地区リーダーシップ計画(DLP)に関する理事会決定
17.020. 地区組織および管理
すべての地区は、2000年7月1日までにDLPを採用し、この計画の中で「ガバナー補佐」という用語を採用することを強く勧告する。
(1999年6月理事会決定299)
ソース:1999年2月理事会決定216
17.020.1. DLP
DLPは、地区レベル、クラブ・レベルの双方に提供することによって、ロータリーを強化する。
l クラブに対する迅速かつ責任ある支援
l 地区において充分に研修を積んだ、指導者としての大きな権限を持った代理人
l 効率的に育て上げたテスト・モデル
l 強大な守備範囲を持ったガバナー候補者
l 財団プログラムや地区のRI活動に対する積極な参加
l 革新的な指導者として、ガバナーに対してより挑戦的な役割
a) DLPはどのようにしてガバナーを援助することができるか?
この計画の下で、ガバナーは、新しく、より高いレベルのリーダーシップがもたらされる。クラブ運営に関連した多く管理作業を実施するために、ガバナー補佐または副ガバナー(lieutenant
Governor)を任命することによって、ガバナーは、具体的な行事への出席を通じてロータリアンを刺激するために、クラブや地区の活動やプロジェクトに参加することに、より多くの時間を捧げることが可能になる。更にガバナーは、チャーター・ナイト、入会式、財団表彰プログラム、財団セミナー、会員増強セミナーへの出席を通じて、会員増強の重要性を強調することもできる。さらに、新しいリーダーシップの構造の結果として、ガバナーは、ポールハリス・フェロー、会長賞、地区表彰など個人表彰を通じて、個々のロータリアンの貢献を表彰することが可能になる。従来は、そのような個人表彰は、ガバナーの管理義務のために与えられる時間が不足していたため、しばしば実施することが不可能であった。
本質的に、DLPは、地区のニーズに適った新しい方法を発見し開発するリーダーを作るために、地区が、ガバナーの重要な役割からクラブ訪問を外すことを可能にするものである。この変更ではっきりしたことは、管理義務の分担がより適切になったことで、自らの職業でまだ活躍中の若いリーダーが、ガバナーの役割を引き受けることを可能にして、ロータリーが、より生き生きとしたイメージを映し出すことに成功したことである。
b) 地区はどのようにDLPの利点を利用できるか?
地区のリーダーは、次に記載した要件がまとめられた計画を開発するために、現在および元地区指導者が参画した作業に関心を持つこと。
l 任命されたガバナー補佐の数。各々の地域の地理的条件、言語、文化、強力クラブと弱体クラブのバランスなどの条件を考慮した上で、各々の地区のニーズに基づいて、4名ないし8名任命する。[アディショナル・ガバナー補佐は事務総長の承諾を得た上で任命できる。]
l 各々のガバナー補佐に割り当てられるクラブの数。
l 各々のガバナー補佐はどのような責任があるのか。
l ガバナー補佐はどのようにして研修を受けるのか。
l ガバナー補佐とガバナーの関係はいかにあるべきか。
l ガバナー補佐は現在の地区リーダーシップ機構の中に、どのように組み入れるべきか。
l 地区はガバナー補佐の採用を通じて、どのようにして指導者の継続性に備えるか。
l 地区にはどんな委員会が必要か。
l ガバナー、ガバナー補佐、委員会との関係はどのようにすべきか。
l 地区の地理的領域と特徴を考慮にいれること。
l 地区は必要かつ適切な委員会を継続性を持って設置しているか。
l ガバナー補佐の任命と解任の方法。
c) 地区におけるガバナー補佐の役割は何か?
これらの要件が発表され次第、任務の明細やあらましが開発される。ガバナー補佐に対する責任のリストは次の通りでである。
l ガバナー補佐の地区研修会に出席すること。
l PETSと地区協議会に出席すること。
l 地区目標を開発するチームとして、ガバナーのリーダーシップの下で活動すること。
l 地区委員の選任に関して、インカミング・ガバナーに助言すること。
l クラブの目標を協議し、「クラブ計画および目的の要約」を検討するために、ロータリー年度が始まる前に、担当地域内のインカミング会長と会った上で支援すること。
l 担当地域のクラブに関する、地区のすべての問題についてガバナーを代理すること。
l 定期的、少なくともロータリー年度の4半期に一回は、担当地域のクラブを訪問すること。
l クラブ会長および幹事と定期的に(4半期に一回以上、できれば毎月)会合を開き、クラブの用務や人材や資金について討議すること。
l ロータリーを推進させるという具体的目的を持って、担当地域へのガバナーの訪問のスケジュールと計画をたてること。
l 担当クラブの進捗状況をガバナーに報告し、ロータリーを一層発展させ、問題の処理方法を提案すること。
l ガバナーの要望や勧告を遂行することをクラブに推奨すること。
l 地区大会やその他の地区会合へ出席し、かつ出席を促すこと。
l 必要に応じて、ロータリー財団プログラム、年間および特別寄付の行事、その他指定された任務に参加すること。
l 奉仕プロジェクトに関する各々のクラブの業績を見守ること。
委員を任命する前に、ガバナー補佐がインカミング・ガバナーの地区目標の開発を援助することが重要である。その目的は、地区目標を達成するために、地区が要望していることは何かについての合意を得た上で、それに必要な人員だけを任命するためである。その他当然期待される事柄として、ガバナー補佐は、自らが割り当てられたクラブのリーダーと会うためにPETSに出席することや、地区協議会への参加が含まれている。
d) ガバナー補佐はどのようにして任命され、どれほどの期間務めるべきか?
ガバナー補佐の選出に関する資格基準:
l 少なくとも3年間、名誉会員以外の会員身分で地区内クラブに所属している瑕疵のない会員
l クラブ会長を全期間勤めた者
l ガバナー補佐の責任を受け入れる意思と能力
l 地区レベルで目立った業績をあげていること
l 将来の地区のガバナーとして有望であること
ガバナー補佐は地区によって任命された者であり、国際ロータリーの役員ではない。ガバナー補佐は、地区指導者の継続性を図るために、1年1期制を原則とし、3期を超えて勤めないように任命すべきである。
元地区ガバナーをガバナー補佐に任命しないように要望されている。
e) DLPは、地区の委員会構成にどんな効果を与えるか?
地区委員会は、ガバナーとガバナー補佐によって公表された、地区目標を実行する責任を負っている。委員は、ガバナーと地区の指導者によって確認された、具体的な機能を提供する時にだけ、任命される。この標準を満たさない委員会は解散すべきである。
明らかに、原則に通りに進められていく幾つかの委員会運営も存在し、効率を上げるために、指導者の連続性を図らなければならないものもある。このカテゴリーに含められている委員会は下記の通りである。
l 会員増強と拡大
l 財政
l 自動的に進行中である地区レベルのプログラム(例えば、青少年交換プログラム、ローターアクトなど)
l 広報
l 出版物(ニューズレター、会員名簿)
l 地区研修会(PETS、協議会)
l 地区大会
l 財団活動
l RI国際大会および地区大会の推進
f) DLPはガバナーの公式訪問にどんな効果を与えるか?
ガバナー補佐に、クラブ管理の責任を委任することにより、DLPはガバナーがクラブを個々に訪問したり、特別の目的のために年度を通じて開かれる合同クラブ例会に出席することが可能になった。RI細則第15.090.節に規定されているようにガバナーの公式訪問は、次の目的のために、地区内の個々のロータリークラブに、地区ガバナーが自ら訪問するように定められている。
l 重要なロータリーの問題に焦点を合わせること
l 弱体または問題を抱えているクラブに、特別に注意を払うこと
l 奉仕活動へのロータリアンの参加意欲を高めること
l 地区内におけるロータリアンの卓越した業績を直接表彰すること
チャーター・ナイト、入会式、新会員のオリエンテーション・プログラム、表彰式、特別なプログラム、財団行事、都市連合会などのような、ガバナー出席の効果が最も上がるような時に、ガバナーがこのような訪問をすべきである。
この計画の特徴は、ガバナーが、クラブ訪問の日程により柔軟性を持たせることと、時間をより効果的に管理することができることである。
g) DLPにおける地区研修リーダーの役割は何か?
地区研修リーダーは、クラブや地区の指導者を開発するために、進行中および継続中の極めて重大な役割を担っている。地区研修リーダーは、PETSや地区協議会における研修義務に加えて、ガバナー補佐の研修も、適切な元地区指導者と協調して活動しなければならない。
h) ガバナー補佐はどのようにして研修すべきか?
ガバナー・エレクトは、元会長会(Council of Past Presidents)と地区研修リーダーの支援の下に、ガバナー補佐の研修プログラムを開発、実施する責務がある。研修は国際協議会直後でPETSに先がけて開催しなければならない。
ガバナー補佐を研修するための効果的なプログラムは、以下ことを取り上げなければならない。
l 地区目標の共同開発
l 義務と責任の再検討
l ガバナーとガバナー補佐の関係についての討論
l クラブ管理
l どんなクラブ協議会を実施すべきか
l どんな制度を公式訪問に活用すべきか?
l ガバナーの公式訪問は、どのように実施すべきか
l RIテーマと、もしあれば会長声明
l 地区財政
l 会員増強と拡大
l ロータリー情報、RIの人材および財政
l RIプログラム
l 財団プログラム
l RIの会合(国際大会、会長会議など)
i) あなたの地区はどのようにしてガバナー補佐の経費を捻出するか?
もちろん、この質問に対する回答は、あなたの地区のニーズやあなたの計画の内容次第である。12の参加地区のほぼ半数は、DLP構想にガバナー補佐を組み入れることで、会費値上げの必要がなかった。残りの地区は、その目標を達成するために、ほんの僅か会費を上げたか、または他の部分から費用を捻出した。ほとんどの地区は、極く僅かな地区予算で、クラブの支援やクラブ活動に関連したガバナー補佐の交通費や電話代や通信費等の経費を賄うことを了解した。
j) 次には、何をすべきか?
DLPの原案を発展させること。あなたの計画には、個々の委員会に対する責任や、ガバナー・エレクトの要請に応えて、1年ごとに特別な委員会に作るのではなく、継続性(
3年任期。夫々の新しいガバナーが一人の委員を3年任期で任命する)を保証するための戦略といった活動をする常任委員会を含めるべきである。
地区の指導者(すなわちパスト・ガバナーの諮問委員会または同様な組織、および現ガバナー)の同意を得た上で、PETS、地区協議会または地区大会で、地区のクラブの承認を得ること。
地区において実施可能であるという見通しと合意の下に、事務総長に、最終計画を提出すること。
地区の指導者の間に、変えたいという思い入れがあれば直ちに、地区はDLPに参加することができる。あなたがその手続きを始めるのを手助けするために、サービス・スーパーバイザに連絡すること。
ロータリーは、次の世紀にも繁栄し続けるために、私達のガバナーが、各々の地区の具体的なニーズを満たす最善の方法で、自らの地区を引っ張っていくことができる機会を、積極的に捜す必要があることを認めている。各々の地区は、各々のガバナーがいるからこそ、個性的なのである。私達の組織の多様性は、私達の偉大なる財産の一つである。それが、ロータリーが柔軟性に富み、新しい挑戦を受けて起き上がり、成長し続けることを可能にするのである。今や、私達の地区組織で、多様性と柔軟性を利用する時である。あなたの地区が奉仕の能力を高めるのを手助けするために、その手続きを始めてようではないか。
(1998年6月理事会決定348)
ソース:1996年2月理事会決定201
17.020.2. DLPに参加する地区のための最低基準
DLPに参加する地区のための最低基準のリストは、次の通りである:
a) 現および元地区指導者が協力して、具体的なDLPに対するコンセンサスを図り、かつ得ること;
b) 各々の委員会が果たす、具体的な役割を定めてること;
c) 地区で実施する前に、検討する必要があるので、事務総長に最終計画を送ること;
d) DLPに示されているように、ガバナー補佐を選ぶための最低基準を満たすこと;
e) ガバナー・エレクトの指導の下に、すべてのガバナー補佐のための研修プログラムを開発し、実施すること;
f) DLPに示されているように、ガバナー補佐が自らの責任を確実に果たすこと;
g) DLPに定義されているような公式訪問を実施すること。
(1998年6月理事会決定348)
ソース:1996年2月理事会決定201
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