほどの責任を負っています。従って、ガバナー公式訪問に先立って開かれるクラブ協議会で、クラブ会員の期待に応えるだけのクラブ管理に関する知識を備えると共に、将来のガバナー候補者として、充分な研修の機会を与える必要があります。

これらの一連の年度前の地区レベルの研修会は、ガバナー・エレクトと次期地区研修リーダーの責任の下で開催されます。新年度に入ると、ガバナーと研修リーダーの協力の下で、四大奉仕部門、会員増強、ロータリー情報その他の地区レベルの研修セミナーが開催されます。

日本ではこういった情報提供が盛んに行われていますが、世界レベルで見ると必ずしもそうとは言えません。そこで、RIは新しい試みとして、クラブのリーダーを対象とした「ロータリー・リーダーシップ研究会」の開催を計画しています。私は現在依頼を受けて、そのマニュアルを翻訳中ですので、この研究会の概略をご紹介いたします。

この研究会は3日間の日程で、セミナーとディスカッション・フォーラムの形式をとっており、ロータリー活動のほとんど全ての部門をカバーしています。

第1日
「模範的なロータリークラブ例会」・・間違いだらけの模擬例会を開催して、そこから正しい例会運営を学びます。
「クラブを超えたロータリー」・・RIと地区
「ロータリー財団 1」・・財団の重要性と財団プログラム
「会員増強と退会防止 1」・・特に退会防止
「リーダーシップ 1」・・リーダーシップの特徴
「奉仕プロジェクトの設定」・・社会奉仕プロジェクトの設定

第2日
「職業奉仕」
「リーダーシップ 2」・・リーダーシップの開発
「会員増強と退会防止 2」・・特に会員増強
「ロータリー財団 2」
「リーダーシップ 3」・・目標設定と完結
「ロータリークラブの分析」

第3日
「國際奉仕」・・國際奉仕とWCS
「リーダーシップ 4」・・ロータリーが直面している諸問題とリーダーシップ
「創造的な奉仕」・・ロータリーに活力を与える奉仕の創出
「広報」・・効果的な広報
「効果的な演説」・・効果的な演説をするためのノウハウ