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炉辺談話(283)

クラブ・リーダーシップ・プラン 2

2004年11月に開催されたRI理事会において、地区リーダーシップ・プランの延長計画として、クラブ・リーダーシップ・プランの採用が協議されました。
 これは全世界レベルで急増している機能喪失クラブに活力を与えるために計画された計画だと言われており、日本などの基盤のしっかりしたクラブでは、急いで採用する必要はないと、過日開催された国際協議会で説明があったと聞いていますが、かつて地区リーダーシップ・プランの時も、同じような説明があり、採用するか否かは地区が必要に応じて決定すればよいと言いながら、結果的には強制的に採用せざるを得なくなったという前例があるだけに、何年か先には実施されるという前提で、その採用を検討する必要がありそうです。
 クラブ・リーダーシップ・プランの採用を前提にして、推奨クラブ細則が大きく変更されました。
 「委員会構成は、地区リーダーシップ・プランおよびクラブ・リーダーシップ・プランに沿ったものである。 クラブは、その奉仕と親睦のニーズを満たすために必要な委員会を設置する裁量権をもつ。そのような任意の委員会の見本一覧表は、クラブ委員長の手引きに記載されている。クラブは必要に応じて、独自の委員会構成を考案することができる。」と記載されており、必ずしもこの推奨クラブ細則による委員会構成をそのまま採用する必要はなく、あくまでもクラブの委員会構成はクラブの裁量権に委ねることが記載されていますが、心理的にはかなりの強制力を持つことは否定できません。

クラブ・リーダーシップ・プランに基づく委員会構成

会 員 増 強
委員会

奉仕プロジェクト委員会

ロータリー財団
委員会

クラブ広報
委員会

クラブ管理運営
委員会

職業分類
会員選考
会員増強
ロータリー情報

職業奉仕
 ロータリー・ボランティア
社会奉仕
 人間尊重
 地域開発
 環境保全
 共同奉仕
国際奉仕
 世界社会奉仕
青少年

年次寄付
恒久基金
補助金
奨学金
ポリオ・プラス
研究グループ交換
学友

広報

クラブ奉仕
出席
クラブ会報
親睦活動
雑誌
プログラム

推奨クラブ細則で設置が定められている常任委員会は、会員増強委員会、奉仕プロジェクト委員会、ロータリー財団委員会、クラブ広報委員会、クラブ管理運営委員会の五つの委員会であり、その他の委員会名は記載されていません。上記の委員会構成表は、クラブ・リーダーシップ・プランに基づいた常任委員会に、従来の委員会を配分したものであり、もしクラブが必要と認めれば、五つの常任委員会の小委員会として設置することができます。
 推奨クラブ細則第8条に四大奉仕部門という項目を新たに設けて、「四大奉仕部門は、本ロータリー・クラブの活動のための理念と実践の枠組みである。それはクラブ奉仕、職業奉仕、社会奉仕、および国際奉仕である。本クラブは、四大奉仕部門の各部門に積極的に取り組むこととする。」と記載されていますが、現実には従来の四大奉仕に基づいた委員会構成を廃止して、奉仕活動の実践を容易にするための委員会構成になっているところが、気がかりです。
 なお、クラブ資金を、クラブ運営と奉仕プロジェクトに二分するように推奨していますが、日本では従来からほとんどのクラブで、本会計(クラブ運営)とニコニコ箱会計(奉仕プロジェクト)に分けられていますので、問題はないと思います。

再三申し上げているように、クラブの管理運営、特にクラブの委員会構成などは、クラブ自治権の範疇にあるので、RIが口出しすることはできませんし、推奨クラブ細則もその名の通りあくまでも推奨であって、RIが強制することはできません。しかし、こういったものが大幅に変更されると、果たしてそのまま放置しておいていいものかどうか悩むことになりますし、無言の圧力を感じるものです。
 したがって、なぜ、RI理事会が、クラブ・リーダーシップ・プランを提唱し、推奨クラブ細則を変更したのかという理由をよく考える必要があります。このプランは、機能喪失に陥っているクラブに活力を与えるために計画されたプランです。従ってクラブの管理運営やクラブの活性化に何らの心配も感じないクラブは、従来通りのクラブ細則に従ってクラブ運営をしていけばいいし、クラブの活性化にかげりを感じるクラブは、RI理事会の勧告を尊重したクラブ管理を行えばいいのではないでしょうか。