インターシティ・ミーティング IM
1950年版の手続要覧には、グループ毎に、分区代理が主催して都市連合会IM [Intercity Meeting]を開かなければならないことが明記されています。更に古い1926年版手続要覧にはIMに関する記載はありませんので、いつの頃からこの制度ができたのかは不明です。
初期のIMは、もっぱらフォーラム形式が取られていたため、ICGF [ Inter-City General Forum]都市連合会フォーラムと呼ばれていましたが、後にIGF
[ Intercity General Forum] と名称が変更され、分区単位で行う勉強と親睦を深める会合として定着していました。
当初はガバナーが主催する地区の行事でしたから、その費用はRIから支払われてしましたが、1969年のRI理事会は、経済的理由からその費用を支払わないことを定め、それ以降は、IMを実施するか否かはガバナーの裁量に委ねられることになりました。その時点で、世界中のほとんどの地区ではIMを中止しましたが、日本では、ガバナーが分区代理に依頼する形でIMを続行しました。
しかし、RIもこの種のフォーラムの必要性を考えていたらしく、一時期、一日情報研究会One day Training Seminarを推奨したことがありましたが、これも短期間で立ち消えになってしまいました。当時、日本では、IMと一日情報研究会を共に開催する地区が多かったように記憶しています。その後の手続要覧には、1995年版までは、分区代理がIMを主催するという表現が依然として残されたままでしたが、これはあくまでもガバナーの判断でIMを開催してもかまわないという意味です。
1989年に、一般的に使われていたIGFの表現が、IM に統一されました。これに対していろいろと異論がでましたが、正式呼称は元来IMであり、IGFというのはIMの形式を表す言葉なので、あまりこの用語にはこだわる必要はないと思います。現実に日本では、IMの名前の下で、実質的にはIGFが開かれています。
1997年からの地区リーダーシップ・プラン DLPの採用によって、1998年版手続要覧から、都市連合会と分区代理の文字が消えたことを受けて、IMに関する記載も抹消されて現在に至っています。
IMという言葉はいろいろな意味で使われ、かつてポール・ハリスが名誉会長としてイギリスを訪れた際、地本のクラブが開催した歓迎会のことをIMと表現しています。ただし、このIMは
[Informed Meeting] 情報提供集会の略であり、その他非公式会合 [Informal Meeting] の意味でも使われることもあります。
近隣クラブが共通のテーマで語り合い、知己の輪を広げる意義は大きく、殆どのIMはフォーラムと懇親会がセットになったIGF形式がとられていますが、必ずしもこれにこだわる必要はなく、セミナーの形式がとられることもたびたびあります。
さて、DLPの採用によって、分区代理が廃止され、ガバナー補佐が置かれたことによって、IMの主催者とホスト・クラブの関係に混乱が起こってきました。
従来は分区内の暗黙の了解によって、輪番制で分区代理が就任するケースが多く、分区代理の指名を受けたクラブが順番にIMのホストをすれば良かったわけです。しかし、DLPに基づくガバナー補佐の任命は、ガバナーがグループ内で最も相応しい人を直接指名するのが原則であり、必ずしもグループ内クラブから輪番制で指名されるわけではありません。さらに、3回まで再任される可能性があるので、ガバナー補佐のホーム・クラブが、IMのホストをするという従来の方法では、突然スキップしたり、連続してIMのホストをしなければならない場合が生じます。
外国では、IMを開催する地区はほとんどありませんから、ガバナー補佐の任命とIMのホスト・クラブを関連づけて考える必要はありませんが、日本ではそうはいかないのが現状です。
IMはRIの正式行事ではありませんから、IMを開催するか否か、誰が主催するかについては、従来通り、全てカバナーの自由裁量件の下にあると解釈すべきでしょう。これを機会にIMを止めることを宣言するガバナーや、開催するか否かをガバナー補佐に一任するガバナーもいるようです。しかし、日本では完全に定着した素晴らしい会合ですから、継続すべきであるというのが私の個人的意見です。
ただし、ガバナー補佐の選任とIMのホストとは分離して考える必要があります。
ガバナー補佐は、DLPの趣旨を尊重して、グループの輪番制ではなく、グループ内から最適の人を選任する必要があります。IMのホストは、グループ内の情報交換と親睦を深めるという意味から、従来通りグループ内の輪番制で行うという方式が、無難な方法ではないかと思います。
なお、IMの主催者は、ガバナー補佐が勤めるべきでしょう。主催者とホスト・クラブが異なるケースもでてきますが、地区大会のホスト・クラブが必ずしもガバナーの所属クラブでない場合もありますので、これと同様に考えるべきでしょう。
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