CLPの新しい発想
CLPを採用する場合、どうしも避けて通ることのできないステップに委員会構成の合理化があげられます。どのような委員会構成を採用すれば、効率のよいクラブ運営ができるのでしょうか。以前の推奨ロータリークラブ細則は大規模クラブを対象にして作られたものだったので、中小規模のクラブがそのまま採用すれば、一人の会員が幾つもの委員会を兼任せざるを得なくなり、結果として満足な委員会活動ができないという問題が起こっていました。細則に記載されている委員会をすべて設置して、一名の委員長と二名の委員を置いて、さらに定款で定められている役員を加えれば、70名規模のクラブでなければ、この委員会構成を採択できない計算になります。もっとも、クラブ細則はクラブが独自に決めることが可能なので、自らのクラブの規模にふさわしいように委員会を統廃合して、クラブの運営を合理化すれば良いのですが、日本のほとんどのクラブはこの作業をせず、推奨クラブ細則をそのまま採用して、無駄な委員会に数少ない会員を張り付かせているケースが大部分でした。
今回、CLPに基づいた新しい推奨クラブ細則が発表されましたが、その冒頭に「本細則は単に推奨されるにすぎない。従って、ロータリークラブは、標準ロータリークラブ定款、RI 定款、RI 細則、およびロータリー章典と矛盾しない限り、クラブ自身の事情に応じて変更することができる。」と書かれているにもかかわらず、それをそのまま採用することを前提にして、賛成、反対の議論に花が咲いているようです。どうも、日本人の、お上から与えられたものをそのまま受け容れるという悪い習慣は、なかなか治らないようです。要は、小規模のクラブでも効率的に運営できるような委員会構成を考えることです。
1927年に開催されたオステンド大会で、ロータリーに四大奉仕の考え方が導入されましたが、それ以前は、ロータリーの諸活動をクラブ内諸活動とクラブ外諸活動に二分して考えていました。この考え方を採用すると、中小規模のクラブに適した、きわめて合理的な委員会構成ができます。
まず、ロータリー活動をクラブ内諸活動Club internal activitiesとクラブ外諸活動Club external activitiesに二分します。クラブ内活動は会員自身に関わる会員委員会と、クラブ管理に関わるクラブ管理委員会によって構成されるクラブ奉仕委員会が担当し、クラブ外活動は例会外で行う奉仕活動全般、すなわち職業奉仕委員会、社会奉仕委員会、国際奉仕委員会、財団委員会によって構成される奉仕活動委員会が担当します。
会員委員会は、従来の会員増強・会員選考・職業分・ロータリー情報各委員会の職務を行い、クラブ管理委員会は、プログラム・出席・広報・雑誌・会報・インターネット各委員会の職務を行います。
社会奉仕委員会は、社会奉仕、インターアクト・ローターアクト・ライラを含む新世代委員会の職務を、国際奉仕委員会は、世界社会奉仕・ロータリー親睦・国際交流・国際青少年交換の職務を、財団委員会は、ロータリー財団・米山奨学委員会の職務を行います。
小規模のクラブでは、クラブ奉仕委員会と奉仕活動委員会を常任委員会にして、クラブ管理・会員・職業奉仕・社会奉仕・国際奉仕・財団の各委員会を小委員会にすれば、少ない人数でも対応できますし、中規模乃至は大規模のクラブでは、小委員会を常任委員会にして、それぞれの具体的な専門分野を小委員会にすれば、ほぼ従来の委員会構成を踏襲した形で収まると思います。ただし、会員増強、会員選考、職業分類は会員増強委員会に統合、雑誌、会報、広報と、プログラム、出席はそれぞれ統合可能です。小規模クラブでは、ロータリー財団と米山奨学委員会を財団委員会に統合せざるを得ませんが、可能な限り独立させる方が望ましいと思います。
小規模クラブ委員会構成例
理
事
会 |
常任委員会 |
小委員会 |
具体的な職務内容 |
クラブ奉仕
委員会
クラブ内
の諸活動
を担当 |
クラブ管理委員会 |
プログラム・出席・広報・雑誌
会報・インターネット・親睦 |
会 員 委 員 会 |
会員増強・会員選考・職業分類
ロータリー情報 |
奉仕活動
委員会
クラブ外
の諸活動
を担当 |
職業奉仕委員会 |
|
社会奉仕委員会 |
社会奉仕・新世代(インターアクト
ローターアクト・ライラ) |
国際奉仕委員会 |
世界社会奉仕・ロータリー親睦
国際交流・国際青少年交換 |
財 団 委 員 会 |
ロータリー財団・米山奨学 |
中・大規模クラブ委員会構成例
理
事
会 |
常任委員会 |
小委員会 |
クラブ管理委員会 |
例会 (含 プロク゜ラム・出席)
広報 (含 雑誌・会報・インターネット)
親睦 |
会 員 委 員 会 |
会員増強 (含 会員選考・職業分類)
ロータリー情報
|
職業奉仕委員会 |
|
社会奉仕委員会 |
社会奉仕
新世代 (含 インターアクト・ローターアクト・ライラ)
|
国際奉仕委員会 |
世界社会奉仕
必要ならば 国際交流・ロータリー親睦
国際青少年交換 |
財 団 委 員 会 |
ロータリー財団
米山奨学 |