会長は形式上のクラブ代表者であり、しばしば象徴としての天皇に例えられます。他の団体では会長がその団体の代表権者であることが多いのですが、ロータリーでは会長・幹事が共に代表権者となります。RIからクラブに発送される文書は「会長・幹事」宛であり、クラブ内部文書や会員証のサインが幹事であることからも、両者が共に代表権者であることが判ります。会長は対内的にはクラブ運営の責任と事業の執行権および役員や委員長の任命権を合せ持っていますが、執行権は実務の代表権者である幹事に任せるべきでしょう。
会長にはクラブ運営という大きな責任があり、クラブの自主性を生かし活性化を図るためには、強いリーダーシップが要求されます。
会長の特権として、毎例会に会長の時間が与えられますが、会長の時間は会長挨拶ではなく、奉仕理念を提唱する貴重な時間だということを忘れてはなりません。与えられた任期中50回の機会を有効に活用して、会員にロータリーの奉仕理念を伝え、これを育むことこそ、会長に与えられた最も大きな責任と言えましょう。
世俗の論理を尊重しがちの日本では、会長の選挙にあたっても、どうしても社会的地位とか年功序列にとらわれやすく、その結果として若い会長が極端に少ないのが現実の姿です。
会長を経験しなければガバナーになれず、ガバナーを経験しなければRIの理事や会長になれない規約なので、会長に就任する年齢が極端に高い日本からは、働き盛りのRI役員を出すことは先ず不可能なのが現実です。世界を舞台としたロータリー活動で、日本がリーダーシップを発揮しようと思うのなら、何はさておいても、若いクラブ会長を作ることがその第一歩となります。
会長は総会及び理事会の議長を務め、すべての委員会の職権上の委員となりますが、必ずしも理事である必要はありません。
就任条件として、会長エレクトの期間に、地区協議会と会長エレクト研修会に必ず出席するか、又はガバナーの許可を得た上で、代理者より研修報告を受けることが要求されており、過去に幹事を経験した者を会長就任の条件ととているクラブも多いようです。
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