地区リーダーシップ・プランDLPの採用を巡って、いろいろな問題点が指摘されています。
この制度はクラブの増加によって毎年のように地区が分割され、それに伴ってRIの経費が増えていくのを抑えるために、地区分割の下限を従来の80クラブから100クラブに引き上げるためと、テリトリーが広範でカバナー一人では管理しにくい地区や、一地区が複数の国や言語が異なる部族で構成されているような場合に、ガバナー補佐を置いて、ガバナーの任務の一部を委任させようという制度です。
ガバナー補佐に委任する職務の内容は @クラブ管理と委員会管理 A公式訪問のクラブ・アッセンブリーであり、公式訪問の会長幹事会は従来通りとしながらも、公式訪問の例会は合同例会を認めるとしています。
1992年から5年間、12地区(アメリカ7地区、スペイン、フィリピン、カリブ海地区、カナダ、オーストラリア各1地区)でパイロット・プログラムとして実施され、効果があがったという理由で、1996年にこの制度の採用の是非について、当時のガバナーに打診がありました。
日本の各地区からの回答は、ガバナーの権限をガバナー補佐に委任するためには規定審議会の議を経てRI細則を変更する必要があるし、日本にはRIが例示したような地区は存在しないので採用の必要はないという意見が大勢を占めたので、当時のジアイRI会長は、「日本では5-6年かけて準備し、その必要を感じた地区から順次採用すればよい」という、公式発言をしました。
ところが、RI理事会は規定審議会に諮ることなく、1997年よりDLPを採用することを決定して、その採用は地区の自由であるとしながらも、これを採用しない地区は、将来クラブ数が増えても地区分割を認めないという通達を出し、ついに1998年の手続要覧には、本来採用が任意であるはずのDLPの説明だけが記載されて、従来の地区管理や分区代理に関する記載が一掃されてしまったとというのがその経緯のあらましです。
RIによれば、@ガバナー補佐の中から、将来のガバナー候補者を養成できる Aガバナーが雑務から解放されて本来の地区管理に専念できる B1地区で100クラブ位までが管理できるので地区分割が減少し経費節減になると説明しています。
これに反対する意見は、@RI定款細則上、地区唯一の役員と定められているガバナーの役割を、規定審議会の議を経て規約改正することなしに、役員でないガバナー補佐に委任することはできない A公式訪問のために合同例会を指示することは、クラブ自治権の侵害に当たる
B日本国内においては、ガバナー補佐を置かなければ管理できないような特殊事情のある地区は存在しない Cクラブ・アッセンブリーでガバナー自らが多くの会員と対話を交わすことに、公式訪問の意義がある Dガバナーの委任を受けてクラブ協議会に出席して、会員からの質問に回答する義務があるガバナー補佐に対して、誰がどのように教育するのか等々、多くの問題点が指摘されています。
従来の分区代理を名前だけガバナー補佐に変えて、公式訪問のクラブ・アッセンブリーに代理出席させることをDLPだと考えているガバナーがいたとしたら、単にガバナーが楽をするためだけの制度悪用だと言われても仕方がありません。従来から行われているクラブのローテーションによる分区代理の推薦を止めて、ガバナー自らが、将来の地区リーダーとしてふさわしい至近の会長経験者を、分区毎にガバナー補佐として任命し、研修リーダーと共に強化合宿による研修会を何回か開いて、徹底的にロータリーの教育をすることで、始めてDLP採用する基本条件が満たされるといえるのではないでしょうか。
将来の指導者を育てるのは良いことですが、そこまでしてガバナー補佐をおかなければ管理が出来ないような、特殊事情がある地区が日本に存在するとは思われません。従来通り、カバナー自らが、会長幹事会と例会とクラブ協議会に出席するところに、公式訪問の意義があると思うのですが、皆さまは、どう思われますか。
なお、この制度は地区管理を根本的に変える制度であるため、採用に当たっては、先ずパストガバナーの同意を得た上で、地区内クラブの承認を得てから、RI事務総長に届け出なければならないことになっています。
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