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炉辺談話(85)

人々への奉仕こそ、わがつとめ

 キング会長エレクトから2001-02年度のRIのテーマが発表になりました。
 Mankind is our business ・・人類が私たちの仕事

 このテーマを見てとっさに頭に浮かんだのは、1949年RI会長パーシー・ホジソンの Service is my business 「奉仕こそわがつとめ」です。
 ホジソンは、このテーマと同名の職業奉仕の集大成とでも言うべき著書をだしていますからこの Service は Vocational Service 職業奉仕を意味することは言うまでもありません。
 この Service is my business の原型は My business is service 「私のつとめは奉仕すること」であり、Service を強調するために、あえて Service を前において、「奉仕こそわがつとめ」としたものです。

 キング会長エレクトの国際協議会における講演集を見ると、地球上のすべての人たちに対して人類愛に基づいた奉仕を要請していますので、このテーマの原型は Our business is service for mankind であり、 service for を省き mankind を強調して、Mankind is our business になったものと推察されます。
 これを直訳して、「人類が私たちの仕事」と訳したのでしょうが、直訳を前提として翻訳せざるを得ない文献翻訳委員のご苦労は察するとしても、これでは何のことかさっぱり判りませんし、日本語としても通用しないのではないでしょうか。
 キング会長エレクトの言わんとするところを充分理解した上で、その心を伝える、美しい日本語に翻訳する難しさをしみじみ感じる、今回のテーマ翻訳でした。

 なお、ホジソンが求めている service が職業奉仕であるのに対して、King会長エレクトが求めているのは、社会奉仕や国際奉仕、すなわち人類愛に基づくボランティア活動であり、さらに、前者は、ロータリアン個人個人に I serve を求める意味から my business とロータリアン個人に呼びかけているのに対して、今回のテーマは We serve を思わせるかのように our business が使われていることも印象的です。
 ちなみに、私の翻訳は「人々への奉仕こそ、わがつとめ」です。