日本の常識は世界の非常識 2
6. 会費は食費を含めて支払う。
日本のほとんどのクラブの年会費には食費が含まれています。これらの費用は半期分を前払いすることになっていて、仮に例会を欠席したとしても食費を返してくれるクラブはほとんどありませんが、不思議なことには、これに文句を言う会員はほとんどいないようです。従って、クラブの会計にとっては、ホームクラブの例会に欠席することと、ビジターの来訪は大いに歓迎ということになります。
外国では会費の中に食費は含まれておらず、食事代金はその都度キャッシュで支払うか、食券を購入するのが普通です。レストランやホテルで行う例会では、幾つかのメニューが用意されていて、自由に選ぶこともできますし、食事抜きで例会に参加することも可能です。食費は大都会の大規模クラブでも15-20ドル、田舎に行くと7-8ドルが普通で、日本よりかなり安いようです。
東南アジアの開発途上国では、ビジター・フィー2-3ドルで、お茶とクッキーだけで例会を開催しているクラブもあります。
ビジター・フィーとして平気で3,000円、5,000円取る日本が、世界から見ると特殊な国であることを認識する必要があります。
7. クラブにはクラブ事務局があり、事務局員がいる。
RIが発行しているOfficial Directory(RI会員名簿)には、世界中のロータリークラブの情報が記載されています。2-3年前までは出版物として発行されていましたが、現在はCD-Romとして発行されています。その会員名簿を調べると、会員200-300人以上の大規模クラブと、日本、韓国、台湾以外のクラブには、「クラブ事務局」の欄が空白であることに気付きます。これは決して記載漏れではなく、世界中のほとんどのクラブは「クラブ事務局」を持っていないことを意味するのです。
米山梅吉がロータリーという組織を日本に輸入した際、すでに社会的に成功した実業家で構成されたアメリカの大クラブを手本にしたことと、東京クラブが財界の大御所を中心に組織されたことから、会員が自らクラブを運営するのではなく、事務処理をすべて事務局員にさせるという悪い先例を作り、それを、その後設立された他のクラブが真似をし、さらに日本のクラブとして出発した韓国や台湾にもその悪い先例が引き継がれたものと思われます。
大規模クラブは別にして、世界中のほとんどのクラブには、クラブ事務局はありませんし、事務職員もおりません。すべての事務処理は、幹事を中心にそれぞれのクラブ奉仕小委員会がこれを役割分担して行い、幹事の家がクラブ事務局を兼ねているのです。日本のクラブの会費が高いと不満を言う前に、その会費の半分以上を占めている事務所と事務職員の費用を節減する道を選ぶべきです。幹事、会計、出席委員会、親睦活動委員会、会報委員会などのクラブ奉仕関連小委員会が自らの役割を果たせば、事務局員は不要になるはずです。
8. クラブの個性
日本のクラブの委員会構成を見ると、ほとんどのクラブが同じような委員会構成を採用しています。中には、推奨ロータリクラブ細則と一言一句変わらない委員会構成を採用するように、カバナーが指導している地区もあるようです。旧推奨クラブ細則は会員200名程度のクラブを想定して作られていたために、多くの委員会があり、30-40名程度のクラブでは一人の会員が幾つもの委員会を掛け持ちしなければなりませんでした。新しい推奨細則ではかなり委員会の数を減らすことが可能になりましたが、今度は常任委員会や理事の定数を巡って混乱が起こっているようです。推奨細則の冒頭に「本細則は単に推奨されるに過ぎない。RI定款・細則、クラブ定款と矛盾しない限り、クラブ自身の事情によって変更することができる」と書いてあるにも関わらず、これに拘りすぎるクラブが依然として多いようです。クラブの委員会構成はクラブ細則で定めるために、クラブの自治権の範疇にあります。従ってどのように定めようとクラブの自由なのです。
外国のクラブや地区の委員会構成を見ると、実に個性に富んだ委員会が存在することが分かります。以下、その一例をご紹介します。Fireman’s Committee
火消し委員会 揉め事を解決する委員会
Donor Committee
臓器提供の斡旋をする委員会
Sunshine Committee
クリスマスの贈り物をする委員会
History of Rotary Committee
ロータリー史編纂委員会
Local trading Committee
市内における商取引を奨励する委員会
Business methods Committee
正しい事業運営を研究する委員会
皆様方のクラブを象徴するような、特徴的な委員会を作られては如何ですか。
9. ロータリーの会合に出席するときには身なりを整える。
日本のロータリアンはお行儀がよく、ほとんどのロータリアンは背広にネクタイ姿で、ロータリーのエンブレムをつけて会合に参加します。会社のユニフォームを着たままで例会に出席しようものなら、ひんしゅくの眼差しを浴びせられることは必至ですし、エンブレムでも付け忘れようものなら、罰金を免れることはできません。
定款・細則には、服装についての取り決めはどこにもなく、エンブレムについても使用する権利があると記載されているものの、それを付ける義務については何の規定もありません。
外国の例会では、背広にネクタイ姿の会員は半数以下です。皆、好き勝手な服装で、夏などは半袖がごく当たり前の格好です。特に女性会員の服装のルーズさは格別で、若いピチピチした肌ならば兎も角も、皺だらけの肌に、ノースリーブ、半パン姿には目をそむけたくなります。この傾向は、国際大会などの大きな会合でも同様であり、最近は、Tシャツにジーンズ姿の参加者にも、あまり違和感を感じなくなったのも不思議なことです。
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